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2009年01月11日
『セイバーズの危機!? 消えた司令官・霊子!』  part1
某スレで、新しいセイバーエンジェルのSSを、書いてくださった方がいました。
作者様の名前は、霊狐の親という方です。
この方は、画像も合わせてUPしてくださいました。
もちろん許可をいただいたので、それではどうぞ!


いなづ様も、今週もSSを書いてくださいました。
本当にありがとうございます!!
近日中にUPしますので、こうご期待!



注意! この文章には官能的表現が含まれております。
(ご覧になる方は、自己判断でお願いします。)



セイバーズの危機!? 消えた司令官・霊子!』

霊狐の親様作



セイバーズの基地内部、司令室。その中に置かれた机に向かい、一人の女性が座っている。



彼女こそ、対ダーククロス特別組織『セイバーズ』の司令官、「司 霊子」(つかさ・れいこ)である。
流石にセイバーズのメンバーよりは年上とはいえ、いまだに若々しい肢体と、整った凛々しい顔だちから組織内でも密かにファンも多い彼女であるが、今はやや灰色がかった長い髪にベレー帽、そして黒いスーツの制服に包まれた体からどこか鬼気迫るオーラが放たれていた。
彼女の机上に置かれたディスプレイには、セイバーズ各員の個人データ、そしてこれまでのセイバーズの戦闘記録、今現在判明しているダーククロスの情報などが表示されていた。
次々表示される文字列や数値を素早く確認し、手元に置かれたキーボードの上では両手の指がキーを軽やかなタッチで叩いていく。
室内には彼女以外の人間は居らず、ただキーが叩かれるカタカタという音だけが響いていた。
先ほどからわき目も振らず、一心不乱に画面を睨む霊子の表情は厳しい。
現時点では彼女たちセイバーズはダーククロスの襲撃に対して出動というのが取れる行動のせいぜいであり、ほぼ、彼らの侵略に対し後手に回っている状況だった。
かつての彼女の故郷、それがダーククロスに奪われた時の光景が霊子の脳裏に浮かぶ。
霊子はこの世界の人間ではなかった。彼女の生まれた世界は、ある日突如現れたダーククロスによって侵略され、彼女の家族や知人、友人をはじめ、ありとあらゆるものが淫怪人や淫魔に
されてしまったのである。
防衛軍の指揮官でもあり、また研究者でもあった彼女はその世界が完全に支配される寸前に、仲間達より「対ダーククロス兵器」という希望と共にこの世界に逃がされたのだった。
「……いまは表面上ではあまり目立っていないとはいえ、確実にダーククロスは勢力を増している。くっ……二度と、あんなことを繰り返させるものか!」
霊子の口から悔しさと怒りをにじませた言葉が漏れる。握り締めた拳を見つめ、彼女は決意を新たにした。

不意に、パシュッというドアが開く音が室内に響き、霊子は顔を上げた。



視線を部屋の入り口に向けると、オペレーターの安倍 麗(あべ・うらら)が白い湯気を立てるティーカップを両手に、こちらに歩いてくるのが見えた。
「司令、まだ残っていらっしゃったのですか?
あまり無理をしすぎると体を壊してしまいますよ? すこし、休憩なされたらいかがです?」
霊子の側までやってきた麗はそういってにっこりと微笑むと、彼女のパソコンの隣にカップを置いた。その中には紅茶らしい飲み物が入っており、麗が持つカップと同じく安らぐ香りを室内に
漂わせている。
「そうだな、少し根をつめすぎたかもしれない。今日はここまでにしようか。
ああ、折角だから紅茶もいただくよ。ありがとう」
パソコンの電源を落とし、体をほぐすように伸びをすると、霊子は置かれたカップを手に取った。
手のひらに伝わるカップの温かさ、湯気と共に漂う香りを楽しむと、そっと口をつけ液体を少しずつ流し込む。
口の中に広がった甘い味を堪能した彼女は、カップを机の上にそっと置くと自分を心配そうに見つめる傍らの部下に、口調を任務や仕事の物から普段の物にかえ、感謝と謝罪の言葉をかけた。
「紅茶、おいしかったわ。ありがとう。
無理ばかりすると心配させてすまなかったわね。だけど、これだけは今やらないといけないの。
私、いや……私たちがダーククロスに勝利するために……!」
「司令……」
霊子の瞳に強い決意の色を見て取った麗が言葉を詰まらせる。そんな彼女に対し、霊子は空気を和らげようと、張り詰めた気をとくと、まだ紅茶の残るカップを見ながら麗に問いかけた。
「それにしても、この紅茶は初めての味だったわ。今まで飲んだことは無いように思うけど、一番おいしかったかもしれないわね。麗、これはなんていう種類なの?」
もし手軽な値段の葉っぱなら、自分用に買っておくのもいいかもしれない。そんなことを思っていた彼女の耳に、一瞬理解できない言葉が飛び込んできた。
「ふふふ……オイシイでしょう? 淫妖花・鈴様の葉で作り、その蜜をたっぷり入れた特製の淫紅茶の味は。よかった、司令のお口に合って。もっともっとありますから、たっぷり飲んでいいんですよ。そして、私たちダーククロスの仲間になりましょう?」

