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Dynodorcusグループのオオクワガタ

和名でオオクワガタと言われるものの中で大型になるグループです。
Dynodorcus Didier, 1931:197 (type: Dorcus antaeus Hope, 1842)
大型種ではありませんがD.gracilicornisやD.yakushaは本グループに含めました。
D.katsuraiは位置づけがよくわからないのでDynodorcusには含めませんでした。

たまにはこういう有名種の記事もいいかと思い書いてみます。
ほとんどが有名種なので細かい特徴とかはさらっと流します。

1.png
左から:D.antaeus Nepal
:D.a.miyashitai 広西壮族自治区
:D.a.datei S.Myanmar,Mynmolekat
:D.a.datei Malaysia
:D.a.datei Cambodia,Cheom Kusan
:D.schenklingi

Dorcus antaeus Hope,1842:83
[Type Locality] Kasya Hills,near the boundary of Assam
[sny] Lucanus scaritides Hope et Westwood, 1845:20, 24 [Ksyah hills].
Rhaetus parryi Boileau1902:49-51,fig.2 [-]. [homonym]
Dorcus mercurius (Hope) Boileau, 1913:252 [-].

俗にヒマラヤ系と言われる亜種群です。
出回っているものラベルが確かならば、
パキスタン・ネパール・北東インド・東インド・ブータン・ミャンマー西部〜北部・チベットに分布しています。


Dorcus antaeus miyashitai Fujita,2010:19,255,figs.757(1-5)
[Type Locality] Muang Pang,Xiang Khoang,N.Laos

俗にインドシナ系と言われる亜種群です。
分布は東ミャンマー・北タイ・北ラオス・北ベトナム・中国(雲南、貴州、広西、海南島)。
顎と体形は太短く、光沢がやや鈍い。

Dorcus antaeus datei Fujita,2010:19-20,255-256,figs.757(6-7)
[Type Locality] Cameron Highlands,W.Malaysia

分布はマレー・南ベトナムと、中央ベトナム南部・カンボジア北部・南ラオス・南ミャンマー。
マレーと南ベトナム以外の上記の産地は新大図鑑では空白地帯になってます。
マレー以外は正直なところssp.miyashitaiとの中間的な特徴にも思えますが、
一応は新大図鑑に準じておきます。
Ssp.miyashitaiに比較すると、光沢が強く、前胸は前方が幅広、顎先と内歯が鋭いとのことです。


Dorcus schenklingi (Möllenkamp,1913):20-21,fig.2 [Eurytrachelus schenklingi]
[Type Locality] Formosa:Kosempo

台湾の特産種です。一時期、福建産の生き虫も出回りましたが、間違ったラベルのような感じもします。
ギネスサイズは90oと言われています。(Huang&Chen,2013; Zhang Y.R.,2006)


2.jpg
左から:D.kamijoi Holotype Fujita,2010より
:D.kamijoi S.Laos
:D.sp. Cambodia
:D.gracilicornis
:D.yaksha N.Vietnam
:D.yaksha 記載文の絵 33,29o

Dorcus kamijoi Fujita,2009:2-5,figs.6-10
[Type Locality] near Dalat,S.Vietnam

D.antaeusの♀の中に変わったやつがいて、ブリードしたら本種であったというのが発見の経緯と聞いてます。
♀はやや体形が細くて光沢が強いのですが、正直よく気が付いたものです。
♂は内歯がやや小さくて先端方向向き、顎の裏側付け根に毛が生え、前胸上縁部は張り出す。
大型の♂はD.antaeus似ですが、小型だとまったく違った感じになります。
特徴的にはD.yakshaに近いようです。
分布は南ベトナム〜中央ベトナム・ダナン、南ラオス。
野外では♂は得にくいようで、大型はまだ採集されていなかったような気がしました。


