2020年04月27日

過用症候群




私の最初のアフィリエイト作品は「介護基本情報」という題名でした。
最初ホームページを作成するとき、どのようなコンセプトを描いていたかというと、
私は理学療法士でケアマネージャーの免許も持っていたので
(今も持っています。実務経験はありませんが)
介護の情報を載せて、ネットで介護に関わる人、医療介護職関係者、
要介護者、その家族からの情報を集めて、
今後の高齢化社会の問題解決法を探ろうというものでした。
フェイスブックでは、そのような情報交換はザラにされていたので、
私も介護に関するフェイスブックのメンバーとして参加していました。
「介護基本情報」は介護の情報交換の場にできなかったので、
途中で「介護基本技術」に名前を変更しました。
ある事情で今は退会しましたが、当初の考えは甘いところもありましたが、
2025年問題などを抱える中、非常に重要なテーマです。
本当は時間と労力をかけて「介護基本技術」をもっとリニューアル
したいと考えています。
大幅にリメイクしたいのですが、なかなかできません。
今かけられる時間ではブログに定期的に記事を書くくらいです。
今日は、過用症候群についてです。
介護現場では過用症候群はあまり認識されていません。
まずは上田敏先生の文章から引用します。

クリニカル ナーシングガイド 17
リハビリテーション 上田 敏 編より、廃用症候群、過用症候群、誤用症候群をまとめました。

1 廃用症候群 寝かせっぱなしでもいけません。以下のような状態が起こります。
1)局所性廃用症候群 @拘縮 A廃用性筋委縮 B廃用性骨萎縮 C褥瘡
2)全身性廃用症候群 @起立性低血圧 A心肺機能低下 
B利尿、ナトリウム利尿―脱水、血液量減少  C腸管機能低下―便秘
3)精神性廃用症候群 @知的機能低下 A感情の鈍麻、周囲への無関心 Bうつ傾向

2 過用症候群
廃用症候群の危険性を強調しすぎると、何でもよいから動けばいいというスパルタ式の考えになり使い過ぎによる害を起こしやすい。
1)過用性筋力低下―可逆性(いったん低下した筋力が休息により回復するもの)
2)過用性損傷―不可逆性(休息しても回復しない)

3 誤用症候群
1)他動運動による関節損傷 例)麻痺した肩を動かしすぎると、肩手症候群になる。
2)異所性化骨 誤った訓練や介護で筋に慢性炎症を起こし、カルシュウムが沈着して、関節内が骨化し、 関節拘縮を起こす。
3)反張膝 麻痺しているのにもかかわらず無理やり歩かせると、膝が逆に反ってしまい、痛みを起こす。

健康増進ならば何をしても良いです。心身を鍛えようとして、空手をやってもらってもいいですし、合気道、ヨガ、気功、好みの物をやって上達する事により、人間は成長していきます。しかし、病気になると違います。骨関節疾患、各種の麻痺などの運動系の障害があると過剰な運動は危険になります。
変形性関節症、リウマチのある高齢者に過度な筋力強化をすると、痛みが起こり、炎症が起き悪化します。可動域はますます悪くなります。麻痺のある高齢者も同様です。麻痺が十分回復していないにもかかわらず、歩け歩けと言って歩かせると、骨関節疾患と同様に痛みが起こり、炎症が起るだけでなく痙性麻痺なら、筋緊張を強めてしまい共同運動パターン(麻痺側の下肢のぶん回し運動など)がひどくなります。
お年寄りは何らかのRSD(反射性交感神経性萎縮症)を患っています。爪が変形していたり、皮膚がやせていたり、表面が光沢になっていたり、筋がやせていたり、腫れがあったりします。その名の通り、反射性に交感神経の亢進がをいつまでも止まらないため、毛細血管の収縮が不安定になり、血流が末梢の組織にいきわたらす爪、皮膚、筋、腱、骨の萎縮をおこし、最後には変形治癒します。そうなるまで炎症が止まりません。そのような状態のまま運動するとRSDの進行を強めたり、回復を阻害します。心肺機能の低下している人も要注意です。その他、内蔵(肝臓、腎臓等)など、全身書状が悪化している高齢者に過負荷な運動をするとその症状は確実に悪化します。
介護現場でのお年寄りも慢性化した運動系の疾患を必ず伴っています。
お年寄りが楽しめるものは試していただいていいと思うのですが、やってみて悪くなるようであれば中止することが重要です。
RSDのところで述べたように、爪が変形していたり、皮膚がやせていたり、表面が光沢になっていたり、筋がやせていたり、腫れがあったりしたら、注意が必要です。
廃用症候群、過用症候群、誤用症候群は古くから知られていました。リハビリの教科書でも1980年代に多く書かれています。しかし、医療介護現場ではいまだに運動すればよくなるという考えがいまだにあり失敗しても、尚且つ、その方法を続けているという現状があります。
運動には副作用がないと思われがちですが上記のように運動量を病態により選択しないと重篤な副作用を起こしますが、知識のない人は自分は高齢者にしっかり運動させたのだから、悪くなるわけがないと疑うことをしません。自分の行った後には必ずその結果を確認してよかったか否か確認する必要があると思います。





