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Hexarthrius属 + Weinreichius属

通称フタマタクワガタと呼ばれる 6節の触角が特徴的なグループです。
いくつか入手の難しいものもありますが、比較的集めやすい種類です。


Weinreichius属はPseudorhaetus属に含める傾向もありますが、
個人的には納得しかねます。

Pseudorhaetus属に含める理由は歯型と複眼下の突起の形状が
Pseudorhaetus属の♂の特徴に当てはまる との理由からのようですが、
♀の形状も考えると Weinreichius属とYumikoi属を統合して
Hexarthrius属に近縁とする位置づけが妥当ではないかと考えます。


1.jpg
1:H.aduncus 記載文の絵 Jordan,1894より
2:H.a.igarashiae Paratype Fujita,2010より
3:H.castetsi 記載文の絵 Boileau,1897より
4:H.bowringii Type Arrow,1950より

Hexarthrius aduncus Jordan,1894:484,fig.1
[Type Locality] Assam

シッキム〜アッサム〜チンヒルに分布。
A.vitalisiに似るが、顎は太い短く、
頭楯は3つ山状で中央が突出する。
前胸縁はギザギザはかなり弱く、上縁部はえぐれる。


Hexarthrius aduncus igarashiae Fujita,2010:17,224,figs.666(4-9)
[Type Locality] Putao,N.Kachin,N.Myanmar

ミャンマー北部・アルナチャルプラディッシュ・チベットに分布。雲南からも得られるかも。
歯型がやや異なり、前胸縁中央部の突出は弱い。


Hexarthrius aduncus ssp.
[Distribution] S.Thailand

画像は問題あるので模写しました。
南タイ〜カンボジアで得られたとされる個体群です。
顎は強壮でえ先端部まで太く、端歯は大きい。
前胸のえぐれは大きく、頭楯の突出は弱い。


Hexarthrius davisoni Waterhouse,1888:260-261
[Type Locality] Animallai,Koimbatur
[sny] Hexarthrius castetsi Boileau,1897:581-584,figs. [Pulney Hills].
Hexarthrius cotesi Nonfried,1891:365-366 [die Schienen des ersten Fusspaares].

南インドに分布。
A.aduncusに似るが、顎の形状は軽く弧を描く形状。
頭楯は間隔の開いた双山状、前胸中央部は突出しない。
文献上では最大サイズは92oとあります。(H.cotesiのType)


Hexarthrius bowringii Parry,1862:108
[Type Locality] Ind. Or.

分布はシッキム・ブータン・ミャンマー北部(?)。
A.aduncusに似ますが、小型であっても歯型で簡単に区別できます。
複眼下の膨らみは弱く、前胸の幅は狭くて中央部は突出しない。


2.jpg
1:H.forsteri Fujita,2010より
2:H.f.kiyotamii Holotype Huang&Chen,2013より
3:H.f.ssp. Huang&Chen,2013より
4:H.melchioritis Fujita,2010より
5:H.mniszechii Fujita,2010より
6:H.nigritus Fujita,2010より
7:H.sanuchi Holotype Fujita,2010より

Hexarthrius forsteri (Hope,1840):77 [Lucanus forsteri]
[Type Locality] Assam

シッキム〜アッサム〜ブータンに分布。
Rhaetulus属のような歯型が特徴的。
頭楯は突出して先端は双山状。
複眼下は尖る。


Hexarthrius forsteri kiyotamii Nagai,2000:5-6,8,figs.9-10
[Type Locality] N.Putao,Kachin,N.Myanmar

ミャンマー北部に分布。原名亜種との境目が今一わかりにくいですが、カシヒルからも得られるようです。
原名亜種に比べ、顎が強く張り出し、複眼下はあまり尖らない。
前胸はやや丸みを帯び、頭楯の双山部の突出はやや弱い傾向にある。


Hexarthrius forsteri ssp.
[Distribution] Tibet

形状的には原名亜種に似た雰囲気です。
顎は直線的で付け根部は原名亜種よりも張り出さない。
頭部・前胸は細長く、前胸中央部は内側にくびれる。
頭楯の双山部は前方にやや強く突出する。


Hexarthrius melchioritis Séguy,1954:269,fig.a
[Type Locality] Birmanie:Catcin Cauri