Dorcus sp.
[Distribution] Cambodia

カンボジアのカンポット辺りで得られるD.kamijouiに似た種類です。
D.kamijouiを小型にしたような感じで、やや光沢が強い以外は形状はほとんど変わりません。
しかし、D.antaeus・D.kamijoui・D.yaksha・D.sp.の交尾器を比較したところ、
肉眼で比較してもD.kamijouiとはまったくもって別種でした。
この違いで亜種とするならば、交尾器の違いの比較などまったくもって無意味といったほどの違いです。
素人目にはD.yakshaに似ているように感じました。
ちなみに、D.kamijouiは交尾器が異常なくらい巨大です。


Dorcus gracilicornis Benesh,1950:11-15,figs.3-4
[Type Locality] ARISAN,FORMOSA

台湾に分布するD.antaeusをちっちゃくしたような種類。
Huang&Chen,2013ではD.yakshaの亜種としています。
今回は独立種扱いにしましたが、種を分けるほどの違いはないと思います。


Dorcus gracilicornis ssp.
[Distribution] 中国(福建省,広東省,貴州省,海南島)

D.graciicornisは大陸からも得られています。
体型はやや幅広。
分けるほどではないかもしれませんね。


Dorcus yaksha Gravely,1915:422-423, fig.1
[Type Locality] E.Himalayas:Darjeeling District-Kurseong, Dafla Hills-Dikrang Valley
[sny] Dorcus tonkinensis Fujita,2010:19,254,figs.752(1-8) [N.Pia Oac,Cao Bang,N.Vietnam].

要はタイリクツノボソです。
D.antaeusのシノニムとされたりしますが、完全にツノボソのことです。
産地により変異が見られ、
よく調べて亜種分けできればD.tonkinensisも有効になります。


3.jpg
上左から:D.curvidens Sikkim
:D.curvidens Yunnan
:D.curvidens (上:Sikkim, 下:Yunnan)
:D.babai
下左から:D.babai
:D.curvidens Yunnan
:D.hopei
:D.h.binodulosus

Dorcus curvidens (Hope,1840):299, 589 [Lucanus curuvidens]
[Type Locality] Assam
[sny] Dorcas dehaani Hope, 1842:127 [Assamensi.].
Dorcus klugii Thomson, 1862:424-425 [India].

ヒマラヤ系とインドシナ系でやや変異が見られます。
分布はネパール・インド・ブータン・ミャンマー・タイ北部・ラオス・ベトナム北〜中部・中国(チベット、雲南、広西、貴州、海南島、福建?)。
中国の一部地域ではD.hopeiと同所に分布します。
D.hopeiは個体変異が大きく、区別は難しいですが、
はっきりとした区別点として本種は符節が細くて各節に生える毛は短いそうです。(Mizunima,2000参照)


Dorcus babai Fujita,2010:20,258,figs.761(15-16) [Dorcus curvidens babai]
[Type Locality] near Dalat Highland,S.Vietnam

ベトナム南部〜中部あたりまで分布する。
♂は細い大顎と顎の付け根に位置する内歯が特徴的です。
D.curvidens の亜種とされますが、同所で得られることが確認されました。
もっとも個人的には元々D.curvidensの亜種とするのは違和感がありました。
♀も上翅の筋がややフラットで点刻の入り方でもD.curvidensと区別できます。


Dorcus hopei (Saunders,1854):50-51,fig.8 [Platyprosopus hopei]
[Type Locality] China[sny] Dorcus striatopunctatus Saunders, 1854:51,fig.5 [China].
Dorcus? striatus Saunders, 1854:53-54, fig.4 [China].

