大図鑑に載ってないクワガタたち（主に）

オオズクワガタ

上左：M.australis Fujita,2010より
上右：M.australis Holotype Lüderwaldt, 1935より
下：M.sp.　Fujita,2010より

Macrocrates australis Lüderwaldt, 1934:388
[Type Locality] -
[sny] Macrocrates bucephala (nec Hope et Westwood) Didier,1933:25,fig.

大きな端歯と顎中央部の細かい内歯が特徴的な種類。
顎の付け根には二又の大きな内歯を備える。

上記の不明種はアウストラリスによく似ているものの、
顎付け根の内歯は小さく、複眼下の突起は小さい。
前胸側面後方はとがらない　など違いが見られる。
ただ、この1頭のみしか確認したことがないので、
特殊な形状の個体なのかもしれません。



上左：M.bucephala　Fujita,2010より
上右：M.bucephala　Holotype模写　Weinreich,1963より
下左：M.formosa　Didier,1926より
下右：M.bucephala　Fujita,2010より


上から：M.bucephala　記載文　Hope&Westwood,1845より
　：　Psalicerus nigripes Dejean,1837より
　：　Psalicerus rotundicollis Boileau,1913より
　：　Macrocrates longicornis Parry,1864より

Macrocrates bucephala (Hope et Westwood, 1845):15 [Lucanus bucephalus]
[Type Locality] Brasilia meridionali
[sny] Psalicerus nigripes Dejean, 1837:194 [Brasilia].
Macrocrates longicornis (Burmeister,) Parry,1864:86 [Blasilia]. [nomen nudum]
Psalicerus rotundicollis (Gory) Boileau, 1913:237 [nomen nudum]
Macrocrates formosus Didier, 1926:83-85,fig. [-].

顎には付け根1本と先端に4本の発達の弱い内歯を備える。
体色は黒味が強く、複眼下の突起は小さ目。
本種のみ前胸側面中央部の突起は角が丸い。
M.formosaは本種の上翅の色が明るい個体とされている。

本種の名前が最初に出てきたのはDejean,1837のP.nigripesで、
ブケファラのシノニムとされています。
Dejean,1837のカタログでは名前だけなので無効名なのかと思っていたのですが、
図説があるという話も聞いています。（ちゃんとした確認が取れてはいませんが）
確かに名前だけで同定されているのを不思議には思ってはいました。
ここからが重要なのですが、その当時は図説だけの記載も有効であったと聞いています。
実際に他のコガネムシ上科の種類で図説で記載された種類もあるそうです。
そうなると、今後にP.nigripesが種名として有効になるかもしれません。
図説の有無の確認もできていませんし、
このことを文献に書いているわけではないので　参考程度に。



上左：M.invenireus Holotype Websiteより
上右：M.bucephala (?) Parry,1864より
下：M.galantorum Holotype Websiteより

Macrocrates invenireus Fujii,2012:245,247,248-250,figs.1-3,18,23,27,31,35,40-41,46
[Type Locality] Brasil(=Brazil),RIO GRDE DO SUL

ブケファラに似てるが、顎は長くて先端部は下方に下がる。
顎中央からやや先端寄りに長い内歯を備えるのが特徴的。
前胸側面中央部はブケファラと異なりとがる。
種名が変更になるわけではありませんが、
Parry,1864に書かれているブケファラの絵は本種によく似ています。


Macrocrates galantorum Fujii,2012:245,247,249,250-253,figs.4-5,19,24,28,32,36,42-43,46
[Type Locality] Brazil

新大図鑑にも本種についてちょこっと載っています。
アウストラリスによく似ていて、
歯型以外には違いが解らなかったので変異の一端かとも思っていましたが、
顎は短くて直線的で　横から見ると先端部は下方に下がらない、
細かい内歯は大きくて数も多く　付け根の内歯もよく発達する。
交尾器は本種のみ明らかに小さい。
など違いが見られます。
ケイ節も若干長いように感じます。
タイプのサイズは27�o。