『Inception（インセプション）（2010）』
＜個人的な評価：10点中7.5点＞
下記、個人的な感想です。
ネタバレありです。
下記、個人的な感想です。
ネタバレありです。
前から観たかったSF映画！ようやく観れました。
かなり複雑な映画で、夢のルールを理解するのに、少し苦労しましたが、なかなか面白い私好みの映画でした。名優 Leonardo DiCaprio 主演だし、私の好きな俳優の一人である Joseph Gordon-Levitt も出てたし、あとびっくりしたけど、日本人の俳優 渡辺謙さんも出てたんですね。確か杏さんのお父様。
渡辺謙さんのプライベートは詳しくは知らないけど、なんか不倫やら色々プライーベートであってイヤな父親！て思った事あるけど、でも世界で活躍している俳優の一人だし、その力はすごいと思います。彼は日本を代表する名優で、ハリウッド大スターと並んでもオーラがあるし、やっぱりなんだかんだでカッコいいアジア人という印象がしました。（あくまで俳優として）杏さんは、その父親の俳優魂や俳優オーラといいった良いところだけ受け継いだカッコいい美女ですね。大物はやっぱり違う。
あらすじ
他人の頭の中に潜り込んで、潜在意識から情報を抜き出す産業スパイのCobb（Leonardo DiCaprio ）。
彼の元に、実業家のサイトー（渡辺謙）から極秘の仕事依頼が舞い込む。
その内容は、ライバル企業を倒産に追い込むために、会長の息子Robertの頭の中に侵入して、「会社を潰す」というアイデアを植えつけるというものだった。
この時点で、ん？普通の映画とは違うなと思いました。
暗殺とかじゃないんだ。この時は、よくわかりませんでしたが、夢の世界が舞台の映画のようですね。
私は複雑な映画やSF映画が好きなわりに、頭は、あまりよくないので笑。そして、これが動画のいいところ。わからなかったら、止めて、また観返します笑。
映画館ではできないことだね！！！
で、じっくり観た結果、合計で3時間ぐらいかかったんですが、まだわからない部分もあるけど、面白かったです！（開き直った私！）
さて物語ですが、
主人公Cobbは, ArthurやAriadneなど 選りすぐりのメンバーと共に、この不可能と思われるミッションに挑戦。
しかし、そのストーリーとは別に、Cobb自身も実は夢に囚われたままの哀しき人だった。。。
夢に這いこみすぎると、夢に囚われ、何が現実か夢なのかが曖昧になってわからなくなる。
Cobbには悲しい過去があり、夢に囚われた妻Malを自殺で亡くした過去があったのだ。
死んだら夢から覚める。
そうだ、この世界は夢だ！と現実なのに夢の世界に長くいすぎて夢に囚われた妻は、ビルから飛び降りれCobbの目の前で自殺。
最初、Mal が出てきたとき、なかなかセクシーなので、普通に悪い悪役の女かなと思いましたが、実はCobb自身が作った幻影で、本物のMalはもう死んでたんです。悲しいです。
恋愛映画は基本的にキライだけど、こういうのはなんか悲しい。
CobbとMalは夫婦で子供もいて、仕事の信頼できるパートナーだったんです。
でも夢に囚われすぎて、Malの精神は崩壊してしまったんです。それが悲しい。
CobbとMalの見た目は、若い美男美女だけど、実は二人は二人っきりだけで、50年間夢の世界で生きてたんですよね。だから、心は、老夫婦の絆や愛。だからこそ本物の愛で美しいし、二人の愛と結末は悲しい。
Cobbも夢に囚われてしまうわけですね。
愛する人と誰にも邪魔されずに、二人だけの世界を作って、50年もいられるなんて、ある意味、天国かなとも思うんですけどね。まるで創造主。まるで、アダムとイブ。ちょっと憧れます。
Malは、長くいすぎたせいで、その心地よい世界が本物の世界と信じたくって、現実世界に戻ってきたときは、現実世界が嫌で、現実世界を夢と思い込み、自殺したら、あの本物の世界（実際はそれは夢の世界で二人で50年暮らした世界）に戻れると思ったんですね。
悲しい。
だからCOBBは妻を失い、妻を、自分の夢の世界に閉じ込めたんだ。
切ないです。
その夢の世界で出てくる可愛らしい男女の子供達。でも顔はずっと見えない。見えないんです。
そう、COBBは子供たちの顔さえも忘れてしまったのかな。
長い間家に帰ってない。妻が死んだ日から、ずっとずっと。
家に帰りたい。子供たちに会いたい。
それが、COBBが、Mr.SAITOの仕事を引き受けた理由でした。
COBBの夢の中の世界、そして夢でなら妻に会える。
妻を愛するあまりの妻への恋しさ、妻を守れなかった自分から妻への懺悔、子供達を置いて勝手に死んでしまった妻への怒り。そのすべての感情が切ない。愛、憎しみ、懺悔、悲しみ。複雑ですが、愛が深いからこそ、そういう負や悲の感情も出てくるんだろうな。
だから、幻影では、死んだはずの妻が悪女になって出てきたりするんだ。それCOBBの意識が作った幻影だから。その切ない気持ち、なんだかわかります。
