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1. FXは上達するのか

小さなコツをいくつか覚えたって駄目です。勝てない原因をきちんと突き止めてからやり直しましょう。FXを楽しむためには「投資期間」が必要です。すぐに始めたって勝てないことは、FXに限らず、何事であれ同じなのです。だからこそ、その期間を短縮するための「方法論」が大切なのです。

 右矢印1 1-1. FXを楽しむために
   アマチュアらしく…
 右矢印1 1-2. いつか負けないはずがない!
   上手くなるまでは短期取引です
 右矢印1 1-3. 難しさの正体って何だ
   利確と損切の理解は大切です
 右矢印1 1-4. FXは上達するのか
   取引機会を絞り込むべきです
 右矢印1 1-5. 数字で掴もう
   その機会にどう臨むかです
2. 経済指標の楽しみ方

このブログで扱う取引の理想は、経済指標発表前後の反応を着実に刈り取り、ポジション保有時間を最短化してリスクを避けることです。でも、効率良く取引するにはそれなりに予備知識が必要です。大した話は紹介できませんが、基本だけは押さえておきましょう。

 右矢印1 2-1. 大きなゾウの隠れ方
   指標取引のための予備知識です
 右矢印1 2-2. ウソは嫌いだ!
   短期取引をやるときの指針です
 右矢印1 2-3. イグアナを見分ける前に
   このブログの指標取引での成績です
 右矢印1 2-4. 小ズルくいきましょう
   いわばジンクスで勝つ方法です

3. 指標取引分析手法

このブログでは経済指標への調査・分析を定型書式で行っています。定型書式を用いることで、反省を踏まえてやり方を進歩させたり、相場環境が変わったことを見つけやすくするため、です。

 右矢印1 3-1. 指標取引の予備知識
   指標発表前後の他の時間と違い
 右矢印1 3-2. ローソク足各部の名称
   全幅・値幅・跳幅とは?
 右矢印1 3-3. 4本足チャート
   このブログで使うチャート表記
 右矢印1 3-4. 反応方向の予備知識
   指標分類と反応方向の基本
 右矢印1 3-5. 取引通貨ペアの選択
   通貨ペアによる有利不利
 右矢印1 3-6. 指標分析の方法
   定量指標分析とは?
 右矢印1 3-7. 反応分析の方法
   定量反応分析とは?
 右矢印1 3-8. 分析の成績
   事前分析的中率
 右矢印1 3-9. ブレイク対応準備
   ついでに…
4. 経済指標DB

経済指標発表前後の短時間に分析期間を絞ることによって、指標への反応に一定の再現性(傾向)があることはわかりました。各国「政策決定指標」・「経済実態指標」の項に、主要な指標についての分析結果と分析事例を纏めてあります。

 右矢印1 4-0. 各国経済・通貨の特徴
 右矢印1 4-1. 日本経済
    4-1-1. 政策決定指標
     (a) 日銀短観
     (b1) 東京都区部CPI
     (b2) 全国CPI
    4-1-2. 経済実態指標
     (c) GDP一次速報
     (d) 機械受注
     (e1) 通関貿易統計
     (e2) 国際収支
 右矢印1 4-2. 米国経済
    4-2-1. 政策決定指標
     (a) FOMC
     (b1) UM消信指数速報
     (b2) CB消信指数
     (b3) ISM非製景指数
     (c1) NY連銀製景指数
     (c2) Phil連銀製景指数
     (c3) ISM製景指数
     (d1) 輸出・入物価指数
     (d2) 生産者物価指数
     (d3) 消費者物価指数
     (d4) PCEコアデフレータ
     (e1) ADP雇用統計
     (e2) 雇用統計
    4-2-2. 経済実態指標
     (a1) GDP速報値
     (a2) GDP改定値
     (a3) GDP確定値
     (b1) 小売売上高
     (b2) 個人消費・所得
     (c1) 鉱工業生産
     (c2) 耐久財受注
     (d1) 中古住宅販売件数
     (d2) 新築住宅販売件数
    4-2-3. 収支関連指標
     (a) 貿易収支
 右矢印1 4-3. 欧州経済
    4-3-1. 政策決定指標
     (a) ECB金融政策
     (c1) ZEW企業景況感調査
     (c2) 独国Ifo企業景況指数
     (c3) 独国PMI速報値
     (c4) 欧州PMI速報値
     (d) 欧州HICP速報値
    4-3-2. 経済実態指標
     (a1) 独国GDP速報値
     (b) 独国貿易統計
     (c1) 独国製造業新規受注
     (c2) 独国鉱工業生産
 右矢印1 4-4. 英国経済
    4-4-0. 英国経済指標反応要点
    4-4-1. 政策決定指標
     (a) BOE金融政策
     (c1) PMI速報値
     (c2) 製造業PMI改定値
     (c3) サービス業PMI改定値
     (d) 物価統計
     (e) 雇用統計
    4-4-2. 経済実態指標
     (a1) 月次GDP
     (a2) 四半期GDP速報値
     (b) 小売売上高指数
     (c) 鉱工業生産指数
     (d) 貿易収支
 右矢印1 4-5. 豪州・NZ経済
    4-5-1. 政策決定指標
     (a) RBA金融政策
     (b) RBNZ金融政策
     (c1) NAB企業景況感指数
     (c2) WP消費者信頼感指数
     (d1) 四半期住宅価格指数
     (d2) 四半期生産者物価指数
     (d3) 四半期消費者物価指数
     (e1) 賃金指数
     (e2) ANZ求人広告件数
     (e3) 雇用統計
    4-5-2. 経済実態指標
     (a) 四半期GDP
     (b) 貿易収支
     (c) 小売売上高
     (d1) 住宅ローン件数
     (d2) 建設許可件数

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【FX会社】
各社特徴があります。最初は資金にも限りがあるでしょうから1つの口座で、慣れたらいくつか口座を開いて自分が使いやすい会社を選ぶと良いでしょう。
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DMM.com証券

FX口座数国内第1位はTVCMで有名。主要通貨のスワップポイントが高く、ドル円スプレッドも原則0.3銭と安い。2万円のキャッシュバック条件は、10万円入金+PC・スマホで3か月各500枚(週毎に各約40枚)の取引と意外に簡単!