ラベルが確かならば中国の黄河以南に幅広く分布していることになります。
ssp.binodulosusと比較すると体形はやや幅広。
歯型はD.hopei独特の顎が太くてやや湾曲して内歯が重なるものから、
ssp.binodulosusと区別のつかないものまで多様な個体変異が見られる。
♀は前胸上縁が尖るか丸まるかで区別出来るのですが、
中間個体もいるみたいで確実とは言い切れないようです。


Dorcus hopei binodulosus Waterhouse,1874:6-7 [Dorcus binodulosus]
[Type Locality] Japan

日本〜対馬〜朝鮮半島〜中国(遼寧)に分布。
D.hopeiよりやや細身。
いろいろ見ましたが地域の特色のような形状の変異も見られますが、
やはり個体変異の域を抜けないでしょう。
ただ、対馬産は上翅がやや筋張っている印象はありました。


4.jpg
左:D.grandis
中:D.g.moriyai
右:D.g.formosanus

Dorcus grandis Didier,1926:146-148
[Type Locality] Xieng Khouang(Laos) provenant

分布はラオス・ベトナム北部・ベトナム中南部〜南部・海南島?・中国(雲南省)・ミャンマー北東部。
独特な形状の内歯と前胸上縁部が切れ込むのが特徴的。
これだけの種類が再発見までかなりの期間が空いたのが不思議です。


Dorcus grandis formosanus Miwa,1929:351 Dorcus formosanus]
[Type Locality] Formosa; Hoppo

台湾に分布し、研究者によってD.cruvidensやD.hopeiの亜種に分類されたりします。
以前に福建産の生き虫が出回り、近年でも福建で灯火で採集された個体を確認しました。
ただ、飼育品が逃げ出した可能性も否定できないで、確実に分布しているかと言ったら・・・「?」です。
歯型や前胸の形状がD.garandisタイプのものとD.cruvidensタイプのものが見られ、
D.cruvidensタイプは近縁種を交雑させたものとの噂もありましたが、
実際は古い標本でも両タイプが見られます。


Dorcus grandis moriyai Nagai,2005:2-3,figs.1-6
[Type Locality] Tiddim, Ton Zang, Chin Division, eastern Myanmar

ミャンマー西部〜北西部・インド北東部に分布。
前胸上縁部が張り出すのが最大の特徴。
その他、顎はやや直線的で、胴体はやや短い。


a5.png
上左から:D.ritsemae Types Oberthür&Houlbert,1914より
:D.r.kazuhisai 72o
:D.r.volscens Sumatra 74o
:D.r.khaoyaiensis Holotype Baba,2012より
:D.r.curvus Mizunuma&Nagai,1994より
:D.r.setsuroi Paratype Fujita,2010より
:D.r.astridae 記載文の絵 Didier,1932より
:D.r.astridae N.Sulawesi 72mm
:D.r.astridae C.Sulawesi 72mm
:D.r.astridae Peleng 62o
:D.r.astridae S.E.Sulawesi Tsukawaki,2009より
:D.r.ungaiae? Kabaena Tsukawaki,2009より
:D.r.ungaiae 65o(最大個体)
:D.r.ungaiae

Dorcus ritsemae Oberthür et Houlbert,1914:155-157,figs.73-74
[Type Locality] Java,Mt Salak,Dessa Tjibogo,Pandamas,Mt Oeker; Java occidental,Pengalengan
[sny] Dorcus parryi (nec Thomson)Boileau, 1898:401
Dorcus curvidens (nec Hope)Arrow, 1949:88, pl.7

Hemisodorcusの扱いによって種名が変わってしまいます。
Baba,2012ではHemisodorcusの基準種のD.nepalensisの♀は頭頂の突起が1本でDorcusと区別できるとしていますが、D.napalensisの近縁種のD.donckieriなどの♀は頭頂の突起が2本だし、本来Dorcusに分類されているD.sturalisの♀は突起が1本です。
また、Baba,2012に準ずるとHemisodorcusに近縁とされるD.arrowiグループなどもHemisodorcusから外されてしまいます。
D.ritsemaeを語る上ではHemisodorcusの他にSerrognathusの扱いにも触れる必要があるのですが特に触れられていません。
研究者によってそれぞれ考え方もあると思いますが、
当方はSerrognathus・Hemisodorcus・Macrodorcas・MetallactulusはDorcusの亜属として扱っています。