「な、何ですって? 一体何を言っているの!?」
聞こえた不穏な言葉にぎょっとして思わず麗の方に振り向くと、彼女は光の消えた瞳をこちらに向け、普段なら絶対にしないような蕩けた笑みを浮かべていた。その頬は真っ赤に染まり、発情しきっているのが一目で分かった。
麗が発した「ダーククロス」という言葉が再び霊子の脳内で鳴り響く。最悪のシナリオが彼女の脳裏に浮かび上がった。
まさか、既に基地内部にまでやつらの手が伸びていたとは。
反射的に机の引き出しにしまってある拳銃を取り出そうとするも、突如霊子は体の自由を失い、そのまま机の上に倒れこんだ。キーボードが頬に辺り、がしゃんと言う音が響いたが、彼女にそれを気にする余裕は無かった。
「そんなに心配しなくてもいいんですよ司令。何も、酷い事しようなんて思ってないんですから。むしろ逆。司令にもとっても気持ちよくなってもらうんですよ……」
こちらを見つめ微笑む麗の顔が急速にぼやけていく。その声も、だんだんはっきり聞き取れなくなっていた。意識が遠のいているのだと彼女が理解した直後、その視界は闇に閉ざされた。
「く……すま、ない……みん……な……」
その言葉を最後に、司令官、司霊子の意識は途切れた。

――――――――――――――

2009年01月11日
『セイバーズの危機!? 消えた司令官・霊子!』  part2
「う……うう……」
「あら、お目覚め?」
自分の口から漏れたうめき声に対する声が耳に届く。その何者かの声を理解した霊子の意識は一気に覚醒した。目を開け、まだ混乱する思考を静めようと頭を振る。ようやく落ち着いた彼女が周囲を見回すと、自分は先ほどまでいた司令室とは全く異なる見知らぬ部屋にいることに気付いた。部屋の中は暗く、どれぐらいの広さがあるのかを見て取ることは出来ない。
体を動かそうとするも、ガチャンと言う音が響き、手足に金属のひやりとした感触が伝わる。
戸惑いながら首を動かして視線をめぐらした霊子は、自分の四肢、そして体が床に立てられた手術台のようなものに拘束されていることを理解した。それだけではなく、着ていたスーツはおろか下着までが剥ぎ取られ、一糸纏わぬ姿をさらしていることも。



「……!」
悲鳴こそ上げなかったものの、思わず体を隠そうと手足を動かそうとするも、拘束は無情にも彼女の四肢を戒める。霊子に出来ることは、ただ目を瞑り顔を赤らめることだけだった。
「くすくす……セイバーズの司令官様は相変わらず初心なのね。そんなに恥ずかしがらなくてもいいのよ?
それに、裸くらいでそんな調子じゃあ、この後にすることなんて、恥ずかしくて死んじゃうかもしれないわよ?」
そんな彼女の様子がおかしくてたまらないと言ったような声が、どこからとも無く霊子にかけられる。
それが先ほど聞こえた声と同じだと言うことに気付いた霊子は、そこで改めてこの部屋に彼女以外の何者かがいるということを認識した。
再び目を開け、声の主を探す。その人物は部屋の隅の暗がりから、拘束された霊子の目の前にゆっくりと姿を現した。その顔が霊子の目に映った瞬間、彼女ははっと息を呑んだ。
「貴女は……秋、子……」