2020年04月19日

リハビリテーションの歴史とICF

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1 リハビリテーションの歴史
リハビリテーションの語源はラテン語で、「Re」は再び、
「habilis」は人間らしく生きる、再びできるようになるという意味です。
その後、長い歴史の中で使用法が変化し、権利の回復、名誉の回復など
様々な意味に使われてきました。
現在、我々が使用している障害者に対する、機能回復、能力向上、社会復帰という
意味に使われるようになったのは、障害者が多発した戦争を契機とし、
第一次世界大戦から第二次世界大戦後に広く定着しました。
千野直一先生の「現代 リハビリテーション医学」から
リハビリテーション医学の歴史についてまとめてみました。
リハビリテーション医学の定義
リハビリテーション医学とは、物理医学とリハビリテーションという一見全く異なるように見える2つの医学分野が統合されたものである。
物理医学とは、古来より医療の中で用いられてきた、運動療法、電気、温熱、光線、装具療法等を用いて、運動機能障害の患者の治療、診断等に用いられてきた。
リハビリテーションとは、患者を身体、心理、社会職業的に最大レベルまで到達させることである。
リハビリテーション医学は種々の疾患によって生じた運動系の障害を物理医学的手段により、診断と治療を施し患者に生きがいある社会的生活を送れるように援助する専門医学分野である。としています。
リハビリテーション医学は1947年米国専門医制度が発足が一つの出発点となり、リハビリ医学が米国において、独立した専門領域、内科、外科、小児科などの医学分野と同じように認められたそうです。
米国での専門医制度の正式名称は、Physical medicine and Rehabilitation(PM&R)で、
リハビリテーション専門医は、Physiatrtstと呼ばれました。
専門医制度はこの領域の対象となる運動機能障害をもつ患者のほとんどが自宅、職場地域社会への復帰、すなわちリハビリを必要とする人達でした。そのため物理医学専門医制度にリハビリの分野が加わり、1949年PM&R(物理医学とリハビリ専門医)となったそうです。
このとき活躍したのが、リハビリテーション医学の父とも言える、ハワード・A・ラスク教授でした。
1950年にニューヨーク大学メディカルセンターに物理医学とリハビリテーション研究所を設立しました。
その頃、ラスク教授が執筆した「リハビリテーション医学(Rehabilitation Medicine )」
が現在の医学的リハビリテーションの原点と言っても過言ではありません。
リハビリテーション医学の序文でラスク教授は「脊髄損傷の車椅子患者の上肢は健常者に比べてはるかに強い」と力強く語っています。
本文ではリハビリテーションチームの在り方を初めて記述し、リハビリテーションDR、PT、OT、看護師、メディカル・ソーシャルワーカーの役割とその方法を明記しています。

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icf.jpg


その当時から、障害の見方は確立されていましたが、
1980年にWHOが国際障害分類(ICIDH)を採択しました。
疾病から機能障害が発生し、能力障害、社会的不利が起こると、
各患者さんの障害像を明確にして、評価、治療を行うという方法がリハDRとPT、OTでは主流の方法でした。1980年代のPT、OTは実習先でも、ICIDHの方法で評価して障害像を捉えるように指導されました。
先進国で本格的に高齢化が問題になり始めた2001年WHOはICIDHの改定版として、
国際生活機能分類(ICF)を採択しました。
日本では介護保険導入と時期を同じくしています。


2 ICFについて文部科学省ホームページより

○正式名称はInternational Classification of Functioning, disability and Health。日本語では「国際生活機能分類」と訳されている。人間の生活機能と障害に関する状況を記述することを目的とした分類であり、健康状態、心身機能、身体構造、活動と参加、環境因子、個人因子から構成される。心身機能、身体構造、活動と参加、環境因子には合計1,424の分類項目が示され、一方、健康状態、個人因子には提示された項目はない。下記にICFの概念図と各用語の定義を記した。