基準産地はジャワの広い産地を示しているのですが、タイプ標本を見る感じだと東産のように見えます。
100年前のラベルは今一信用できないところがあるので、当方はあまり鵜呑みにはしていません。
まあ、ラベルの確実性と言ったら今でも嘘くさいラベルが付いてることは多々あるのですが。


Dorcus ritsemae astridae Didier.1932:42,fig.1 [Dorcus astridae]
[Type Locality] Tondano-Menado(Célèbes,Menado)
[sny] Dorcus parryi Thomson, 1862:425-456 [Menado,Celèbes]. [homonym]
Dorcus ritsemae toraja Tsukawaki,1998:79,81,83 (new name for parryi Thomson, 1862)

Hemisodorcusを有効にすると本亜種がD.parryiの原名亜種になります。
産地により変異が見られ、中部産は顎がやや短くて前胸の形状が異なり、
ペレン産はかなり小型でずんぐりした体形です。


Dorcus ritsemae curvus Mizunuma in Mizunuma et Nagai,1994:29, fig. 92(a-c), p.267, pl.97, fig.395(49-53) (new name for palawanicus Bomans,1989)
[Type Locality] Palawan
[sny] Dorcus curvidens palawanicus Bomans, 1989:177 [Palawan]. [homonym]

パラワン島に分布します。
Serrognathusを有効にすると亜種名はSsp.palawanicusになります。


Dorcus ritsemae kazuhisai Tsukawaki 1998:79-81,83-84,figs.1-4
[Type Locality] Mt.Salak,Java Barat,Indonesia

種名の有効性云々はひとまず置いといて、
東産とは前胸中央部の突起がやや後方にくることで区別できます。
また、大型個体では東産では見られない完全な大歯型がでます。


Dorcus ritsemae khaoyaiensis Baba,2012:32-34,figs.1-8 [Dorcus parryi khaoyaiensis]
[Type Locality] Khao Yai,near Pak Chong,Thailand

Ssp.volescensによく似るが、顎は細く、上翅はやや艶消し。
分布はタイ中部~ラオス中部、カンボジア産も写真を見た感じでは本亜種に含まれると思われます。
タイ北部のラベルも見られますが疑念を持たれてるようです。


Dorcus ritsemae setsuroi Mizunuma in Mizunuma et Nagai,1994:28-29, fig. 93(a-b, d), p. 266-267, pl. 97, fig. 395(36-48)
[Type Locality] Mt.Apo,Mindanao I.,Philippines

主にミンダナオから得られ、ルソン産も1頭確認しました。
Ssp.volescensに似るが、顎は長くて内歯は先端よりで先向き、前胸縁中央の突起は後方。


Dorcus ritsemae ungaiae Nagai et Tsukawaki,1999:16-18,figs.3-4
[Type Locality] Mt.Lompobattang,Gowa,Sulawesi Selatan,Indonesia

Bomans,2003ではSsp.astridaeと区別がつかないとされたようですが、
実際はかなり異なっていて小型個体でも区別できます。
本亜種がシノニムならD.ritsemaeの亜種はすべてシノニムになるはずです。
最大個体でも10o以上小さく、体形は明らかに細身、前胸縁中央の突起はより突出する。
南スラウェシ州南部のロンポバタン山とバワカレン山から得られる。
カバエナ産は特徴を見る限り本亜種に含まれるものと思われます。


Dorcus ritsemae volscens Didier et Séguy 1953:230, fig. 7 [Dorcus volscens]
[Type Locality] Sumatra occidentali:Bungar Bondar
[sny] Dorcus parryi (nec Thomson) Boileau,1901 [Sumatra de Nias].

マレー・スマトラ・ボルネオ・ニアスに分布。
近い場所のSsp.kazuhiaiと比較します。
顎や体は長く、大型個体の内歯は横向き。
文章で違いを書くのは難しいですが、上のほぼ同サイズの写真や実物を見れば区別は容易かと思います。
Ssp.khaoyaiensisとは顎が太く、上翅にやや光沢があることで区別できます。

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