ヒロセ通商

他社乗換ほか、キャッシュバックプログラム多数。スプレッドは、クロス円でUSD・EUR・NZDが有利、ドルストレートでEUR・GBP・AUDが有利。最小取引は1000通貨単位で初心者に優しい。スワップが良い会社です。


マトリックストレーダー

キャッシュバック条件はヒロセ通商と同じようです。特長は、スキャルピングOK公言・1日の取引上限なし・1000通貨単位取引可、といった点。


OANDA Japan

MT4業者はスプレッドが狭くても約定力が低い業者が多いなか、約定拒否なしが魅力。またHPの各種分析図表が美しく、あちこちのブログで引用されています。本ブログでは他人の著作物転載はしていないので、お見せできません。一度ご覧ください。


外為ファイネスト証券

特徴は、MT4最狭水準のスプレッド、EA利用可、指値制限なし、MT4サーバ国内設定、1000通貨取引可、です。

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2017年09月20日

米国金融政策発表前後のUSDJPY反応分析(2017年9月21日03:00発表結果検証済)

2017年9月21日03:00に米国金融政策が発表されます。

今回の市場予想と前回結果は次の通りです。まぁ、こんなものは関係ありません。後述するように、今回のテーマは、(1) BS(バランスシート)縮小を開始するか、(2) 12月に利上げするのか、です。

1709FOMC110.png

過去の発表結果と市場予想を下図に一覧します。

1709FOMC210.png

直近4回の「市場予想通り政策変更時」の始値基準4本足チャートを一覧しておきます。

1709FOMC300.png



本指標の特徴は以下の通りです。

  • 反応程度は非常に大きく、反応方向にはパターンがありません。
    発表後数分間の初期反応を除けば、30分後に始まるFRB議長の会見に向けて翌日までの動きが決まりがちです。
    過去の「市場予想通り政策変更(利上げ)」が行われた場合の追撃は、短期利確の繰り返しが適していました。発表直後数分間を除けば、30分後のFRB議長会見に備えて上下動が大きかったためです。
    但し、この特徴は「利上げ」が行われた場合です。BS縮小が行われる場合、どう反応するのかはわかりません。

  • FRBは「市場との対話」に重きを置く中銀です。
    世界中に影響が大きいこともあって、政策変更にあたってサプライズは歓迎されません。その結果、政策変更が予想されるFOMCが開催されるときには、早くから市場予想に基づく折込みが行われます(政策が予想通りに行われると見込んだ為替水準の調整のこと)。よって、発表後は「イベント終了」による戻しが行われることもあります。
    この動きには注意が必要です。

シナリオは以下の通りです。

  • 発表後、すぐに追撃ポジションを取り、1分以内に利確/損切します。
  • その後は、上下動のタイミングを見ながら、短期利確の繰り返しで追撃します。

追撃に徹した方が良いでしょう。


本指標の意義は、世界中の金利水準に実質的な基準が示されることと、FRBの金融政策の方向性が示されることです。

FRBに与えられた責務は、雇用の最大化とインフレ水準の適正化です。そのため、同時発表される声明では、景気状態・物価動向・雇用情勢を根拠にして、それらの見通しに基づいて金融政策をどうしていくかが説明されます。

加えて、最近では次のリセッションに備えたFRBの行動が声明に含まれがちです。現在の市場コンセンサスは「9月に資産規模縮小、12月に年内最後の利上げ」です。この内容からのズレの有無が市場の関心事と言えるでしょう。

ーーー$€¥ーーー

本指標に関する調査期間と、過去の反応程度・分布を下表に纏めておきます。下表は過去の「市場予想通り金融政策変更時(利上げ)」時のデータです。

1709FOMC120.png

データは、僅か4回分しかありません。
非常に大きく反応しているとは言え、ちょっと拍子抜けしますね。FRB議長の会見後に動くのです。
以上



2017年9月21日発表

以下は2017年9月23日に追記しています。
V.発表結果検証

すっかりやる気で早寝をしたのに起きられませんでした。今回ほどのイベントは、そうそうないはずなのにがっかりです。

結果と反応を下図に示します。

1709FOMC510.png

結果は「市場予想通り現状維持」でした。がしかし、今回のテーマは政策金利ではありません。

今回FOMCのテーマだった点は2点です。
ひとつは、BS縮小開始です。これは10月から行うことが発表されました。
もうひとつは、12月利上げを行うのか、です。これも、今のところ予定通り行う可能性が示されました。
FOMC声明全文はロイターが邦訳を出しているので、そちらを参照ください。

現在、FRBのBS上の資産は4.2兆USDと、日本のGDP並みです。この資産を10月からゆっくり縮小し始めて、2021年には3兆USDに縮小すると見込まれます。「ゆっくり」とは、月最大100億USDのペースで縮小を開始し、いずれ500億USDに引き上げるそうです。今後は、このペース変更がFOMC前の話題となっていくでしょう。
FRB議長は会見で、縮小ペース見直しは景気状況が著しく悪化した場合のみ行い予測可能な形で行うこと、を言及しました。

利上げペースについては、FRBの成長率・インフレ率・失業率の予測と見比べた方が良いでしょう。

1709FOMC540.png

声明では、「経済活動が年初から緩やかに拡大」と指摘しており、「委員会は物価の動向を注意深く監視する」旨、述べています。
FRB議長は「今年のインフレ率低下の原因がわからない」と述べた上で、それが「持続的なものか否か見極めることが重要」との認識を示しました。「必要なら金利見通しを変更する用意がある」とのことです。
現在は、FRB当局者16名中11名が金利水準を年末までに1.25-1.50%のレンジにあることが適切との見方を示しています。これは現在の水準より0.25%高いから、今年はあと1回の利上げです。
以上



ーーー注記ーーー

本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。

ーーー注記ーーー

本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上

2017年09月19日

米国実態指標「中古住宅販売件数」発表前後のUSDJPY反応分析(2017年9月20日23:00発表結果検証済)

以下、「T.指標予想要点」「U.過去調査詳細」を事前投稿し、「V.発表結果検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「V.発表結果検証」のタイトル行付近に記載しています。

T.指標予想要点

2017年9月20日23:00に米国実態指標「中古住宅販売件数」が発表されます。今回発表は2017年8月分の集計結果です。

この夜、翌21日03:00にFOMC金融政策が発表されます。よって、今回は本指標のように反応が小さな指標を相手にせず、トレンドだけを見ていた方が良いかも知れません。本指標への反応なんて、そうした動きに呑まれてしまう可能性が高いと思われます。

その上で、今回の市場予想と前回結果は次の通りです。市場予想は本記事作成時点の値です。

1708米国中古住宅110.png

※ 本稿は9月18日に記しています。市場予想は発表直前に確認しておきましょう。
※ 黄色欄は、後述する事前差異判別式の変数と解です。

本指標の特徴は以下の通りです。

  • 本指標は、新築住宅販売件数との関係で論じられることが多々見受けられます。
    がしかし、こうした関係を論拠に本指標結果を論じても、あるいは、本指標結果から新築住宅販売件数を論じても、両指標の実態差異(発表結果ー前回結果)は増減方向すら一致率が高くありません。グラフの上昇基調や下降基調が一致することはあっても、単月毎だと前月と翌月の増減すら大して一致しません。例え、どちらかの指標が前後1〜3か月先行/遅行しているとしてもです。

  • そんなことは気にしなくても構いません。
    本指標は、反応こそ小さいものの、指標発表前に発表直後の反応方向を示唆する偏りがいくつか過去事例から見出せます。そして、指標発表後は一方向に反応を伸ばしやすいという傾向も見受けられます。
    つまり、取引しやすい指標なのです。

  • 注意すべき点は、本指標の反応がかなり小さいため、強いトレンドを生じているときに指標結果なんて関係ないことです。強いトレンドが生じていないときにも、こうした反応が小さな指標は、戻り比率が大きいという特徴があります。
    負けても大したことありませんが、高値(安値)掴みには気を付けましょう。

以上の本指標特徴を踏まえ、後記詳述した調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。

  • 直前1分足は陰線と見込みます。
    過去の陰線率が85%と、極端な偏りを示しています。但し、過去平均跳幅が4pipsしかありません。1・2pipsで利確(損切)するぐらいのつもりでいなければならないので、気が向かなければ取引は取りやめます。