そう、霊子の眼前に立つ人物はかつて彼女がいた世界での親友、秋子であった。
しかし、その姿は彼女の記憶にある、かつての優しく温和な彼女からは全く異なってしまっていた。
殆ど全裸の体には、所々首輪や腕輪、ベルトくらいしかつけていない。かわりに手の爪は鋭く、頭からは毛で覆われた耳を生やし、尻尾が背後で揺れる、まるで獣のような姿をしていた。
顔付きにはまだ少しかつての彼女の面影を残しているものの、淫らに光る目はこちらに絡みつくような視線を送っている。
最早彼女は霊子の知る秋子ではなかった。その姿はまさにダーククロスの淫怪人、淫獣人・秋子というものになっていたのだった。
「ふふ……お久しぶりね。あなたの活躍はこちらにも届いていたわ」
秋子は口元を緩めると、親しげに声をかけてきた。だが、そんな彼女に対し霊子は敵を睨みつける鋭い視線を送る。その視線に、秋子はわざとらしく悲しげな表情を作った。
「あら、折角の再会なのにそんな目で見るなんてひどいじゃない。私、あなたとこうして会えることをずっと待ち望んでいたと言うのに。
そう、ずっと……一緒にダーククロスのために働ける日が来ることをね」
「黙れッ! お前はもう私の親友だった秋子じゃない! 私の知る秋子は、あの時に死んだんだ!
今のお前などと例え死んでも一緒に戦うものか!!」
「ひどいこというのね、霊子。まあいいわ。どうせすぐにわかるものね。ダークサタン様の偉大さ、
ダーククロスの素晴らしさが」
霊子の言葉にも特に気を悪くした様子は無く、秋子は霊子を見つめたままゆっくりと拘束された彼女に歩み寄っていく。秋子が一歩一歩近づくたびに、霊子は次第に自分の体がじんわりと熱を持ち始めたことに気付いた。同時に、霊子の思考は靄がかかったようにぼんやりとし始め、目つきもとろんとしていく。
(なん、だ……からだ、が、あつい……。あたま、が……ぼやけ、て……)
その彼女の変化を見て取った秋子は、くすくすと笑いながら説明をしだした。
「あら、ようやく効いてきたかしら? うふふ……わからない?
貴女が飲んだ淫紅茶の効果に、さっきからずっと私が発している淫気。それが貴女の体に回ってきたのよ。並の人間なら、もうとっくに発情した雌犬になっていてもおかしくないくらいね。
それでもまだ、ちょっとだけ理性は残ってるみたいね? 流石はセイバーズ司令官、と褒めてあげましょうか」
語られる言葉も霊子には殆ど理解できない。すでに彼女の頬は真っ赤に染まり、体はじんわりと汗ばみ、秘所はじっとりと濡れていた。口の端からはよだれをたらし、はあはあと荒い息を吐いている。
「うふふ……霊子、もうすっかり出来上がっちゃったみたいね。本当はもっとじっくり貴女と楽しみたいんだけど、予定もあることだしすぐに「しちゃう」わね」
そんな彼女の様子を見て、秋子は満足そうに頷くと、傍らからあるものを手に取った。
それはパンツのような布きれに、男性器を模した紫色のディルドーがついたペニスバンドであった。
秋子はそのぺ二スバンドを自ら穿くと、ゆっくりと霊子に抱きついた。淫気に侵された霊子はそんな秋子を見ても特に抵抗する様子も無く、むしろ自分から秋子に体を擦り付けていく。
「ふふ……焦らなくてもいいわよ、霊子。すぐ、あげるから。
それじゃあ、じっとしててね? いくわよ……」
そう秋子が言うと同時に、ずぶぶぶという音を立ててディルドーが霊子に挿入されていく。
「ひゃああああん!!」
貫かれた秘所からは処女の証である血が流れ出したが、発情しきった霊子には快感しか感じられず、その口からは甲高い嬌声が響いた。
「あぁン! すごい、貴女の中……キツくて気持ちいいわ……」
特製ディルドーはまるで本物の男性器のように快感を秋子にも送っていた。秋子はうっとりした表情でつぶやくと、霊子に口付けし腰を激しく振り始める。
「あぁ……はぁン! やぁ……!」
体を駆け巡る刺激に翻弄され、悲鳴を上げる霊子。彼女と同様に蕩けた表情の秋子は、さらに霊子を責め立てる。
「あぁ……いい……! あはぁ、れいこぉ……いくわよぉ!」
その言葉と共に、秋子のペニスバンドからびゅくびゅくと魔因子を含んだ液体が霊子に注ぎ込まれる。
「あ、あっ、あっああああああーっ!」
熱いほとばしりを受け、霊子はひときわ大きな声を上げると、がっくりとうなだれた。
その様子を横目で見ると、秋子も大きく息をつく。抱いていた霊子の体を離し、ディルドーを引き抜くと、霊子のあそこからどろりと白濁した液体が流れ落ちた。
「うふふ……すごくよかったわ……。貴女もよかったでしょ?
でも、こんなものはまだ序の口。霊子、貴女も淫怪人になればもっと気持ちよく慣れるわ……ふふ、貴女はどんな姿に変わるのかしらね? 楽しみね……」
自分の体を抱きしめ、うっとりとした表情の秋子の言葉が霊子の耳に届く。その中身を理解した瞬間、霊子の意識は急速にはっきりとしていった。
「……なんですって? 私が、淫怪人になる?」
呆然と呟く彼女に、傍らの淫怪人がにやりと笑みを作る。
「あらあら、まさかさっきのがただのディルドーで、ただのセックスだったとでも思っていたのかしら? あれはダークサタン様にいただいた魔因子と魔精を含んだ魔因子ディルドー。その魔液をたっぷり注がれた貴女がどうなるかは……セイバーズ司令官様なら、お分かりよね?
うふふ……ほら、言っているそばから始まったみたいよ?」
言われて霊子が自分の体を見ると、健康的な色の肌が次第に不自然なほど白く染まりだしていた。
同時に、先ほどとは違った熱が下腹部を中心に生まれていることにも気付く。
それはすぐに全身に広がり、あっという間に彼女の体は雪のように美しい純白に染め上げられた。
白く染まった体は、すぐに変身の快感から桜色に色づく。
「な……ッ! ああっ! やぁん!!」
変化に悲鳴を上げるともに、手足の爪が黒く染まり伸びだすと、手足から手首、足首の辺りまで白い獣の毛が生えだし、覆う。手のひらや足の裏にはぷにぷにとした肉球が作られ、一瞬のちに手足は獣のものと化した。
さらに頭髪が銀色に変化し、霊子は頭からぐにぐにと何かが生えるような感触を覚える。
「あぁあああっ!」
変化がもたらす快感に嬌声を上げた瞬間、手足の体毛と同じく純白の毛に包まれた耳がぴょこんと頭から飛び出した。
「はぁ……や、やぁ……お、おしりがぁ……」
変化はそれだけにとどまらず、彼女の背後、腰の辺りがむずむずすると、ふさふさの尻尾がのび始める。
「あ、ぁあ、ああ……い、いやあああああああぁぁぁ!!」



完全に体が淫怪人のものに変えられる嫌悪感と、変化していく体がもたらす快感がないまぜになった叫びを上げると、霊子はがくりとうなだれた。
その姿はまるで、人間の女と白狐を合成したような異形と化していた。そう、それはまさに今まで霊子たちが戦ってきた淫怪人そのものであった。
「うふふ……変身がずいぶんよかったみたいね? とっても美しく淫らな狐になったわよ、霊子?
いえ、今のあなたには『霊狐』と言った方がぴったりかしらね。
その体、素敵でしょ? これからはもっと、もっと気持ちよくなれるわ……。
さあ、最後の仕上げよ。ダークサタン様の偉大さをしっかりと刻み込んであげるわね」
そういうと、秋子は霊子が拘束されている台の横のボタンを押す。
入力に反応して、天井から半球状のドームのような機械が下りてくると、霊狐の頭をすっぽりと覆った。
これが淫機械軍が開発した洗脳装置である。今は一台で一人の洗脳しかできないが、将来的には大人数を一気に洗脳できるように改良するらしい。
秋子はコスモスから、この機械を借り受け、霊子の洗脳に使おうとしたのだった。
ドームの内部では様々な映像、光や音、さらには機械から発せられる淫気によって、淫怪人となった霊狐にダーククロスの素晴らしさ、理想、その一員としての思想・思考が刷り込まれていく。
その様子を秋子が満足げに見つめていた、その瞬間。

どん、という衝撃が部屋を揺らした。

「な、何!? 何が起こったというの!?」
思わず身構える秋子。すぐに、部屋のドアが開いて部下の淫獣人が入ってきた。
「ご無事ですか秋子様!? どうも動力制御室でのトラブルのようです!
未確認ですが、何者かが侵入したのではないかという報告もあります!
念のため、各軍団長は至急部隊を警備に当たらせろとの命がでております!」