ミャンマー北部に分布し、雲南からも得られています。
H.mniszechiiに非常によく似ていて、亜種くらいなものかもしれません。
歯型で区別もできますが、頭部はやや小さく、頭楯はやや突出します。


Hexarthrius mniszechii (Thomson,1857):396-398 [Lucanus (Hexarthrius) mniszechii]
[Type Locality] Sylhet
チンヒル〜アッサム〜シッキム〜ネパール〜西インドに分布。
大型個体の頭部は逆三角になり、頭楯は3つ山状。
H.melchioritisとの歯型の違いは、顎先端が内側に強く曲がり、端歯は大きく、大きな内歯は先端部に寄る、など。


Hexarthrius nigritus Laxroix,1990:12-13,figs,1,3-4
[Type Locality] Thaïland,Tak Mas Song

タイ中央部に分布。
名前のとおりH.parryiを黒くしたような種類。
頭楯は細くて突出は弱い。
頭部のコブの発達は弱い。


Hexarthrius sanuchi Fukinuki,2004:33,fig.11
[Type Locality] Mt.Boker,Near Kampot,Cambodia

カンボジアから得られる。
H.parryiとH.nigritusを混ぜたような種類。
頭部・前胸の形状と上翅の色はH.parryiに似、
大顎・頭楯の形状はH.nigritusに似る。
しかし、頭楯はH.nigritusより強く突出する。

3.jpg
1:H.vitalisi 記載文の絵 Didier,1925より
2:H.v.miyashitai Holotype Fujita,2010より
3:H.v.cottoni Holotype Fujita,2010より
4:H.v.tsukamotoi Holotype Nagai,1998より
5:H.v.tsukamotoi 広西・九万大山
6:H.v.ssp. 広西・大明山
7:H.v.ssp. 雲南西部
8:H.v.ssp. Bhutan
9:H.v.ssp. C.Vietnam Maeda,2011より

Hexarthrius vitalisi Didier,1925:202-205,figs.
[Type Locality] Chapa

ベトナム北部・雲南南東部に分布。
A.aduncusに似るが、顎は細長く、頭楯中央の突出は弱く、
前胸上部はえぐれず、前胸側面はギザギザになる。
産地により細かく分けることもできますが、
ほとんどが軽微と言えば軽微なものです。


Hexarthrius vitalisi cottoni Baba,1998:6-21
[Type Locality] (Doi Phu Kha, Pua District, Nan, Thailand) ←記載文を持ってないのでラベルより

タイ北部に分布。
顎はやや太く、全体的に幅広。

Hexarthrius vitalisi miyashitai Baba,1998:6-21
[Type Locality] (Xleng Klonang, N.Laos) ←記載文を持ってないのでラベルより

ラオス・カンボジア北部に分布。
黒味が強く、顎はやや直線的で内歯の突出は弱い。
頭楯は原名亜種よりやや幅広。


Hexarthrius vitalisi tsukamotoi Nagai,1998:8-9,figs.3-5
[Type Locality] China,North Guangxi Zhuang Zuzizhiqu

広西の大瑤山・九万大山・老山より得られる。
上翅に赤みがある。
広西の不明亜種とは頭楯・点刻でも区別できる。頭楯の両端の突起の突出が弱い。
九万大山産は歯型が異なるものの、それ以外の特徴はまったく同じ。
ちなみに九万大山は貴州との境目で、名前の似ている十万大山はベトナムとの境目の海側。


Hexarthrius vitalisi ssp.
[Distribution] 中国(広西壮族自治区,雲南省東部,海南島)

以前は黒いH.v.tsukamotoiとも言われたように、顎の1/3付近に内歯の出る個体が多いです。
原名亜種に比べ、顎は短く、体形はやや寸詰まり。
頭楯両端の突起が大きくて双山状に見える。


Hexarthrius vitalisi ssp.
[Distribution] 中国(雲南省,貴州省,湖北省),N.Myanmar

上記の中国南東部の個体群に似るが、複眼下の膨らみは大きい。
顎付け根の内歯はやや小さく、顎の1/3付近に内歯が出ない個体が多い。
頭楯は幅広。


Hexarthrius vitalisi ssp.
[Distribution] Bhutan

1頭だけ見たことがあります。画像は問題があるので模写のみ。
腹部は大きく、上翅・ケイ節は赤色。
顎は直線的でやや短く、顎付け根の内歯は細長い。
前胸は後方にいくほど幅広で台形状。