  • 指標発表後は、追撃を早期開始します。
    反応性分析の結果、直後1分足と直後11分足の方向一致率が高く、跳幅・終値ともに一方向への反応を伸ばしがちです。21:00頃からのトレンド方向と同じなら追撃は徹底し、逆なら追撃を止めても構いません。


直後1分足は過去の陽線率が79%と、極端な偏りを示しています。がしかし、在庫不足に加え、ハリケーンの影響で工事業者が多忙で悪化しつつあり、それら影響が読めないため、指標発表時刻を跨いだ取引は諦めます。

以上の詳細ないしは論拠は、以下の「T.調査・分析」に記しています。


U.過去調査詳細

公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。利確・損切の目安は、過去平均値を最近の反応の大小と見比べて感覚的に微修正しています。

【1. 指標概要】

本指標は全米不動産業者協会(NAR)が翌月25日頃に発表します。
数値は季節調整済・年率換算されています。
発表結果に対する初期反応は小さいものの、素直に反応する傾向があり、反応の持続時間も長め、という傾向があります。

米国では新築住宅よりも中古住宅の流通量が大きく、そのため住宅関連指標では本指標が注目されます。また、住宅販売件数は消費やリフォームなどの関連需要にも繋がるため波及効果も大きい上、消費者個人の収入・金利の見通しが反映されています。

注意すべき点は、新築住宅販売件数が契約書署名ベースであるのに対して、中古住宅販売件数は所有権移転完了ベースで集計されています。従って、本指標は新築住宅販売件数に対し1〜2か月遅行する、と言われています。
がしかし、直近の傾向を見る限り、よく指標解説に見かける1〜2か月の遅行など起きていません。この件は後記詳述します。

ーーー$€¥ーーー

本指標に関する調査期間と、過去の反応程度・分布を下表に纏めておきます。

1708米国中古住宅120.png

最も指標結果に素直に反応する直後1分足跳幅は、過去平均でたった6pipsです。反応が小さいため、大きなトレンドが発生しているときには、指標発表結果の影響はすぐにトレンドに呑まれてしまいます。こうした反応が小さい指標で取引するときは、例えば、

  • まず、本指標にはトレンド方向を転換するほどの影響力がないことを頭に入れておく
  • 事前に15分足チャートでトレンド方向と上下のサポート・レジスンタンスの位置を確認しておく
  • トレンドに逆らわない方向に期待的中率が高ければ取引し、そうでなければ取引しない
  • 指標発表後の追撃も同様
  • トレンドに反する方向に反応を伸ばしても、サポートやレジスタンスを抜けることは滅多にないことを覚えておく

というやり方が良いでしょう。
個々の取引で大けがさえしなければ、これらを守れば年間を通してプラスにしやすくなるでしょう。


【2. 既出情報
(2-1. 過去情報)

過去の発表結果と市場予想を下図に一覧します。
下図は発表結果と市場予想をプロットしています。市場予想は発表直前の値をプロットし、発表結果は後に修正値が発表されても定時発表値のままをプロットしています。

1708米国中古住宅210.png

1708米国中古住宅220.png

ふたつのグラフを見比べればわかるように、年換算販売件数と前月比とはグラフの様子がまるで異なります。これら項目毎に反応方向にどの程度影響しているのかを下表に纏めておきました。

1708米国中古住宅250.png

上表の上2行は、販売件数と前月比の各項目を、ひとつずつ反応方向との一致率を求めています。これは予備計算のようなもので、この予備計算は最も反応方向との一致率が高い項目に注目しています。

上から3行目は、事前差異(市場予想ー前回結果)と直前10-1分足の方向一致率が高くなるように、各項目の係数を求めています。
上から4行目は、事後差異(発表結果ー市場予想)と直後1分足の方向一致率が高くなるように、各項目の係数を求めています。
最下段5行目は、実体差異(前回結果ー市場予想)と直後11分足の方向一致率が高くなるように、各項目の係数を求めています。

事前差異判別式は、2✕販売件数の差異+1✕前月比の差異、としておけば、この判別式符号(プラスが陽線、マイナスが陰線)と直前10-1分足の方向一致率が64%となります。
事後差異判別式は、1✕販売件数の差異+2✕前月比の差異、としておけば、この判別式符号と直後1分足との方向一致率が72%となります。
実態差異判別式は、直後1分足・直後11分足のいずれとも方向一致率が事後差異判別式のそれより低くなっているので、使う必要がないでしょう。

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年換算販売件数は、前月と翌月とで発表結果と市場予想の大小関係が入れ替わったことが12回(40%)あります。前月比は、それが18回(60%)あります。
いずれも、中立的な50%から大きく外れておらず、本指標は市場予想後追い型ではありません。

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本指標は所有権移転完了ベースで集計されています。そして、関連指標である新築住宅販売件数は、契約書署名ベースで集計されています。そのため、本指標は新築住宅販売件数に対し1〜2か月遅行する、という解説を多く見かけます。
これは、事実に照らして正しくありません。

事務手続き上の順序と所用時間については、その通りなのでしょう。けれども、新築住宅を購入する人と中古住宅を購入する人は、両方同時に購入する人を除けば一致しません。だから、実際に販売件数が前月より増えたか減ったかを調べると、事務手続き上の所要時間1〜2か月の新築住宅販売件数の先行性はありません。

事実が「ありそうな話」と異なる原因はわかりません。ただ、新築住宅購入者と中古住宅購入者は、同じように住宅購入をするにせよ、所得階層か年齢層が異なるのではないでしょうか。所得階層や年齢層が異なれば、「えい」と住宅購入を決めることに時間差が生じることだって「ありそうな話」です。

実際に確認しておきましょう。

両指標間に先行・遅行の関係があるなら、実態差異(発表結果ー前回結果)に現れるはずです。下図は、中古住宅販売件数と新築住宅販売件数の実態差異を、前後3か月ずらして一致率を調べた結果です。調査期間は2015年1月分から2017年7月分までの31回分です。一方の指標を1か月ずらすと、両指標を対比できるデータ数は30に減り、2か月ずらすと29に減ります。

1708米国中古住宅270.png

図から、ある集計月の中古住宅販売件数と最も一致率が高くなるのは、翌月集計された新築住宅販売件数です。中古住宅販売件数の方が1か月遅行しており、事務手続き上の順序や期間とは関係ありません。そして、両指標の実態差異は、最も一致率が高いズレでも60%しか一致していません。両指標に関係がない、とまでは言いませんが、60%しか増減方向すら一致しないなら、他の予兆を探した方がマシです。


(2-2. 過去反応)

過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示します。

まず、直前10-1分足は、過去平均跳幅が6pipsです。その跳幅が10pips以上だったことは過去5回(頻度16%)あります。この5回の直後1分足跳幅は5pipsで、これは直後1分足跳幅の過去全平均6pipsとほぼ同じです。そして、この5回の直前10-1分足と直後1分足の方向は3回(60%)一致しています。
つまり、直前10-1分足が大きく跳ねても、指標発表後の反応方向や反応程度には関係ありません。