きびきびと事態を説明すると、黒い猫型淫獣人の少女、唯子は秋子を見つめ、指示を待った。
「あらあら、いいところだったのに。仕方ないわね、霊狐、続きは後でね?
唯子、行くわよ。皆にも警戒レベルBで各自の持ち場につくように通達。
私は他の軍団長の所に行くわ」
「了解しました。そのように皆に伝えます」
当の秋子は楽しみを邪魔されて不機嫌そうに眉をひそめたものの、流石に上からの命令を無視するわけにも行かず、最後にいまだ拘束される霊狐を一瞥すると、唯子と共に部屋を後にした。

――――――――――――――

2009年01月11日
『セイバーズの危機!? 消えた司令官・霊子!』  part3
「う、ぐっ……」
秋子達が出て行った後、部屋にひとり残された霊狐は洗脳装置に必死に抗っていた。
(く……まける、ものか……! 例え体は淫怪人にされたとしても! 
私の心まで、好きにはさせない……!)
強靭な意志で機械から送り込まれる思想や情報、淫気をはね除けていく霊狐。だが、そのたびにひどい頭痛が彼女を襲う。霊狐の抵抗を排除しようと機械が圧力をかけ、さらに機械が発する淫気がそれを拒絶する彼女を責めているのだった。
いくら彼女が強靭な精神力をもっていようと、絶え間なく送り込まれる情報や淫気にはいずれ屈してしまう。実際、霊狐の抵抗が次第に弱まり、ついにその精神の防壁が破られようとしていたその時。
ギュウウウウン、という音が響いたかと思うと、洗脳装置をはじめ、部屋の電気が切れた。
どうやら、基地の電源が落ちたらしい。よくは分からないが、先ほど言っていたシステムのトラブルに関係しているのだろう。非常電源は生きているのか、小さな非常灯はあちこちに灯っているものの洗脳装置や手術台などの電気が切れ、システムはダウンしたらしく、彼女の拘束が緩んだ。
その隙を逃さず、霊狐は台から身を引き剥がす。淫怪人に改造されたおかげか、手足に力を入れると緩んだ拘束具はいともたやすく外れた。
「よし! ……とも言えないか。こんな体にされてしまってはね……」
部屋の壁についていた姿見に霊狐は自分の体を映すと、溜息を一つついた。
銀色の髪に純白の肌。白い毛に覆われた手足、獣の耳。そして狐のふさふさの尻尾。
ただ、瞳の色だけは秋子達のように人外のものではなく、まだ人間の時のままであった。
もしかしたら完全な淫怪人にされていない証、あるいは洗脳されきっていない証なのかもしれない。
「おっと、悔やむよりまず行動、ね。なんとか洗脳はされなかったものの、このままぐずぐずしていたら秋子たちが戻ってくるかもしれないし。幸いまだこの基地の混乱は収まっていないようだし、とにかく脱出しましょう」
霊狐は頷くと、考えを中断させる。使えるものが無いか部屋を探すと、隅に置かれていた箱から、おそらく自分のために用意されていたのであろうコスチュームを取り出し手早く身につけ、誰かに見つからないようそっと部屋を後にした。

ちなみに、その衣装があまりにもきわどかったのでずっと赤面していたのは内緒である。

――――――――――――――

その後、混乱に乗じて何とか上手く警備をかいくぐった霊狐は、地上侵攻用のテレポーターを使い、基地を脱出することに成功した。

あまり淫怪人の能力を使いたくは無かったが、狐娘の格好のままうろうろするわけにも行かず、霊狐は人間に化けると、とりあえず状況を整理し、必要な物資などを得るため自宅に戻ることにした。
彼女はほとんど基地ですごし、基地に寝泊りしているようなものであったが、非常時のために隠れ家となるような場所を郊外に持っていた。森の奥にひっそりとたたずむ小さな山小屋。最悪の事態を考え、その場所は誰にも――セイバーズのメンバーにさえも――明かしていない。
「まさか、その最悪の事態になるとは……」
基地に戻ることも考えたが、例え人間に偽装していても、中枢の厳重な警備システムにばれるであろうし、そうなればあの淫怪人の姿では偽者が化けていたと言われるのが関の山だろう。
そういえば、どうして自分はさらわれたのだろうか? 基地の中にいたはずだったのだが……記憶を思い返そうとするものの、どうしても肝心なところに差し掛かるとそれがぼやけてしまう。

実はそれはオペレーター・麗が既に敵の手に落ちていることを悟られないよう、ダーククロスの基地につれてこられた時点で紫によってその不都合な部分の記憶を消されているためだったのだが、霊狐にはそんなことは知る由もなかった。