Hexarthrius vitalisi ssp.
[Distribution] C.Vietnam

H.v.tsukamotoiに似た雰囲気の個体群。
顎の1/2付近に小さな内歯を有する、顎付け根の内歯の先端部はやや尖り気味。
頭部はやや長くて複眼下の膨らみは弱い。
頭楯は大きい。
前ケイ節は間接部付近でやや細くなる。
上翅の色は赤い個体が多いが黒色個体も見られる。


4.jpg
1:H.parryi Hope,1845より
2:H.p.deyrollei 記載文の絵 Parry,1864より
3:H.parryi Fujita,2010より
4:H.p.deyrollei Fujita,2010より
5:H.p.paradoxus Fujita,2010より
6:H.p.elongatus Fujita,2010より

Hexarthrius parryi Hope,1842:127
[Type Locality] Silhet

アッサム・シッキム・ブータン・ミャンマー北部に分布。
顎先端が大きく二又状になる種類。
顎は太く、頭楯の中央の突起は細い。
上翅の黒色部が少ない個体が結構見られる。


Hexarthrius parryi deyrollei Parry,1864:11,fig.1 [Hexarthrius deyrollei]
[Type Locality] Siam

ミャンマー中部〜南部・タイ・雲南省・ラオス南部・カンボジア北東部に分布。
顎は細長く、頭楯の中央部の突起は太い。


Hexarthrius parryi paradoxus Möllenkamp,1897:146 [Hexarthrius deyrollei var. paradoxus]
[Type Locality] Sumatra

スマトラ・マレー半島に分布。
頭楯は幅広、頭部のコブはよく発達する。


Hexarthrius parryi elongatus Jordan,1894:484-485 [Hexarthrius elongatus]
[Type Locality] Kina Balu(Brit. N. Borneo)
[sny] Hexarthrius rollei Möllenkamp,1904:402 [Kinabalu].
Hexarthrius deyrollei var.rufipes Boileau,1904:277 [Kina-Baru].

ボルネオ島に分布。
上翅の色合いが鮮やかな亜種。
顎と体形は細く、頭楯中央の突起は幅広で付け根にいくほど広くなる。


5.jpg
1:H.rhinoceros W.Jawa Fujita,2010より
2:H.r.chaudoiri 記載文の絵 Deyrolle,1864より
3:H.r.hansi Holotype Schenk,2005より
4:H.r.sadaoi Paratype Mizunuma&Nagai,1994より
5:H.r.ssp.? E.Jawa
6:H.mandibularis 記載文の絵 Deyrolle,1881より
7:H.m.sumatranus Holotype Fujita,2010より
8:H.buquettii Hope,1845より
9:H.howdeni 記載文の絵 De Lisle,1972より
10:記載文の絵 Mizunuma&Nagai,1994より

Hexarthrius rhinoceros (Olivier,1789):21-22,fig.21 [Lucanus rhinoceros]
[Type Locality] Amérique méridionale
[sny] Lucanus vitulus Dejean1837:193 [Java].
Lucanus vitulus (Dejean) Hope,1843:95 [Javâ].

基準産地は南アメリカですが、分布はジャワです。
顎が短くて強く湾曲するのが特徴的。
それぞれの亜種とは頭楯の形状が異なる。


Hexarthrius rhinoceros chaudoiri Deyrolle,1864:312-313,fig.4 [Hexarthrius chaudoiri]
[Type Locality] Sumatra

スマトラに分布。
顎が直線的。頭部は逆三角状。


Hexarthrius rhinoceros hansi Schenk,2005:2-5,fig.
[Type Locality] Bengkulu,Ladang Kuning ←記載文紛失し、正確な記述はわからなくなりました。

ベンクール周辺で得られる。
まっすぐな顎が特徴的ですが、同産地でやや湾曲している個体も得られ、
顎以外の違いが見られないことから 型程度のものと思われます。


Hexarthrius rhinoceros sadaoi Mizunuma,1994:26,28,258,figs.78(a-b),343(8-9)
[Type Locality] Pagai I.