各要素の定義

心身機能: 身体系の生理的機能(心理的機能を含む)
身体構造: 器官、肢体とその構成部分などの、身体の解剖学的部分
活動  : 課題や行為の個人による遂行
参加  : 生活・人生場面への関わり
環境因子: 人々が生活し,人生を送っている物的・社会的・態度的環境
個人因子: 個人の人生や生活の特別な背景
○ICFは、2001年にWHOで採択され、2002年に日本語公定訳が発行された。前身は、1976年「国際障害分類試案」,1980年「国際障害分類(略称ICIDH)」である。
○ICFはWHOの国際分類ファミリー(Family of International Classifications、FIC)の一部として位置付く。WHO-FICには、ICFの他、「国際疾病分類(略称ICD-10)」、「医療行為の分類(略称ICHI)」等が含まれる。ICFの担当部局は、WHOも日本の厚生労働省(大臣官房 統計情報部 人口動態・保険統計課 疾病傷害死因分類調査室)も、ICFだけでなく、FICの全体を所管している。
○「障害者基本計画(平成14年12月)」の中に、「3 障害の特性を踏まえた施策の展開」として、「WHO(世界保健機関)で採択されたICF(国際生活機能分類)については、障害の理解や適切な施策推進の観点からその活用方策を検討する」との記載がある。
​ICIDHの図
としています。
医療から介護まで、この方法で患者さんの障害像を明確にすることで、大学病院から、介護保険のグループホームまで、同一の患者さんの障害像を共有できることが最大のメリットと言えます。障害像をコード化して、そのコードを見れば、大学病院のリハビリDRからグループホームのヘルパーさんまで現在の同一の障害像がわかるということです。
WHOが採択しているので、世界に通用するということです。
また、疾患に捉われず、脊髄損傷の新鮮例から慢性期の高齢障害者全ての疾患に使え、脊髄損傷の新鮮例から慢性期の高齢障害者に幅広く使えることも特徴の一つです。
また、家族ともそれを共有できるように作成されています。

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2020年04月12日

介護施設で働くPT,OT

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介護施設で働くPT,OTは非常に苦労していると思います。
私も特別養護老人ホームで1年働いていました。
今のPTOT養成校の授業の内容もかなり変わってきているでしょう。
私がPT養成校時代は解剖学、生理学、病理学、整形外科学、
内科学、外科学、神経病理学、薬理学など長崎大学医学部の教授や講師が
基礎医学の基礎を教えてくれました。
1年生から2年生まではほとんど基礎医学の勉強でした。
3年生はほとんど臨床実習と国家試験勉強でした。
これからのPTOTは介護現場で働かなくてはならない
PTOTが増加すると思われます。
介護施設では、医師が1週間に1度しか来なかったり、
訓練室が与えてもらえずにベットサイドを回らなくては
ならなかったりします。
老人ホームなどの
慢性疾患を持った高齢者のリハビリは非常に難しくなります。
医師は「治っている」と言っても、陳旧性の脳血管障害を持っていたり、
癌を患っていたり、その他の合併症を持っていながら、
高齢のため手術のようなリスクのある積極的治療ができないことも多いです。
このように治すことができない慢性疾患を抱えているので
過用症候群を起こしやすくなります。
リハビリをすることで、余計高齢者の全身状態を悪化させることになります。
細かい慢性疾患をカルテをみても書いていないことが多いので
十分な高齢者の情報がないままリスクのある運動を行ってしまうことも
あります。
かなり臨床経験を積まないと、慢性疾患を抱える
高齢者のリハビリは難しいと言えます。
医師でさえ治せない患者さんのリハビリを任せられるのですから。
老人ホームのような介護施設は一人PTを雇うだけで精一杯
というところが多いです。
今のPTOT養成校は介護施設で働いても大丈夫なように教育
していると思いますが、
他の看護師さんや介護福祉士さんと話があわないこともあるでしょう。
実際におむつ交換やターミナルケアの入所者さんの命を守ることで
介護スタッフは精一杯なので、第三の医学、リハビリテーションなど
考えることができないからです。
介護現場で働くPTOTさんは大変な思いをされていると思いますが、
仕事に対する心構えで目の前の高齢利用者さんをリハビリで良くできる
ように頑張っていってほしいと思います。

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