1708米国中古住宅310.png

次に、直前1分足の過去平均跳幅は4pipsです。その跳幅が10pips以上だったことは過去にありません。逆に言えば、もし直前1分足跳幅が10pips以上動いた場合、何か過去にない異常なことが起きている可能性があります。

1708米国中古住宅320.png

そして、直後1分足の過去平均跳幅と値幅の差は2pips(1ー値幅/跳幅=戻り比率33%)です。直後11分足のそれは5pips(戻り比率45%)です。反応が小さい指標は戻り率が高くなりがちで、そのことが余計に取引を難しくします。
これらのローソク足の方向分析は、ローソク足観察よりも他の分析を参照する方が良いでしょう。
1708米国中古住宅330.png

1708米国中古住宅340.png



【3. 定型分析】

指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)と、発表結果と前回結果の差(実態差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は「指標一致性分析」をご参照願います。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は「反応一致性分析」をご参照願います。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は「反応性分析」をご参照願います。

まず、指標一致性分析の結果を下表に示します。

1708米国中古住宅430.png

事後差異と直後1分足・直後11分足の方向一致率はそれぞれ72%・73%となっています。市場予想に対する発表結果の良し悪しに、素直に反応しがちな指標です。

次に、反応一致性分析の結果を下表に示します。

1708米国中古住宅420.png

直前1分足は陰線率が85%、直後1分足は陽線率が79%と、偏りが目立ちます。直前1分足と直後1分足との方向一致率は26%(不一致率が74%)なので、矛盾はありません。

あとは、直後1分足と直後11分足の方向一致率が81%と高いことを除けば、先に形成されたローソク足が後で形成されるローソク足の方向を示唆している兆しはありません。

最後に、反応性分析の結果を下表に示します。

1708米国中古住宅410.png

まず、直後1分足と直後11分足との方向一致率は81%です。そして、その81%の方向一致時に、直後1分足跳幅を直後11分足跳幅が超えて反応を伸ばしたことは90%に達しています。
つまり、指標発表後は反応方向を確認したら追撃を早期開始すればいいのです。

そして、指標発表から1分を経過すると、直後1分足終値を超えて直後11分足終値が伸びていたことが58%となっています。追撃徹底するには、せめて60%の確率が欲しいところです。発表から1分を過ぎたら、利確のタイミングを窺う方が良いでしょう。

【4. シナリオ作成】

以下のシナリオで取引に臨みます。

  • 直前1分足は陰線と見込みます。
    過去の陰線率が85%と、極端な偏りを示しています。但し、過去平均跳幅が4pipsしかありません。1・2pipsで利確(損切)するぐらいのつもりでいなければならないので、気が向かなければ取引は取りやめます。

  • 指標発表後は、追撃を早期開始します。
    反応性分析の結果、直後1分足と直後11分足の方向一致率が高く、跳幅・終値ともに一方向への反応を伸ばしがちです。21:00頃からのトレンド方向と同じなら追撃は徹底し、逆なら追撃を止めても構いません。

以上



2017年9月20日23:00発表

以下は2017年9月22日に追記しています。
V.発表結果検証

【5. 発表結果】
(5-1. 指標結果)

本指標発表結果及び反応は次の通りでした。

1708米国中古住宅511.png

結果は前回・予想を下回ったものの、反応は陽線でした。但し、陰線側に逆ヒゲを生じています。見ていなかったのですが、おそらくこれが発表直後の跳ねだったのでしょう。

グラフ推移は、年率換算件数の方が3か月連続で前月を下回りました。直近ボトムだった2017年2月分を、前回7月分で下抜けており、今回の結果は2016年8月分(533万件)にほぼ並びました。

今回の低下原因は、8月下旬のハリケーン襲来でテキサス州ヒューストンでの販売が前年比25%も低下したとの報道解説がありました。一方、住宅供給量は前年比△6.5%、在庫前年比は27か月連続減少となったそうです。
在庫が減っているのに供給量が減るのは何かおかしいですね。利上げによって、先々の需要が減ると業者が見込んでいるのでしょうか。

(5-2. 取引結果)

夜中のFOMCに備えて寝ていました。がしかし、そのFOMCも寝過ごしたのですが。

【6. 分析検証】
(6-1. 分析検証)

事前調査分析内容を以下に検証します。

  • 事前分析では、反応こそ小さいものの、指標発表前に発表直後の反応方向を示唆する偏りがあることを挙げていました。また、指標発表後は一方向に反応を伸ばしやすいという傾向を挙げていました。
    今回の反応は驚くほど小さく(跳幅2pips)、直前1分足が陰線(期待的中率85%)や直後1分足が陽線(同79%)と過去の傾向通りとなりました。

  • また、事前分析では、本指標の反応がかなり小さいため、強いトレンドを生じているときに指標結果なんて関係ないことを注意喚起していました。
    結果は、この夜のFOMCを控えて、指標結果なんか関係ないような反応でした。


(6-2. シナリオ検証)

事前準備していたシナリオには問題ありません。但し、勝ててもせいぜい2・3pipsだったと思います。
以上



ーーー注記ーーー

本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。

ーーー注記ーーー

本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上

英国実態指標「小売売上高指数」発表前後のGBPJPY反応分析(2017年9月20日17:30発表結果検証済)

以下、「T.指標予想要点」「U.過去調査詳細」を事前投稿し、「V.発表結果検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「V.発表結果検証」のタイトル行付近に記載しています。

T.指標予想要点

2017年9月20日17:30に英国実態指標「小売売上高指数」が発表されます。今回発表は2017年8月分の集計結果です。

同時に、四半期毎のMPC議事録が公表されます。この議事録公表がどう影響するかについてはわかりません。先週MPCの内容をも含むのなら大きく反応する可能性もあるので、今回は慎重に取引に臨みます。

今回の市場予想と前回結果は次の通りです。市場予想は本記事作成時点の値です。

1708英国小売110.png

※ 本稿は9月18日に作成しています。市場予想は発表直前に確認しておきましょう。
※ 黄色欄は、後述する事前差異判別式の変数と解です。

本指標の特徴は以下の通りです。

  • まず、指標発表前だからと言って、決して安易にポジションを取るべきではありません。
    直前10-1分足が20pips以上のヒゲを形成したことは過去45%もあります。加えて、この45%のヒゲの伸びた方向は、指標発表直後1分足の反応方向と関係ありません(関係が見出せません)。
    ヒゲだから戻る、と安易に放置すべきでもありません。そもそも本指標の直前10-1分足は、跳幅平均21pips・値幅13pipsと、平均的な指標の発表直後よりも大きく動くのです。

  • 指標発表後の反応はかなり大きくなりがちです。その方向は、発表結果の市場予想に対する良し悪しに素直に反応します。そして、発表から1分を過ぎてから、指標結果への反応の高値や安値を形成しがちです。がしかし、直後11分足終値は直後1分足終値よりも反応を伸ばしていることより、直後1分足の値幅を削ったり反転していたことの方が多くなっています。発表から1分を過ぎてからの追撃には向いていません。