パガイ・シベルート・シポラから得られるが、近年ではまったく採集できていないようです。
顎は直線的で太短く、頭部は長い。


Hexarthrius rhinoceros ssp.?
[Distribution] E.Jawa,Mt.Semeru

東ジャワのシメルー山から得られた個体群。
あまり数を見れなかったのですが、
総じて小型で、その割には顎や頭楯の発達がよく、
同じ発達具合の原名亜種と比較すると頭楯に違いが見られます。
H.rhinocerosの基準だと亜種になりえるが…?
図示した個体が検品した最大個体で62o。


Hexarthrius mandibularis Deyrolle,1881:237-238,fig.1
[Type Locality] Bornéo

Hexarthrius属の最大種。ボルネオに分布。
長く伸びた大顎が特徴的で、頭楯は3つ山状。


Hexarthrius mandibularis sumatranus Mizunuma,1994:26, 28, fig. 80(a-c), pl. 84, fig. 344(8-13)
[Type Locality] Lampung Prov.,Sumatra

スマトラに分布。
顎中央の内歯は先端より、頭楯中央部の突出は弱い。


Hexarthrius buquettii (Hope,1843):95 [Lucanus buquettii]
[Type Locality] Javâ
[sny] Lucanus falciger Hope et Westwood,1845:11 [Java].
Lucanus(Hexarthrius) longipennis Hope et Westwood,1845:10-11 [Java,Assam].
Hexarthrius rhinoceros (nec Olivier) Burmeister,1847:366-367 [Java].

ジャワの特産種でH.parryiの代置種。
黒色で、顎先端は内側に曲がらない。
頭楯は長く、前胸上縁部は丸まる。


Hexarthrius howdeni De Lisle,1972:151-153,fig.1
[Type Locality] San Luis, Calapan, Mindoro Oriental, Philippine I.

唯一フィリピンに分布する小型種。ミンドロ・ルソンから得られる。
H.mandibularisの小型に似、島で特化したものと思われます。
顎・頭部は扁平、腹部は大きく、前胸は末広がり。



6.jpg
1:H.andreasi Types Schenk,2003より
2:H.kirchneri Holotype Schenk,2003より
3:H.k.prossi Holotype Schenk,2003より

Hexarthrius andreasi Schenk,2003:9-11,figs.3(a-b)
[Type Locality] Indonesien,West-Sumatra,Bencoil

H.mandibularisとH.rhinocerosの交雑個体と思われます。

Hexarthrius kirchneri Schenk,2003:8-9,Figs.2(a-b)
[Type Locality] Indonesien,Süd-Sumatra,Mt.Dempo

H.parryiとH.mandibularisの交雑個体と思われます。


Hexarthrius kirchneri prossi Schenk,2006:10-11,fig.10
[Type Locality] Indonesien,Sumatra,Bengkulu,Laduk Minda

H.parryiとH.rhinocerosの交雑個体と思われます。


7.jpg
1:W.perroti Fujita,2010より
2:W.makii Holotype Fujita,2010より
3:♀の比較 Fujita,2010より

Weinreichius perroti Lacroix,1978:255-258,fig.3
[Type Locality] Vietnam:Dalat

南ベトナムに分布。あってるラベルかはわかりませんが中央ベトナム産も見かけます。
産地によって歯型に変異が見られ、ジーリン産などは顎が細長いようです。
♀は頭部の点刻が荒いものの、左右非対称の顎や幅広のケイ節など
触角以外の特徴はHexarthrius属によく似ていています。
また、Yumikoi makiiの♀は本種に非常によく似ていて、
Y.makiiと合わせてHexarthrius属に近縁なのではないかと考えます。


Weinreichius makii (Arnaud et Miyasita,2006):2-3,fig. [Yumikoi makii]
[Type Locality] South VietNam,Kontam

ベトナム中部のアンナン山脈に沿って分布する。
♀の形状がW.perrotiによく似ていてYumikoi属はWeinreichius属に含めるのが妥当ではないかと思います。
♂は頭楯は突出せず、複眼下の突起もなく、Hexarthrius属によく似ています。
♀はW.perrotiと比較すると複眼縁はやや大きく、前ケイ節はやや湾曲します。



上の♀は以下のようになります。
W.perrotiとW.makiiの♀は触角をとるとHexarthrius属にそっくりです。

a:W.perroti
b:W.makii
c:H.vitalisi
d:P.oberthueri
e:R.c.tsutsuii
f:H.parryi deyrollei

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主に大図鑑に載っていなかった種類について書いていこうかと思います。 見解の相違や同定間違いなどもあると思いますが、あたたかい目で見守ってください。
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