とにかく、今はこれからどうするかだ。理想としては何とかセイバーズと連絡を取りたい所だが、基地に戻れない以上、単独行動を取るしかあるまい。そのうちに機会を見つけて誰かと密かに接触するのがいいだろう。
ふと、部屋の隅に置かれたコンテナが目に止まる。霊狐は無言でコンテナに近づくと、そのふたを持ち上げた。
その中には、セイバーズのメンバーが戦闘時に纏うスーツと同じものがクッションに包まれて収められていた。
しかし、白を基調としたセイバーズのスーツとは異なり、その衣装は黒字に紫色の紋様の入ったものであった。
「……そうか、これはここにあったのね。すっかり忘れていたわ」
感慨深げな声が、霊狐の口から漏れる。
それこそ、彼女が元の世界で研究し、この世界で完成させたセイバースーツのプロトタイプ。
出力・防御力は完成品すら上回るものの、そのパワーの反動に生身では耐えられず封印されたものであった。
だが、淫怪人となり、人間以上の強力な体になった今の自分なら、これを使いこなすことも出来るはずだ。そんな考えが浮かび、霊狐はスーツを手にとる。
すぐに地下の簡易研究室でスーツを最終調整し、変身用にクリスタルに封じる。
霊狐は完成したクリスタルを手に取り、じっと目を瞑った。
やがて、かっと目を見開くと、力強く言葉を発する。
「変身!! セイバーフォックス!!」
そのキーワードに反応し、クリスタルが輝く。光は霊狐の体全体を包み、一瞬でその各部にセイバースーツが装着された。
体に纏う黒いボディスーツやオーバーニーのような各部には紫色のラインが複雑な紋様を描き、頭部には淫怪人の素顔を隠すかのように半透明の黒いバイザーとインカムが装着される。
何故か大きな金の鈴のついた首輪も装着されたが、それはご愛嬌。
雪のように白い素肌や手足、耳と尻尾の色の対比が、漆黒のスーツに美しく映えていた。



「よし、システム・オールグリーン。この体なら、プロトセイバースーツにも耐えられる!」
体を動かし、自分が負荷に十分に耐えられることを確認する。
この姿を利用してしばらくは正体を隠したまま、セイバーズを影ながら助けていくことことにしよう。
「ダーククロス……私をこんな目に合わせたことの借りは、必ず返させてもらう!
私の正義の心は、セイバーズは決してお前たちには負けはしない!!」
拳を固め、霊狐……いや、セイバーフォックスは強く決意するのであった。

――――――――――――――


2009年01月11日
『セイバーズの危機!? 消えた司令官・霊子!』  part4
「も、申し訳ありません! 何卒、何卒お許しを!」
ダーククロスの拠点、何処とも知れぬ異空間に存在する魔城。
その内部、ダーククロスの首領、ダークサタンとの謁見の間で、淫獣軍団長・秋子はひたすら頭を地にこすりつけ、ダークサタンの許しを請うていた。
ダーククロスにとって、地球淫略の最大の障害が『セイバーズ』である。これまで何度も苦汁を舐めさせられていたその組織に対し、先ごろ本格的に対抗作戦が始められたのであったが、その攻略作戦
のキーポイントである「セイバーズ司令官・司霊子の誘拐・洗脳作戦」が、思わぬ不注意から当の霊子の脱出を許してしまうという失態を晒してしまったのである。
しかも、その後の秋子たち淫獣軍の必死の捜索も空しく、霊子の行方はようとして知れなかった。
あまつさえ、最近では「セイバーフォックス」と名乗る謎の戦士が現れ、ダーククロスの侵略作戦の邪魔をたびたび行うようになっていた。その力は淫怪人はおろか、セイバーやコスモスといった幹部クラスの者達にも勝るとも劣らないものであり、ダーククロスの淫略作戦は遅々として進まない事態に陥っていた。

そもそも、この「セイバーズ司令官、司霊子の誘拐・洗脳作戦」については、秋子の淫獣人軍をはじめ、淫機械軍、淫妖花軍、さらには紫の親衛軍までもが共同で行う大規模な作戦であった。中でも秋子は――霊子がかつての己の親友であったことから――ダークサタンに直々に請願し、「霊子の淫怪人への改造」と「洗脳」という重要な役割を任されていたのだった。
それだけに――彼女だけの責任ではないとはいえ――霊子を逃してしまったことの責任は重く、何とか事態が明るみに出る前に霊子を彼女は捕獲しようとしたのだが、ついにその失態はダークサタンの知るところとなり……こうして呼び出された彼女はただひたすら首領の前で土下座をしていたのだった。

謝罪と許しを請う言葉を繰り返す秋子に対し、その眼前のダークサタンは先ほどから沈黙を通している。それが何よりも秋子には恐ろしく、震えながら再び土下座を繰り返すのであった。
秋子には永劫に続くかと思われた重苦しい時間。だが不意に、広大な謁見の間にダークサタンの重い声が響いた。
『……もうよい。秋子、面を上げろ』
その声にびくりと震えた秋子が顔を上げると、ダークサタンはこちらにじっと視線をとめていた。
重苦しく立ち込める空気に耐え切れず、秋子が再び頭を下げようとした刹那、再びダークサタンが口を開く。
『秋子、余は面を上げろといっている。……本来ならこの失態、どのような罰をもってしても不足する所ではあるが……今回は特別に不問とする』
「は……不問、とは……? ダークサタン様、一体……」
正直な所、重罰すら覚悟していた秋子にとって、首領が下した決定は理解できないものであった。
いくらなんでも、重要作戦での大失態をお咎め無しとは考えられない。そのため、半ば反射的に疑問の言葉が口をついて出てきてしまった。
ダークサタンは、そんな秋子をぎろりと睨む。
『何だ? 余の決定が不服か?』
「い、いえ! そんな、滅相もありません!!
この身にあまる慈悲深く寛大な処置、ありがとうございます!』
再び頭を下げる秋子を一瞥すると、ダークサタンはこの件については終わりとでも言うかのように秋子に声をかけた。
『うむ。だが心しておけ、秋子。余が許すのは今回限りだ。……次は無いぞ?
分かったなら行け。そして、次こそは必ず奴等セイバーズどもを倒し、淫怪人へと堕としてみせよ!』
「イ、イーッ・ハイル・ダーククロス!!」
その声に震えながら敬礼を取ると、秋子は謁見の間を後にした。