  • 事前差異判別式は、1✕前月比事前差異+1✕前年比事前差異+1✕コア前月比事前差異+1✕コア前年比事前差異、です。この判別式の解の符号(プラスが陽線、マイナスが陰線)と、直前10-1分足の方向一致率は過去77%です。
    事後差異判別式は、3✕前月比事後差異+1✕前年比事後差異+4✕コア前月比事後差異+2✕コア前年比事後差異、です。この判別式符号と直後1分足は方向一致率が過去79%です。

以下のシナリオで取引に臨みます。

  • 直前10-1分足は陰線と見込みます。
    過去、事前差異判別式の解の符号との方向一致率が74%となっています。
  • 直前1分足は陰線と見込みます。
    過去の陰線率が75%です。
  • 追撃は早期開始して短期利確します。
    複数回の追撃を行うにせよ、発表から1分を過ぎたら利確です。

以上の詳細ないしは論拠は、以下の「T.調査・分析」に記しています。


U.過去調査詳細

公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。利確・損切の目安は、過去平均値を最近の反応の大小と見比べて感覚的に微修正しています。

【1. 指標概要】

本指標の調査対象は、自動車販売店を除いた小売業・飲食店など5000社です。小売売上高は英国に限らず天候・季節が影響します。特に1月発表(前年12月分)はクリスマス商戦の影響で毎月の結果よりも大きく変動することが知られています。
英国の個人消費はGDPの約40%を占めるため、GDPの先行指標として本指標には意義があります。

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本指標に関する調査期間と、過去の反応程度・分布を下表に纏めておきます。

1708英国小売120.png

最も指標結果に素直に反応する直後1分足跳幅は、過去平均で30pipsです。16-30pips跳ねたことが42%、31-44pips跳ねたことが29%で、この範囲に分布の71%が属します。
反応が大きいため、指標発表時刻を跨いでポジションを持つことは慎重でなければいけません。


【2. 既出情報
(2-1. 過去情報)

過去の発表結果と市場予想を下図に一覧します。
下図は発表結果と市場予想をプロットしています。市場予想は発表直前の値をプロットし、発表結果は後に修正値が発表されても定時発表値のままをプロットしています。

1708英国小売210.png

1708英国小売220.png

項目が多いため、個別項目毎に細かくグラフを眺める前に、見るべきポイントを絞り込みましょう。各項目毎に反応方向にどの程度影響しているのかを下表に纏めておきました。

1708英国小売250.png

上表の上4行は、各項目をひとつずつ反応方向との一致率を求めたものです。これは予備計算のようなもので、この予備計算は最も反応方向との一致率が高い項目に注目しています。

上から5行目は、事前差異(市場予想ー前回結果)と直前10-1分足の方向一致率が高くなるように、各項目の係数を求めています。
この事前差異判別式は、全項目の差異を単純に全て加えたものになります。直前10-1分足は、この判別式差異符号(プラスが陽線、マイナスが陰線)と、方向一致率が77%になります。

上から6行目は、事後差異(発表結果ー市場予想)と直後1分足の方向一致率が高くなるように、各項目の係数を求めています。
この判別式は、3✕前月比の事後差異+1✕前年比の事後差異+4✕コア前月比の事後差異+2✕コア前年比の事後差異、となります。事後差異判別式符号と直後1分足は、方向一致率が79%になります。

上から7行目は、実態差異(発表結果ー前回結果)と直後11分足の方向一致率が高くなるように、各項目の係数を求めています。がしかし、この係数での判別式は、直後11分足との方向一致率が57%と、高くありません。


(2-2. 過去反応)

過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示します。

まず、直前10-1分足は、過去平均跳幅が21pipsです。跳幅が20pips以上だったことは過去14回(頻度45%)あります。この14回の直後1分足跳幅は29pipsで、これは直後1分足跳幅の過去全平均30pipsとほぼ同じです。そして、この14回の直前10-1分足と直後1分足の方向は8回(57%)一致しています。
つまり、直前10-1分足の反応が大きく動いたからと言って、それが直後1分足の反応程度や方向を示唆しているとは言えません。

1708英国小売310.png

次に、直前1分足の過去平均跳幅は9pipsです。跳幅が10pips以上だったことは過去9回(頻度29%)あります。この9回の直後1分足跳幅の平均は26pipsで、これは過去全平均30pipsよりやや小さいものの、ほぼ同じです。そして、このとき直前1分足と直後1分足の方向は4回(44%)一致しています。
つまり、直前1分足の反応が平均より少し大きく動いたからと言って、それが直後1分足の反応方向程度や方向を示唆しているとは言えません。

1708英国小売320.png

そして、直後1分足の過去平均跳幅と値幅の差は12pips(1ー値幅/跳幅=戻り比率40%)です。直後11分足のそれは14pips(戻り比率34%)です。戻り比率が30%以上のときは、長ヒゲが多く発生して取引が難しい指標だと言えます。
これらの詳細分析は、ローソク足観察よりも他の分析を参照する方が良いでしょう。

1708英国小売330.png

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【3. 定型分析】

指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)と、発表結果と前回結果の差(実態差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は「指標一致性分析」をご参照願います。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は「反応一致性分析」をご参照願います。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は「反応性分析」をご参照願います。

まず、指標一致性分析の結果を下表に示します。

1708英国小売430.png

直前10-1分足は、事前差異・事後差異・実態差異との方向一致率がそれぞれ74%・74%・71%となっています。今回の事前差異はマイナスなので、直前10-1分足は陰線ということになります。そして、もし直前10-1分足が陰線/陽線ならば、発表結果は市場予想・前回結果を下回る/上回る、ということです。

また、事後差異と直後1分足・直後11分足の方向一致率がそれぞれ80%・83%となっています。市場予想に対する発表結果の良し悪しには、素直に反応する指標です。

さて、直後1分足は直前10-1分足と同じ方向になる確率を求めておきます。
まず、指標一致性分析の結果、直前10-1分足は事後差異との方向一致率が74%となっています。そして、事後差異と直後1分足の方向一致率は80%となっています。よって、直前10-1分足が直後1分足の方向一致率は0.74✕0.80=59%です。
次に、直前10-1分足は事後差異と方向不一致だったことは1ー0.74=26%となります。そして、事後差異と直後1分足の方向不一致だったことは1ー0.80=20%となっています。よって、この分析を外していたのに結果的に直前10-1分足が直後1分足と方向一致する確率は0.26✕0.2=5%です。
従って、分析が当たっているにせよ外しているにせよ、直後1分足は直前10-1分足と同じ方向になる期待的中率は0.59+0.05=64%です。
64%では、発表時刻を跨いでポジションを取れません。

次に、反応一致性分析の結果を下表に示します。

1708英国小売420.png

直前1分足は陰線率が75%と、偏りが目立ちます。
また、直後10-1分足と直後11分足の方向一致率が70%、直後1分足と直後11分足の方向一致率が70%と、高くなっています。

最後に、反応性分析の結果を下表に示します。

1708英国小売410.png

直後1分足と直後11分足との方向一致率は70%です。そして、その70%の方向一致時だけに着目したとき、直後1分足跳幅を直後11分足跳幅が超えて反応を伸ばしたことが95%です。
指標発表時点から見たその後の方向一致率が高く、且つ、反応を伸ばしているのだから、指標発表後に反応方向を確認したら早期追撃です。