だから、ぽっとでの、 Ariadneが、COBBの夢の中の侵入して荒らそうとした時はむかついた。
てか、Ariadne苦手。ずっと好きになれなかったですね。図々しいし、人の夫婦の思い出に土足で上がる神経が許せない。こういう女、苦手ってかキライです。
亡くなったとはいえ、長年一緒だった一種の運命共同体のような夫婦の思い出に土足であがるなクソ女！
こいつがいなければ、この映画はもっと良かったですね、8点あげてもよかった。
こいつの役目を、Arthurがやればよかったのに。とにかく、Ariadne苦手ですね、苦手ってかキライかも。
さて、この映画、複雑です！
まず、夢のルールがあります。
★1）夢の世界は多層構造！
★2）第一階層の夢の世界で、また夢を見ると第二階層へはいれる。第二階層の夢の世界で、また夢を見ると第三階層へはいれる。
★3) 深い階層になるほど時間の経過が遅くなる。
★4) 現実の5分が、夢の世界の1時間に相当する。だから現実世界で8時間寝たら、夢の世界では96時間（4日間）もたっていることになる。
★5) 夢から覚めさせるには、夢の中で死亡するか、「キック」と呼ばれる手法が用いられる。
★6）ターゲットの夢の中に潜入することで、エクストラクション、つまり情報を抜き取ること、インセプション、つまり情報を植えつけることが可能できる。
★7) ターゲット側も訓練を受けることで、潜在意識を武装化させて、侵入者たちを排除することができる。
このような、まるでゲームの世界のルールです。覚えるのが大変だ！でも、これらをしっかり頭にいれていけば、観やすくなるでしょう。
さて、夢の世界は複数人で共有できる！
そして、それぞれ、役割がある！
◆ドリーマー：
ドリーマーとは、夢の主（ホスト）。
夢の各階層ごとにドリーマーが必要。
ドリーマーが死亡してしまうと、その階層は崩壊する。
◆設計士：
共有する夢の世界の構築・設計を担当する者のこと。
この映画では、Ariadneが担当。
遺伝学者ライオネル・ペンローズ＆数学者ロジャー・ペンローズ親子が考案した「ペンローズの階段」を応用した理論の応用編が、この夢の世界だ。
完全な想像の産物だが、ターゲット（この場合、ロバート）が夢を現実と思い込んでしまうような、リアリティーと細密さが必要！
◆偽装師：
偽装師とは他人になりすましてターゲットの思考を誘導する者。
◆調合師：
夢の世界を安定させる鎮静剤を作る者のこと。
まるでゲームのルールですね。
しかも、かなり難解なゲームです。
そして、もう一つ、重要な役割をもつもの。これは人ではなく、あるアイテム。
トーテムこの映画では、COBBがいつも愛用しているコマですね。
これは、侵入者が「夢の中にいるのか、現実世界にいるのか」を判断するために利用する道具。
コマが回り続ければ夢の中、途中で止まれば現実。
実際に映画に出てきた夢の階層を紹介します。
★第1階層
WHERE：ロサンゼルス
MISSION：ターゲットであるRobert に、遺言について強く意識させることで、疎遠だった父親との関係性を見つめ直す機会をつくる。
★★第2階層
WHERE：ホテル
MISSION：Robert に、本当に自分がやりたいことは何なのか？を改めて考えさせる。
KEY：Robert に、ここは夢の中である、ことをあえて教えてる。Mr.チャールズ作戦。それが第3階層へと導く鍵だ。
★★★第3階層
WHERE：雪山の病院
MISSION：Robertが秒床の父親と再会。父親の事業を引き継ぐのではなく、自分自身がやりたいことを突き進むと決心させる！
なかなか、凄い発想ですね。
ライバル企業を倒産に追い込むために、こういう事をするという発想がすごい。
なんというか、汚い手ではあるが、なぜか優しい世界にみえてしまう。不思議な世界。
暗殺とか、そういう類ではなく、あえて、こんな凝った方法で、会長の息子Robertの頭の中に侵入して、「会社を潰す」というアイデアを植えつけるとか、とんでもないですね。
うーん、Robertの立場にたったら、会社の立場にたったら、良い事なのか悪い事なのか。
でも、父親の事業を引き継ぐのではなく、自分自身がやりたいことを突き進むでも、というのは、なんか美徳でもあると思うんです。
++++++++++++++ここからは私の妄想+++++++++++++++私も夢を設計して自由自在に操りたいな〜
でも、私にも覚えている夢はあって、まるでRPGの世界いにるような夢もみたことあるんです。
夢の続きも観た事あるし、映画のバイオハザードような世界だったし。
映画とは関係ないですが、私が夢を作るとしたら、こんな感じになるかな。
そして自分が作った夢の世界で、相方や友達と、リアル脱出ゲームや、シューティングゲームして遊びたい笑。私は第四階層までいってきます。
★第1階層
WHERE：巨大なゴシック建築の大学