「うふふ、お優しいことですわね、ダークサタン様?」



秋子が去った後の謁見の間。ダークサタン以外誰もいないはずの空間に、女の声がどこからとも無く響く。だが、ダークサタンはそれに特に驚くことも無く、虚空に向かって声を返した。
「……紫か。よく言う。余に秋子を許せと言ったのはお前ではないか。
もっとも、お前の部下が持ってきた情報が無かったなら、いくらお前の申し出でも聞きはしなかったがな」
ダークサタンはそういいながらも、別に不機嫌な様子は無かった。むしろ、既に別のことに興味が移っているようにも見える。その間に、いつの間にか虚空から現れた紫はダークサタンにぴったりと寄り添い、視線の先、虚空に映し出された映像を首領と共に見つめていた。
「うふ、なかなかのものでしょう? 射命丸の偵察は。この映像を見たら、セイバーズの子たちだけでなく、軍団長の皆さんもびっくりするでしょうね。何せ謎の戦士の正体が、彼女だったんですもの」
そういって心底楽しそうに笑う紫の手には、部下の射命丸が先ほど送ってきた数枚の写真があった。
そこには、これまで何度も作戦の邪魔をし、しかしその正体を掴むことのできなかった謎の戦士・セイバーフォックスの正体が映っていた。写真にはダーククロス二改造され、淫獣人と化した霊狐がセイバースーツの変身をとく瞬間がはっきりと納められている。
『ふん……ヤツもつまらん小細工をしたものだ。もっとも、正体がばれてしまった今となってはもうそんなこともムダだがな』
そう言うダークサタンの声は、どこか獲物をいたぶるような嗜虐的な喜びがにじんでいた。
「楽しそうですわね? ダークサタン様」
彼にしなだれかかり、腕を絡ませる紫の髪を梳きながら、ダークサタンは頷く。
『ふふ……余に楯突く狐をどのように弄んでやろうかと考えるとな。
紫、お前も我らに刃向かう愚かなヤツらに最高に残酷で、救いなど欠片も無く、そしてこれ以上ないほど淫らなショーを演じさせてやりたいと思わんか?』
「ええ、そうですわね。くだらない正義などにしがみつくのがどれほど愚かか、あの子たちには身をもって理解して貰わなくてはいけませんものね」
闇と淫気に包まれる部屋の中、彼らの笑い声だけがいつまでも響いていた。

――――――――――――――

「ぐ、くぅっ……。はぁっ、はぁっ、はぁっ……」
人気の無い路地裏の一角。雑草が生い茂るなかに隠れるようにして、一人の女がうずくまっている。
その呼吸は荒く、苦しげに背が丸められている。身に纏う黒を基調としたスーツに、銀髪と純白の肌、そして手足や耳、腰から伸びる白い尻尾が映える。
彼女こそ、「セイバーフォックス」と名乗りセイバーズを助け、ダーククロスと戦う戦士。淫怪人に改造されながらも、正義の心を持ち続けた元司令官、司霊子の現在の姿であった。



「危ない所だった……まさか、淫妖花軍団の長が自ら出撃してくるとは……。
何とか今日のところはやつらを引かせられたが、くっ……力を使いすぎたか……」
苦しげに言葉を搾り出す彼女の頬は真っ赤に上気し、額には珠の汗が浮かんでいる。
一目見て発情していると分かるその姿を隠すように、霊狐は壁に体を押し付けた。
「セイバークリスタル、そしてスーツが、淫怪人の淫力を完全に遮断する能力を……はぁっ、持っているといっても、流石に自分自身の体から、出る淫気までは全て消しきれない、か……」
普段の戦闘程度なら、スーツを装着してさえいれば自分の淫気も中和できるが、今回は敵が強力な幹部であり、セイバーズの危機を救うために淫怪人としての能力を全開にしてしまったため、スーツでも性欲が抑えきれなくなってしまったのだ。
既に霊狐の秘所はパンツ越しでも分かるほどぐっしょりと濡れており、気をしっかり持っていないと無意識に自慰をしてしまいかねない。だが、何もせずただ耐えることも難しいほど体が火照ってしまっているこの状況では、この波が引くまでに発狂してしまうかもしれない。
「ああ……ぁ……ほしいぃ、誰かぁ、誰かにぃ……私の……からだぁ、鎮めてぇ……ほしいのぉ……」
思わず口をついた言葉に、霊狐は愕然とする。性欲に流されるまま男を貪るなど、それこそまさに彼女の敵、ダーククロスの淫怪人と同じではないか。
(くっ……何を考えているんだ私は! だめだ、ここはこらえるんだ……し、しかし……)
絶え間なく続く疼きに、彼女の限界が近づく。
(もう、だめ、だ……。せ、せめて一回、一回だけ……。いや、だめだっ!)
いけないとは思いながらも、彼女の手がそれぞれ胸とあそこに伸ばされようとしたその時。
「あの、誰か、いるんですか?」
彼女の背後から、若い男の声が掛かる。不意のことで思わず霊狐の手は硬直し、一瞬体の火照りも頭から消え去った。
(見られた!?)
今の自分は声の主に背を向けているとはいえ、頭から生えた獣の耳や、豊かな毛並みの尻尾は隠していない。性欲を押さえ込むことに必死だったことと、まさかこんな所に人が来るとは思わなかったとはいえ、霊狐は自分のうかつさを呪った。
背後で青年が息を呑むのが分かった。淫怪人の存在はまだまだそれほど世の人々には知られていないとはいえ、この獣のような姿を見られては化け物扱いされても仕方ないだろう。
どこか悲しさと空しさを抱きながら、直後に青年が上げるであろう悲鳴に対して耳をふさごうとする彼女に掛けられたのは、霊狐が想像もしなかった言葉だった。
「あの……大丈夫、ですか? 具合が悪いのなら、その……何か、手を貸しましょうか?」
「え……」
思わず肩越しに振り返った霊狐の目に映ったのは、穏やかで優しげな顔に心から彼女を心配する瞳をもった、青年の姿であった。