がしかし、指標発表から1分を経過すると、直後1分足終値を超えて直後11分足終値が伸びていたことは47%と、50%を切ってしまっています。
早期追撃で得たポジションは、発表から1分を過ぎたら早期利確すべきです。

【4. シナリオ作成】

以下のシナリオで取引に臨みます。

  • 直前10-1分足は陰線と見込みます。
    過去、事前差異判別式の解の符号との方向一致率が74%となっています。
  • 直前1分足は陰線と見込みます。
    過去の陰線率が75%です。
  • 追撃は早期開始して短期利確します。
    複数回の追撃を行うにせよ、発表から1分を過ぎたら利確です。

以上



2017年9月20日17:30発表

以下は2017年9月21日に追記しています。
V.発表結果検証

【5. 発表結果】
(5-1. 指標結果)

本指標発表結果及び反応は次の通りでした。

1708英国小売510.png

結果は全項目に亘って前回・予想を大きく上回り、反応も直後1分足は2015年以降で最大、直後11分足も2016年6月以来の大きさとなりました。

前月比は総合・コアともに3か月連続プラス、ただ前年比は2016年12月をピークとする下降基調の上昇転換を示唆するほどではありません。
上記4本足チャートの範囲外ですが、結局、当夜のFOMCを控えて1時間後には指標発表前の水準を一時下回る大きな下降を生じました。

(5-2. 取引結果)

取引結果は次の通りでした。

1708英国小売520.png

最下部表に記載の通り、シナリオでの取引は△5.11pips(取引時間5分46秒)でした。指標発表後の追撃シナリオは見送り、シナリオ外の逆張りで反転を待つ方針に切り替えました。FOMCを控えて、単なる一指標で大きく値を動かすことはない(大きく戻す)、と見込んだためです。

結果、17:34頃にピークを付けて、その後は少しずつ値を戻し始めたものの、最初は上下動を伴っていたため、シナリオ外追撃で損切も発生しました。最終的には半値戻しと読んでいたので、最後のシナリオ外追撃は利確しましたが、あと20分ぐらい待てば全戻しとなっていました。これは取りこぼしても仕方ありません。

なお、直前1分足の決済時刻をご覧ください。粘り過ぎて、18時直前(17:59:58ぐらいだったと記憶)に決済したのに、18:00決済となってしまいました。
大失敗です。出先喫茶店のWiFiが遅いせいだったのでしょうか。

【6. 分析検証】
(6-1. 分析検証)

事前調査・分析内容には問題ありません。

  • 今回の直前10-1分足の跳幅は13pipsでした。上ヒゲと下ヒゲの先端の全幅は25pipsでした。事前分析に挙げた20pipsのヒゲではありませんが、大きく動いたことに違いありません。
    指標発表前だからと言って、決して安易にポジションを取るべきではない、という点は来月もそのままでいいでしょう。

  • 発表から4-5分後にピークを付け、このときの跳幅がちょうど100pipsでした。
    指標発表後の反応はかなり大きくなりがちで、その方向は発表結果の市場予想に対する良し悪しに素直に反応したことは、事前分析通りでした。発表から1分を過ぎてからピークを付けた点も、過去の傾向通りでした。

    ただ、直後11分足終値が直後1分足終値よりも反応を伸ばしていることより、直後1分足の値幅を削ったり反転していたことの方が多くなっている、という過去傾向は当たりませんでした。
    尤も、これほど指標結果が良ければ反転するということもないでしょうけど。

  • 事前差異判別式は、1✕前月比事前差異+1✕前年比事前差異+1✕コア前月比事前差異+1✕コア前年比事前差異、です。この判別式の解の符号(プラスが陽線、マイナスが陰線)と、直前10-1分足の方向一致率は過去77%です。
    この式に前回結果と市場予想を代入すると、解は△2.5です。そして、今回の直前10-1分足は陰線でした。
    判別式は有効でした。

    事後差異判別式は、3✕前月比事後差異+1✕前年比事後差異+4✕コア前月比事後差異+2✕コア前年比事後差異、です。この判別式符号と直後1分足は方向一致率が過去79%です。
    この式に今回結果と市場予想を代入すると、解は+10.3です。そして、今回の直後1分足は陽線でした。
    判別式は有効でした。


(6-2. シナリオ検証)

事前準備していたシナリオは問題ありません。
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。

1708英国小売530.png

以上



ーーー注記ーーー

本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。

ーーー注記ーーー

本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上

2017年09月18日

独国景気指標「ZEW景況感調査」発表前後のEURJPY反応分析(2017年9月19日18:00発表結果検証済)

以下、「T.指標予想要点」「U.過去調査詳細」を事前投稿し、「V.発表結果検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「V.発表結果検証」のタイトル行付近に記載しています。

T.指標予想要点

2017年9月19日18:00に独国景気指標「ZEW景況感調査」が発表されます。今回発表は2017年9月分の集計結果です。

今回の市場予想と前回結果は次の通りです。市場予想は本記事作成時点の値です。

1709独国ZEW110.png

※ 市場予想は発表直前に確認しておきましょう。
※ 黄色欄は、後述する事前差異判別式の変数と解です。

本指標の特徴は以下の通りです。

  • 多くの指標解説で期待指数に注目が集まりがちですが、指標発表直後の反応方向との一致率が高いのは現況指数の方です。現況指数の事後差異(発表結果ー市場予想)と直後1分足の方向一致率は75%です。期待指数のそれは46%しかありません。

  • 直前10-1分足・直前1分足と直後1分足との方向一致率はそれぞれ69%・14%です。この数字から、本指標の取引参加者は、指標発表後の反応方向がほぼ掴めている可能性があります(自分だけがそのことを知らない、というのは癪ですよね)。

  • 指標発表から1分を過ぎてからの追撃は避けた方が良さそうです。直後1分足終値を超えて直後11分足終値が反応を伸ばしたことは43%です。直後1分足や直後11分足の戻り率(1−跳幅/値幅)も40%弱と大きく、追撃で利幅を伸ばすことは難しい指標だと言えるでしょう。

以下のシナリオで取引に臨みます。

  • 直前10-1分足は陰線と見込みます。
    9月月足は現時点において陽線なので、過去の傾向に基づき、その逆方向に反応する可能性が高い、と見込みます。

  • 直前1分足は陰線と見込みます。
    但し、過去平均跳幅が5pipsしかありません。1・2pipsで利確しなければいけない場合が多いので、スプレッドが大きいFX会社で取引しているなら、取引は止めておいた方が良いでしょう。

  • 直後1分足は、指標発表直前に直前1分足と逆方向にポジションを取得します(期待的中率86%)。
    但し、直前10-1分足「跳幅」が10pips以上となったときは、直後1分足は同方向に反応すると見なし、その跳ねた方向に指標発表直前にポジション取得を優先します。
    いずれにせよ、利確/損切は指標発表直後の跳ねで行います。

  • 追撃するなら、指標発表から1分以内にポジションを取り、1分を過ぎたら早めに利確・損切します。

以上の詳細ないしは論拠は、以下の「T.調査・分析」に記しています。

U.過去調査詳細

公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。利確・損切の目安は、過去平均値を最近の反応の大小と見比べて感覚的に微修正しています。

