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東電下請けの「被曝隠し」

東電下請けの「被曝隠し」
雑音混じりの録音「最大の武器だ」


朝日新聞の「プロメテウスの罠」が2012年度の日本新聞協会賞を受賞しました。
関心を寄せていた記事が受賞したことは嬉しく思っています。


朝日新聞 2012.10.17 朝刊より抜粋

特別報道部に在籍していた藤森(50)は、ヘッドホンを通して聞こえる男の声に息をのんだ。
「鉛で隠さないと、線量なくなったら仕事にならないんだ」
密室での赤裸々なやりとりが、カセットテープに録音されていた。
藤森は「この話は本物だ」と思った。

報道を受けて東京電力も鉛カバーを試作し、放射線を遮る効果があることを確認した(東電提供)



福島第一原発の下請け業者が、作業員の線量計を鉛のカバーで覆わせ、被曝線量を低く見せる「被曝隠し」をしているという情報が、社内の記者から寄せられたのは昨年暮れ。
藤森はすぐに内部告発をした作業員に会って話を聞き、テープを受け取った。
ひそかに携帯電話で録音し、複製したものだった。

作業員の安全を脅かす不正を報じる上で「テープは最大の武器になる」と確信した。
雑音と東北なまりがひどく、専門用語も頻繁に登場し、はっきりと聞き取れたのは6割ほど。
原発のことを1から勉強し、当事者に会って話を聞く必要もある。
長期戦を覚悟した。

専門家に依頼して雑音を減らし、東北出身の同僚が聞き直して9割ほど解明したころ、藤森は名古屋企画事業チームヘ異動に。
引き継いだ同僚の一人、青木(38)は鉛カバーをつけたとみられる作業員の所在を割り出し、足しげく通って事故や仕事、家族の話に耳を傾けた。

7月、5度目の取材で初めて被曝隠しのことを尋ねた。
作業員は「知らない」と繰り返した。
取材で得た情報を元に朝日新聞で試作した鉛カバーを見せると、「誰がもらした?」と酒をあおった。

翌日、再び会ってもらった。
前日の気まずい空気から一転、いつものように世間話に応じてくれた。
青木は「話してくれるかも」と直感し、もう一度切り出してみたが、「つけたかな」とはぐらかされた。

夜に再び会って尋ねた。
「確かにつけた」。
作業員は何度もうなずいた。
記者10入以上が全国に散らばる作業員を探し歩いて話を間く総力取材。
最終的に複数が不正を認め、7月21日付朝刊の記事につながった。
その後も原発労働のゆがみが次々と明らかになっている。






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