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2009年01月11日
『セイバーズの危機!? 消えた司令官・霊子!』  part5
青年は霊狐の姿を見ても動じた様子は全く無く、むしろ苦しんでいる彼女の助けになれないかと心から思っているようであった。
その表情に霊狐はいくらか理性を取り戻したが、いまだに続く体の疼きは、むしろ目の前に「男」が現れたことで激しさを増していた。次第に口から漏れる吐息が熱くなり、呼吸も荒くなっていく。
そんな彼女を不安げに見つめていた青年は、意を決したように霊狐に一歩近寄る。
青年の行動の意図を理解した霊狐は、目をぎゅっと瞑ると叫んだ。
「だ、ダメっ! こないで! 私、貴方を襲ってしまう!!」
そう、今の彼女は自分の体の暴走を抑えるので精一杯、ぎりぎりのところで人間の理性と淫怪人の本能がせめぎあっている状態なのである。もし、彼にこれ以上何かされたら、いや、それどころか彼がこうしてここにい続けるだけで、自分は淫らな雌と化して彼を襲い、犯してしまうだろう。
それだけは、セイバーズとして戦う自分にとって、決して許されないことであった。
だが、そんな彼女の思惑に構わず、彼女のすぐ後ろに立った青年は、一呼吸の後、背中からぎゅっと彼女を抱きしめた。
「……!!」
スーツ越しにでもはっきりと分かる彼の体温に、霊狐は戸惑う。こんなに近づかれたら、もう自分は性欲を抑えきれない……彼を押し倒して、犯し尽くし快楽を貪ってしまう。そう思ったのだが。
「……え? 体の疼きが、消えて、いる……?」
はっとして目を開く。間違いなかった。抱かれている彼女の体から、先ほどまでの狂おしいほどの疼きと火照りがなくなっている。むしろ、彼に抱かれている所から何かが流れ込むような、不思議な心地よさすら感じる。
「……大丈夫ですよ。もう、苦しまなくてもいいんです」
耳元で囁かれる穏やかな声が、彼女の精神に安らぎをもたらす。その声を聞きながら、霊狐は自分の体の前に回された腕にそっと手を添えると、再びゆっくりと目を閉じていった。



「もう、具合はよくなったようですね」
そういって安堵の表情を浮かべる青年は、自らを「黒須 卓」(くろす・たく)と名乗った。
彼の言うとおり、だいぶ落ち着いた霊狐は今はセイバーフォックスでも淫怪人でもなく、かつて人間であったころの姿に変身している。
だが、その顔は彼女としてはどことなく落ち着きが無く、その瞳には戸惑いの色が見えた。
「ええと、黒須、さん?」
「呼び捨てでいいですよ」
にっこりと微笑む青年にまた戸惑うと、霊狐は意を決して疑問をぶつけた。
「あの、さっきのこと……私が動物みたいな……とにかく人とは違う姿をしているのを見たでしょう?
それなのに……。どうして、助けてくれたのですか?」
そう。落ち着いてから彼女の頭の中ではその疑問がずっと繰り返されていた。いくらなんでも怪人としか言いようの無い姿を見て驚くどころか、救いの手を差し伸べてくれる人間がいるとは思えなかったのだ。
だが、そんな彼女に対し、青年はこともなげに答えた。
「どうしてって……困っている人を助けるのは、当然でしょう? それとも、助けたら何かいけませんでしたか?」
小首をかしげる卓に、慌てて霊狐は首を振る。
「いえ! ごめんなさい、そんなつもりではありません。……助けてくださって、ありがとうございました。でも、本当に分からないのです。私の姿はその……怖かったり、不気味だったでしょう?
もしかしたら襲われる、などと考えなかったのですか?」
じっと見つめる彼女の視線に、青年は顔を引き締める。だが先ほどと同じように、戸惑うことも無く答えた。
「……最初はちょっと驚きましたけど、あなたが悪い人では無いことはすぐに分かりましたよ。
だから、何かあなたの苦しみを和らげてあげたかったんです。
でも、思えば急に抱きつくなんて失礼でしたね。すみませんでした」
そういって、ぺこりと頭を下げる。
そんな純粋な青年の様子に、霊狐は心のどこかにぽっと暖かい火が灯るように感じた。
「……いいえ、こちらこそ助けていただきながら、失礼なことを言ってしまいました。
もう一度お礼を言わせてください。本当に、助かりました」
その言葉に、青年はぱあっと顔を輝かせる。そのまっすぐな様子に、霊狐も釣られて微笑んだ。
「そういってもらえると、嬉しいです。……また何かあったら何時でも、何でも言ってくださいね。
それじゃあ僕はこれで。……霊狐さん、また会ってもらえますか?」
「……ええ、もちろん」
青年が踵を返し、立ち去る間際に掛けた言葉に、霊狐は半ば反射的にそう答えていた。
彼女の中の冷静な部分が、彼をこれ以上巻き込んではならないと警鐘を鳴らしていたが、霊狐の中の「女」としての部分が青年とまた会うことを強く望んでいた。
霊狐の承諾を受け、満面の笑みを浮かべた青年は大きく手を振りながら、その場を後にした。その姿が小さくなり、霊狐の視界から消えるまで、彼女は彼の後姿をずっと見つめ続けていた。