【1. 指標概要】

独国ZEW景況感指数(期待指数)は、独国の今後6カ月の景気見通し(「良い」「同じ」「悪い」)について、アナリスト・機関投資家・市場関係者など約350人を対象に行ったアンケート調査に基づく指標です。指数は、「良い」から「悪い」を引いた数で0が基準になっています。

一般に景況感調査は、プロが調査対象のときと無作為抽出した消費者かによって、事前参考すべき対象が異なります。プロが対象のときは直近の関連指標(含金利・株価)を参考にすべきだし、一般消費者が対象のときは調査月前半のマスコミ報道内容も参考にすると良いでしょう。
ZEWはプロが調査対象ゆえ、マスコミ報道内容よりも直近の指標結果を参考にした方が良いようです。

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さて、本指標に絡む話にはオカルトが多いのです。

以下、そのオカルトの代表例を3つ挙げて、事実を述べておきます。他人の話を単なるオカルトと断じる都合上、出典は示せません。他人を非難したり論争をするつもりではなく、読者に事実さえ伝えられれば十分です。

まず、ZEW景況感調査の結果はECBの金融政策に影響を与えている、という解説記事を目にしたことがあります。
けれども、もしそうだとしても、景況感よりも物価指標や実態指標を中銀は重視するはずです。だから、この話が本当だとしても(ECBがZEWを参考にしていたとしても)、ECBの政策を予想する材料とはなりません。
これは「はず」の話ですが、大きな組織が大きな政策決定を事実の裏付けなく決定できる「はず」ないのです。

次に、ZEW景況感調査はIfo景況感指数よりも先に発表され、Ifo指数よりも1か月の先行性がある、という解説を見たこともあります。だから、ZEW指標が注目に値する、という話です。
こういう話は確かめずにはいられません。
詳細はIfo指数の記事で説明しますが、少なくとも2015年1月から2017年7月発表までの31回の結果を見比べる限り、そんな傾向はありません。
確かに、過去から現在に亘る指標結果の上昇基調や下降基調といった情報は、今回の取引でも参考にできます。がしかし、単月毎の指標結果の良し悪しを比べても、そんなものはアテになりません。上記期間におけるZEW指標とIfo指標とは、前月より翌月が良くなったか悪くなったかすら、一致しないことの方が多いのです。

そして最後に、独国ZEWは期待指数と現況指数とが発表されます。多くの資料では期待指数の方が現況指数より重要だという解説が見受けられます。既に終わった現状よりも、将来の景気動向の方が重要だという話は、何となく納得しやすい話です。
がしかし、2015年1月から2017年7月発表までの31回の実績を調べたところ、事後差異(市場予想と発表結果の大小関係)は、期待指数よりも現況指数との方が直後1分足の反応方向との一致率が高くなっています。
きちんと調べないと、事実はわかりません。
尤も、多くの解説では「期待指数の方が重要」と記載され、「何に対して」重要かが記されていません。だから、きっとそれら解説は間違っていないのでしょう。でも、その記事の読者が誰かを考えると、「何に対して」は「指標発表直後の反応に対して」であるべきです。

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本指標に関する調査期間と、過去の反応程度・分布を下表に纏めておきます。

1709独国ZEW120.png

最も指標結果に素直に反応する直後1分足跳幅は、過去平均で8pipsしかありません。反応が小さいため、大きなトレンドが発生しているときには、指標発表結果の影響はすぐにトレンドに呑まれてしまいます。だから、こうした反応が小さい指標で取引するときは、例えば、

  • まず、本指標にはトレンド方向を転換するほどの影響力がないことを頭に入れておく
  • 事前に15分足チャートでトレンド方向と上下のサポート・レジスンタンスの位置を確認しておく
  • トレンドに逆らわない方向に期待的中率が高ければ取引し、そうでなければ取引しない
  • 指標発表後の追撃も同様
  • トレンドに反する方向に反応を伸ばしても、サポートやレジスタンスを抜けることは滅多にないことを覚えておく

というやり方が良いでしょう。
個々の取引で大けがさえしなければ、これらを守れば年間を通してプラスにしやすくなるでしょう。

【2. 既出情報
(2-1. 過去情報)

過去の発表結果と市場予想を下図に一覧します。
下図は発表結果と市場予想をプロットしています。市場予想は発表直前の値をプロットし、発表結果は後に修正値が発表されても定時発表値のままをプロットしています。

1709独国ZEW210.png

1709独国ZEW220.png

1709独国ZEW230.png

項目が多いため、個別項目毎に細かくグラフを眺める前に、見るべきポイントを絞り込みましょう。各項目毎に反応方向にどの程度影響しているのかを下表に纏めておきました。

1709独国ZEW250.png

上表の上3行は、独国期待指数と独国現況指数と欧州指数の各項目を、ひとつずつ反応方向との一致率を求めています。これは予備計算のようなもので、この予備計算は最も反応方向との一致率が高い項目に注目しています。

上から4行目は、事前差異(市場予想ー前回結果)と直前10-1分足の方向一致率が高くなるように、各項目の係数を求めています。
上から5行目は、事後差異(発表結果ー市場予想)と直後1分足の方向一致率が高くなるように、各項目の係数を求めています。
最下段6行目は、実体差異(前回改定値結果ー市場予想)と直後11分足の方向一致率が高くなるように、各項目の係数を求めています。
結果、それぞれの式の方向一致率は60%・76%・64%となりました。事後差異と直後1分足の方向一致率が高いので、素直に反応する指標だと言えるでしょう。

ともあれ、1✕独国期待指数の事後差異+2✕独国現況指数の事後差異、を判別式として採用すると、その解の符号(プラスが陽線、マイナスが陰線)と直後1分足の方向一致率が76%となります。

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事後判別式係数から、直後1分足方向は独国現況指数の市場予想との差異が大きく影響することがわかりました。

独国現況指数は、2015年2月以降前回までの31回において、前月と当月とを比べて発表結果と市場予想の大小関係が入れ替わったことが13回あります(入れ替わり率42%)。入れ替わり頻度が高く、市場予想後追い型とは言えません。

(2-2. 過去反応)

過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示します。

まず、直前10-1分足は、2016年7月以前を陽線率が高い時期、それ以降を陰線率が高い時期、と区別することができます。お手元のツールを使って月足チャートをご覧ください。2016年7月頃を境に月足は下降トレンドから上昇トレンドに転換しています。
よって、直前10-1分足の反応方向は、月足チャートのトレンド方向との不一致率がかなり高いように見受けられます。

そして、直前10-1分足は、過去平均跳幅が8pipsです。跳幅が10pips以上だったことは過去9回(頻度28%)あります。この9回の直後1分足跳幅は14pipsで、これは直後1分足跳幅の過去全平均8pipsより大きい、と言えます。そして、この9回の直前10-1分足と直後1分足の方向は7回(78%)一致しています。
つまり、直前10-1分足の反応が平均より少し大きく動いたときには、それが直後1分足の反応方向を示唆しており、反応程度も大きくなりがちです。

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次に、直前1分足は陰線側への異常な偏りが見受けられます。
そして、直前1分足の過去平均跳幅は5pipsです。その跳幅が10pips以上だったことは過去5回(頻度16%)あります。この5回の直後1分足跳幅の平均は9pipsで、これは過去全平均8pipsとほぼ同じです。そして、このとき直前1分足と直後1分足の方向は1回も一致していません。この5回の直前1分足は全て陰線で、そのときの直後1分足は全て陽線です。

