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２１日夜、東京・板橋区のアパートで３４歳の女性が刃物で刺されて殺害されているのが見つかった事件で、部屋が荒らされていたうえ１階の窓ガラスが割られていたことが分かり、警視庁は盗み目的で侵入した人物が部屋にいた女性を殺害した疑いがあるとみて捜査しています。

２１日午後１１時前、東京・板橋区赤塚３丁目のアパートの部屋で、主婦の荒井久美さん（３４）が寝室で倒れて死亡しているのを帰宅した夫が見つけました。
警視庁の調べによりますと胸や背中には刃物で刺された痕が１０数か所あり、寝室や居間では押し入れの中が荒らされて物色したような跡があったということです。
さらに１階の窓ガラスが割られ、室内に靴の跡が見つかったことが警視庁への取材で分かりました。
現場のアパートは１階に玄関があって１階と２階に部屋があるメゾネット式の住宅です。
荒井さんは２階の寝室の床の上に倒れていて、ワンピースを着て外出する際の服装だったということです。
また、部屋には２１日の午後３時半ごろに近くの駅前のドーナツ店で買い物をしたレシートがあったということです。

東京・板橋区の主婦殺害事件で、防犯カメラの解析から、20代前半の男が関与した疑いが強まり、警視庁は、主婦の口座から現金を引き出した窃盗の容疑で、この男の逮捕状を請求する方針を固めた。
この事件は、11月21日、板橋区のマンションで、主婦・荒井久美さん(34)が刃物で刺されて殺害されたもので、荒井さんは、空き巣目的で侵入した男と鉢合わせになり、殺害されたとみられている。
調べによると、事件直前の午後3時前に、荒井さん宅のインターホンの画像に、黒縁眼鏡をかけた男の姿が残っていたという。
この男と同一人物とみられる黒のスーツを着た男が、事件後、成増駅から東武東上線で池袋駅まで移動し、変装後に、荒井さんの口座から現金およそ26万円を引き出す様子なども防犯カメラに映っていた。
警視庁は、これらの映像の解析などを行ったところ、以前、別の窃盗事件で摘発されたことがある20代前半の男が浮上したという。
男は、かつて豊島区に住み、現場の板橋区にも土地勘があるという。
警視庁は、この男が、ATM(現金自動預払機)で荒井さんの口座から現金を引き出したとみて、近く事情を聴くとともに、窃盗の疑いで逮捕状を請求する方針。
また、荒井さん殺害についても、男が関与しているとみて、事情を聴く方針。

　松尾元気容疑者は、現場のマンションから北に約７００メートルしか離れていないアパートで暮らしていた。事件から１０日余り。逃亡中もアパート周辺で生活を続けていたとされ、近隣住民の間には驚きが広がった。

　１日午前９時ごろ。閑静な住宅街に建つアパートを、車で乗り付けた捜査員数人が取り囲んだ。任意同行には素直に応じた松尾容疑者は、黒縁眼鏡に黒の上着、ジーンズ姿で玄関先に現れ、うつむき加減のまま車に乗り込んだ。

　松尾容疑者は福岡県出身。一時、板橋区と隣接する豊島区内に居住していたが、今年４月ごろ同アパートに入居し、夏ごろからは若い女性と同居していた。隣室に住む大家の男性は「夜中に女性と大声で話す声が聞こえたので、管理会社を通じて苦情を訴えたことがある」と振り返る。

　間取りは１Ｋで、家賃は５万２千円。１１月分の家賃を滞納して保証会社に立て替えてもらったが、１２月分は逮捕前日の１１月３０日に振り込まれていた。「初めはおとなしく礼儀正しい印象だった。こんな事件を起こすとは信じられない」。大家は言葉を失った。

　反対側の隣室に住む男性（２８）は「昼も電気がついていたので、学生だと思っていた。ゴミ出しのマナーが悪かった」と語る。女性を自転車の後ろに乗せて出かけるのをたびたび見かけ、１日未明には、壁越しに松尾容疑者が談笑する声が響いていたという。

　アパートの契約書では「会社員」だったが、実際はアルバイトでカラオケ店を転々。３月から勤務した東武東上線成増駅前の店も１０月には辞めた。

　松尾容疑者宅では、捜索が行われていた１日午後２時半過ぎ、衣服を詰めた袋を抱えた同居女性が警察車両に乗せられ、無言で立ち去った。