2014年09月25日
P.cyclommatoidesの覚書 +P.guangxii
ベトナムの超珍品! P.cyclommatoidesの実物を見ることができたので、
記憶が鮮明なうちに書き留めておきます。
ついでに書いたことがなかったようなので、
P.guangxii(Kirchnerius guangxii)についても。
P.guangxiiはかなり特殊な形状をしていますが、
近縁種も含めると Prosopocoilus属の亜属程度が妥当と考えます。
そのようなわけで、ここではProsopocoilus属に含めておきます。
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記憶が鮮明なうちに書き留めておきます。
ついでに書いたことがなかったようなので、
P.guangxii(Kirchnerius guangxii)についても。
P.guangxiiはかなり特殊な形状をしていますが、
近縁種も含めると Prosopocoilus属の亜属程度が妥当と考えます。
そのようなわけで、ここではProsopocoilus属に含めておきます。
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左:P.cyclommatoides Holotype Huang&Chen,2013より
中・右: P.cyclommatoides 中型と小型の模写
Prosopocoilus cyclommatoides (Lacroix,1978):273-276,fig.11 [Prosopocoelus cyclommatoides]
N.Vietnam [Tonkin,Tam-Dao,N.E.Hanoï].
P.guangxiiの中歯型に似るが、顎は直線的で、かなり大型。
ホロタイプでP.guangxiiのMaxサイズの57oで、60oちょっとの個体も得られているそうです。
(P.guangxiiの中歯は50o前後くらいまで。大歯は52oくらいから。)
本種の中型個体では顎中央の内歯が消失し、
小型個体では顎が幅広で付け根の内歯は発達します。
写真だけでは歯型以外はP.guangxiiと区別がつきにくいですが、
本種は前胸の厚みが薄く、前胸の幅が狭いことで区別できます。
ここが特に実物を見て確認したかった点です。
♀は未見ですが、P.guangxiiに似たような感じと想像します。
ただ、ベトナム北部の同所にやはりP.guangxiiの♀に似ているP.spenceiが分布しているのでちょっと厄介かもしれません。
当方の箱の中にP.spenceiの♀っぽいけどちょっと違うような感じもする個体があるのですが、
「これだっ!」って感じの個体が複数得られないとよくわからないです。
じゃなければ、雰囲気の違うようなP.spenceiの♀を産卵させてみて当たりを狙う とかですかね。
ちなみに、Huang&Chen,2013ではKirchnerius属を独立させて
P.spencei・P.parryiなどをKirchnerius属に含めています。
P.guangxii Huang&Chen,2011より
P.guangxii 飼育品
Prosopocoilus guangxii Schenk,2009:2-3,fig.1 [Kirchnerius guangxii]
中国(広西壮族自治区) [Süd-China, Prov. Guangxi].
=Prosopocoilus cyclommatoides (nec Lacroix) Huang et Chen,2011:39,43-46,figs.6-8,11,15,19,23,27,31,36
広西の大明山と大瑶山から得られる特異な種類です。
大型個体では独特の歯型になり、前胸はかなり厚みがあることが特徴的です。
中型個体ではP.cyclommatoidesによく似ていますが、顎は湾曲し、顎付け根の内歯は発達がやや弱いです。
本種とP.cyclommatoidesの頭部には山脈のような突起が出るのも特徴的です。
また、本種やP.simianshanusの♂の胸部には皺がある特徴もあります。
胸部の皺はP.cyclommatoidesでは未確認ですが たぶんあるのではないかとは思います。
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この記事へのコメント
今回確認した中型個体は、まさにドルクスグッズさんが入荷したものになります。
標本フェアでグッズさんから本種を購入した知人の研究者から見せていただきました。
小型個体は標本商が以前に入荷したものの写真を別の知人の研究者から見せていただいたものです。
一番大型だったのが61だか62oだかと聞いたので、グッズさんのHPの写真がその個体っぽいですね。
P.piceipennnisもベトナムに分布していることは以前から知られていましたが、本種同様に非常に得難い種類でした。
標本ラベルでは標本がおおざっぱな産地で書かれていることも多いので、局所的に分布しているのかもしれません。
グッズさんのHPを見ましたら同産地のP.spenceiも入荷しているみたいですので、本種の♀が混ざっているかもしれません。
本種の♀は未確認ですのでどのような感じかは想像で判断するしかありませんが、P.spenceiと明らかに区別できるようでしたら事前に省かれているかも。
確か浦和店の方に入荷で、まだHPに残ってるとは思いますが・・・