MISSION：大学地下奥深くに眠るといわれる研究所の噂とそこに眠るといわれる世界をも滅ぼす兵器の噂を耳にする。その噂に興味をもってしまう。ある日の黄昏、大聖堂の奥から流れる不思議なピアノの音（ベートーヴェン月光第三章）に導かれ、大学敷地内にある大聖堂へ。
★★第2階層
WHERE：ゴシック建築の大聖堂
MISSION：眠ってしまった美しくも恐ろしい吸血姫を呼び起こしてしまう。吸血姫に追われながら逃げていくうちに存在さえ知らなかった大聖堂の地下に迷い込んでしまう。
大聖堂の地下迷路から巨大な廃墟病院に通じる。
★★★第3階層
WHERE：ゾンビが出てくる迷宮のような廃墟病院だが清潔で真っ白。
MISSION：誰もいないはずの廃墟だが真っ白な近代的な病院だが、静かにさまよってたらゾンビがでてきた。ゾンビから逃げ切る！！逃げ回っているうちに、廃墟病院の地下からBSL-4 LABに通じる道をみつける！
★★★★第4階層
WHERE：BSL-4 LAB。巨大バイオ研究所の最も危険な最下層
MISSION：やばい場所。地下のホルマリンプールに他の死体と一緒に隠れたり、とにかく、狂気の人体実験サイコパス大学教授から逃げ切る！ついでに世界を滅ぼす兵器も持ち帰り、闇の帝王になる！！！
以上、実はこの通り、私は中二病ですね。闇の帝王になる目的は今付け足しました。
でも、それ以外は、私がみたことがある夢でした。これらを繋げたら面白いなと思いました。
そう地下のホルマリンのプールに隠れてたり。なぜ私がこんな夢をみて、こんな夢をお気に入りと感じているのか。悪夢ではなく、気に入っているんですよ、こういう夢！
私は変わり者でしょうね。世の乙女は恋愛妄想ゲームをしながら恋愛ハーレムの夢をみているのでしょうが、私はそんなのより、バイオハザードのアリスになって、ゾンビを倒したい。でも実際、夢の中では、追われたり、逃げたり、そればっかりですがね。そして誰も助けてくれないし、全部私一人で自力で逃げ切ってるんですよ〜！面白い事に、逃げ切れない、ヤバい！と思ったら、これは夢だ！ってインプットして、自分を夢から起こすこともできます。汗だくです。
夢の中にいて、夢ってわかてってしまうときもあるんですよね。不思議。
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
映画の話に戻ります笑。
さて、まだ私が触れてなかったのがあります。虚無。
これって、そういえば、昔、『はてしない物語』というお気に入りの小説を読んだときにも出てきたな〜
虚無。とにかくヤバいのは、漢字からみても、わかりますね。
■虚無
場所：永遠の奈落を繰り返す街
ドリーマー：COBB
潜在意識の奥深くにある場所。
ここに落ちてしまうと、現実に引き戻されても心だけは虚無の中に置き去りにされてしまう。
COBB＆MALは約50年間、ここで暮らしていた。
地獄というより、普通な街。愛する人と一緒にいれるなら、ある意味。天国では。
現実に引き戻されても心だけは虚無の中に置き去りにされるとのことですが、MALは、これが原因で現実世界に戻っても、空っぽだったのか。
面白い映画でした。かなり難しかったけど。
ENTERTAINMENTを観ているというより、新しいゲームのルールを勉強しているような気分。
だから、面白かったけど、脳が疲れてるときは、頭に入らない映画。なので、個人的な評価は7.5ですね。
面白いんですけどね。（評価が、7以上の映画は基本私的には面白い部類）
そして映画の最後の部分。
COBBの娘と息子、双子なのか、お姉ちゃんと弟なのか不明だけど、後ろ姿からしても、天使のようで、ずっとすごい可愛いだろうなと思ってました。最後の最後。ちゃんと約束を守った、Mr.SAITO！！
COBBは家にようやく帰ることができた。そして、振り向いた子供達。かわいいいいい！！！！！！HAPPY END。
でも、回り続ける駒。
駒は止まったのか否か。
そこで映画は終了。
私は駒は止まったと信じたい。最後、止りかけるような音がしたような気がしたから。そうだよね。
最後に、映画とは関係ないけど、私のお気に入りの詩を紹介。
昔者荘周夢に胡蝶と為る。栩々然として胡蝶なり。
自ら喩しみて志に適えるかな。周たるを知らざるなり。 俄然として覚むれば、則ち蘧々然として周なり。
知らず、周の夢に胡蝶と為れるか、胡蝶の夢に周と為れるかを。
周と胡蝶とは、則ち必ず分有らん。此を之れ物化と謂う。
＜胡蝶の夢（荘子）＞
自ら喩しみて志に適えるかな。周たるを知らざるなり。 俄然として覚むれば、則ち蘧々然として周なり。
知らず、周の夢に胡蝶と為れるか、胡蝶の夢に周と為れるかを。
周と胡蝶とは、則ち必ず分有らん。此を之れ物化と謂う。
＜胡蝶の夢（荘子）＞
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