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そして、直後1分足の過去平均跳幅と値幅の差は3pips(1ー値幅/跳幅=戻り比率37%)です。直後11分足のそれは5pips(戻り比率38%)です。反応が小さい指標では、これら戻り率が大きくなる傾向があります。戻り率が大きいことで、余計に勝ちにくい指標となるのです。
これら直後1分足や直後11分足の方向に関する詳細分析は、ローソク足観察よりも他の分析を参照する方が良いでしょう。

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【3. 定型分析】

指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)と、発表結果と前回結果の差(実態差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は「指標一致性分析」をご参照願います。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は「反応一致性分析」をご参照願います。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は「反応性分析」をご参照願います。

まず、指標一致性分析の結果を下表に示します。

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事後差異は直後1分足との方向一致率が76%となっています。市場予想に対する発表結果の良し悪しには、素直に反応する傾向があります。

次に、反応一致性分析の結果を下表に示します。

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直前1分足は陰線率が90%、直後1分足は陽線率が72%と、偏りが目立ちます。直前1分足と直後1分足の方向一致率は14%(不一致率86%)で、矛盾ありません。
ここで、もし直前1分足が陽線だった場合、直後1分足の陽線率をアテにすべきでしょうか。それとも、不一致率の高さをアテにして、直後1分足は陰線と見なすべきでしょうか。
わかりません。
このブログでは、単純な頻度確率よりも因果関係を含む確率をアテにしています。よって、直前1分足がもし陽線なら、直後1分足の方向は逆に陰線と見込みます。

また、直前10-1分足と直後1分足の方向一致率は69%、直後1分足と直後11分足の方向一致率は71%となっています。

最後に、反応性分析の結果を下表に示します。

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直後1分足と直後11分足との方向一致率は71%です。そして、その71%の方向一致時だけに注目すると、直後1分足跳幅を直後11分足跳幅が超えて反応を伸ばしたことが85%です。
指標発表時点から見たその後の方向一致率が高く、且つ、反応を伸ばしているのだから、指標発表後に反応方向を確認したら早期追撃です。

がしかし、指標発表から1分を経過すると、直後1分足終値を超えて直後11分足終値が伸びていたことは、方向一致時こそ60%ですが、全ての場合を踏まえると43%しかありません。直後1分足と直後11分足とが反転したことは29%で、直後11分足が直後1分足の値幅を削ったことも29%あります。
早期追撃で得たポジションの長持ちは避けるべきであり、発表から1分過ぎたら利確の機会を窺う方が良いでしょう。
発表から1分を過ぎたら、追撃には向いていません(どちらに反応が進むかはわかりません)。

【4. シナリオ作成】

以下のシナリオで取引に臨みます。

  • 直前10-1分足は陰線と見込みます。
    9月月足は現時点において陽線なので、過去の傾向に基づき、その逆方向に反応する可能性が高い、と見込みます。

  • 直前1分足は陰線と見込みます。
    但し、過去平均跳幅が5pipsしかありません。1・2pipsで利確しなければいけない場合が多いので、スプレッドが大きいFX会社で取引しているなら、取引は止めておいた方が良いでしょう。

  • 直後1分足は、指標発表直前に直前1分足と逆方向にポジションを取得します(期待的中率86%)。
    但し、直前10-1分足「跳幅」が10pips以上となったときは、直後1分足は同方向に反応すると見なし、その跳ねた方向に指標発表直前にポジション取得を優先します。
    いずれにせよ、利確/損切は指標発表直後の跳ねで行います。

  • 追撃するなら、指標発表から1分以内にポジションを取り、1分を過ぎたら早めに利確・損切します。

以上

2017年9月19日18:00発表

以下は2017年9月19日20:30頃に追記しています。
V.発表結果検証

【5. 発表結果】
(5-1. 指標結果)

本指標発表結果及び反応は次の通りでした。

1709独国ZEW510.png

結果は現況指数・期待指数ともに前回・予想を上回り、反応は陽線でした。

現況指数の直近ピークは2017年6月分の88.0です。今回結果(87.9)は僅かに届きませんでした。期待指数の直近ピークは2017年5月分の20.6です。それ以降、下降が続いていたので、上昇は4か月ぶりです。
つまり、全般的には今回の結果がかなり良かった、ということになります。

この「かなり良かった」結果を受けた反応は「大きく」、直後1分足を超えて直後11分足は反応を伸ばしました。直後1分足跳幅は12pips(過去平均8pips)、直後11分足値幅は16pips(過去平均8pips)、です。

さて、今回の指標結果に関するきちんとした解説記事が出ていたので見ておきました。
ロイターは、今週末の独総選挙が影響していないことと、EUR高への懸念が指標結果に現れていないことを、引用・指摘していました。ブルームバーグは、EUR高が最近進んでいないことと、独中銀月報が7-9月期も力強く成長する見通しを示したことを、引用・指摘していました。

なるほどね。

(5-2. 取引結果)

取引結果は次の通りでした。

1709独国ZEW520.png

17:21の高値134.11から、発表直前17:57に安値133.62を付けるまで、46分間で49pips強(約△1pips/分)の下降トレンドが起きていました。
参考までに、本指標のように反応が小さな指標発表では、発表直後1分間に5pips、10分間に10pipsぐらいが普通です。
反応の小さな指標の発表後10分間と同じぐらいのスピードで、本指標発表前の46分足は動いていたことになります。

けれども、そんな波に乗ってせっかく指標発表前に利確したのに、分析を外してしまって台無しにしたのが今回の取引でした。全体収支はプラスなので、まぁ構わないですが、本ブログでの取引方法の特徴一面が良く表れた取引でした。

【6. 分析検証】
(6-1. 分析検証)

事前調査・分析内容において、次回までに再検討を要するのは次の点です。

今回の実態差異判別式結果はマイナスとなっており、これには違和感があります。過去のデータから回帰する限り、実態差異判別式は、−1✕期待指数実態差異+2✕現況指数実態差異ー3✕欧州景況指数実態差異、です。
この判別式の解の符号と過去の直後11分足は、方向一致率が62%です。

がしかし、この式では、今回のように期待指数も現況指数も欧州景況指数も前回結果を上回っても、式の係数のマイナスが大きいため、実態差異判別式の解がマイナスになってしまいます。
繰り返しになりますが、けれどもこのこの判別式の解の符号と過去の直後11分足は、方向一致率が62%です。

この62%という数字は、期待指数(37%)・現況指数(56%)・欧州景況指数(48%)のそれぞれ単独の実態差異と直後11分足の方向一致率より高くなっています。だから、判別式としては有効です。

違和感を解消するためには、式の係数のマイナスを無くすか、マイナス寄与を小さくしなければいけません。もちろん、そうした判別式は、最も直後11分足との方向一致率が高くなる式ではなくなるでしょう。

どちらが良いのか、再検討しておきます。

(6-2. シナリオ検証)

現状分析において、事前準備していたシナリオに問題はありません。
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。

1709独国ZEW530.png

以上

ーーー注記ーーー

本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。

ーーー注記ーーー

本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上

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