ピロリ除菌胃炎に保険適用
朝日新聞 2013.02.03 朝刊より抜粋
胃がんなどの原因になる細菌「
ヘリコバクター・ピロリ」の感染による胃炎について、除菌治療が、保険適用として認められる見通しになった。
これまでは胃潰瘍(かいよう)など症状が進んだ病気に限られていたが、より早い段階で治療が受けられるようになり、将来の胃がん予防につながる可能性がある。
ヘリコバクター・ピロリは胃の粘膜にいる細菌。
感染着は国内で約3500万人で、50歳以上の7〜8割が感染しているとみられる。
子どもの頃に感染すると、成人になっても胃の中で生き続ける。
現在、公的医療保険で除菌の対象になる病気は胃潰瘍、十二指腸潰瘍など。
これまで胃炎の除菌は保険の対象外なので自費診療になり、1回につき、数万円の自己負担が必要だった。
厚生労働省の専門部会で治療効果などについて検討され、1月31日の会議で認められた。
早ければ来月の3月から受けられる見込み。
胃炎の除菌治療で保険適用が認められるのは、ピロリ菌の除菌剤とその効き目を高めるための補助剤。
吐いた息で調べる検査などで感染を確認し、内視鏡検査で炎症が見つかるのが条件となる。
胃がんによる死亡者数は年間約5万人。
日本ヘリコバクター学会などは、ピロリ菌除菌の保険適用を拡大するよう求めていた。
ピロリ菌は胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃炎をおこすだけでなく長い年月を経て胃がんの原因にもなる。
除菌によって将来の胃がんが減るという研究結果もある。