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それからも、セイバーフォックスはセイバーズとは別に一人、ダーククロスと戦い続けていた。
だが、彼女はもう孤独ではなかった。霊狐がセイバーフォックスとして戦い、その後に淫獣人としての性欲に苦しんだり、辛いことがあったときには不思議と必ず黒須と出会うことが出来た。
彼はいつも同じように彼女を癒し、慰め、そして再び戦う力を与えてくれた。
彼に触れるたび、抱きしめられるたび、火照りは鎮まり、奇妙な心地よさが霊狐の体を満たす。そしてその後には決まって、今まで以上の力が湧いてくるのだった。
青年は決して彼女の異形について詮索することは無かった。そして、彼は最初のあの時以外は、決して自分から霊狐と触れ合うことを求めようとはしなかった。それがかえって霊狐にとって安心感をもたらし、彼女はますます彼に惹かれていった。当初は彼を自分の戦いに巻き込むことに抵抗を感じていた霊狐であったが、彼の存在が様々な意味で自分を強くしていることを理解し、また自分自身、一人の女として青年に好意を持っていることを自覚すると、二人の距離は急速に近づいていった。
彼との会話以外の二人の触れ合いとしては、戦闘後のしばしば体の疼きが高まってしまった際に落ち着くためにそっと抱きしめてもらうことぐらいだったのが、次第にそれ以外の時でも彼女から彼に抱きつき、指を絡め、そしてキスをするまでの仲となった。
黒須もまた、そんな彼女に対し好意と愛情を示してくれた。何時だって彼は彼女が求めることを理解し、それを与えてくれた。しかし決して彼女を傷つけるようなことはしなかった。
最早完全に恋人同士となった彼らが、互いに求め合うことは自然なことであった。

「もう、行くんですか? ……もっとゆっくりしていても」
人間の姿に偽装した霊狐が、青年からその身を離す。正面から自分の顔を見つめる彼女に、心配そうな声が掛けられた。
「……ええ。何時までもこうしていられないし。……また、来るから」
頬をうっすらと染め、霊狐は名残惜しそうに呟くと、青年の部屋を後にした。



「……くく。大分「なじんで」きたようだな。……さて、仕上げが楽しみだ」
霊狐が去った後の部屋の中。一人佇む青年の顔に、どこか歪んだ笑みが浮かんだことに気付いたものは誰もいなかった。

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2009年01月11日
『セイバーズの危機!? 消えた司令官・霊子!』  part6
ある時、ダーククロス幹部との激戦で傷ついた霊狐は、かつてのようにその身を焦がす性欲に苦しんでいた。そして、ついに彼女は彼に、自らの疼きを鎮めるよう、頼んだのだった。

黒須の住んでいるアパートの一室。ベッドの上に横たわった霊狐は、全身の肌を紅に染め、荒い息を繰り返す。
「れ、霊狐さん! だ、大丈夫ですか!?」
「はぁっ……はぁ……、だい、じょうぶ。しんぱい、いらない、わ……」
「そんな、全然大丈夫そうに見えませんよ! すごい汗だし、顔、真っ赤じゃないですか!それに、この血! どこか怪我、してるんじゃないんですか!?」
「知ってる、でしょ……私の体の、こと……いつもの、ことよ……。傷もたいした……ことは、ないし。ちょっと休めば……すぐ、おさまる、わ……」
そう言って性欲を抑え込もうと体を丸め、目を閉じる霊狐。心配そうに黒須が寄り添うのを見てとると、霊狐は自ら彼の体を抱き寄せる。いつもならこれで落ち着くのだが、今回は傷の痛みが気持ちを落ち着ける邪魔をするのか疼きは消えず、むしろどんどんひどくなっていった。
「ぐっ、くぁっ……。はぁっ、はぁっ、はぁっ……ううっ、うああぁっ!」
抑えきれない熱が体の中で暴走し、彼女の口から悲鳴が漏れる。ぎゅっと彼を抱きしめてみても性欲は抑えきれず、彼女の口から苦しげなうめきが漏れた。
熱に浮かされる霊狐の頭に、この状況を打開する方法が浮かぶ。どうすればいいかは考えるまでも無く体がわかっている。だが、「それ」はしてはいけないと、自分の中で誰かが叫んでいた。
「霊狐さん!!」
しかし、脳内に響く自分の警告の声も、心配そうにこちらを覗き込む黒須の顔を目にした瞬間に消え去った。
自分の中で何かが限界を超えた。それを自覚した霊狐は潤んだ瞳で黒須を見つめると、ついに愛する恋人である彼に、自らの疼きを鎮めてくれるよう、懇願したのだった。
「ごめん、なさい、黒須……はぁ、はぁ……。もう、我慢、できそうに、無いの……。お願い、私を……くうっ! だ、だいて、ください……」
「れいこ、さん……分かりました。……それじゃあ、します、ね」
真っ赤に上気した顔で、上目遣いに見つめる彼女に黒須は真剣な表情で頷くと、衣服を脱ぎ捨てた。
青年の一物は既に太く勃ち上がっていた。それを目にした霊狐は起き上がると両足を開き、自ら下着をずり下げ、愛液でしとどに濡れた秘所を見せ付けるかのように彼の前に晒した。開かれた彼女のあそこは挿入を待ちきれないかのようにひくひくとうごめき、白い尻尾が男根を誘うようにゆらゆらと左右に揺れる。
「綺麗、ですよ……」
羞恥と興奮で桜色に染まる霊狐の頬、胸、お腹、太ももを順に優しく撫でると、青年はペニスを秘所にあてがった。それだけでピクリと体を快感に震わせる霊狐に、青年は気遣うような視線を向ける。その目に、霊狐は真剣な瞳を向け、口を開いた。
「こんな、形に、なってしまったけど……貴方以外の人と、こんなことは、しないわ……ううん……貴方とだからこそ、こう、したかったの……」
「……はい、僕も、です。それじゃあ……行きます、ね……」
見つめる瞳にいつものように彼は優しく微笑みを返す。
「ふぁあぁあん……!」



彼のペニスが秘所にゆっくりと侵入する。それだけで霊狐の体を先ほど以上の快感がかけぬけた。
彼が入ってきただけで、今まで感じたことのない快感が全身を貫く。
そして、彼が霊狐の最奥まで達するとしばらく動きを止め、やがて少しずつ肉棒が動き始めた。
最初は彼女を気遣うようにゆっくりと、やがて、興奮の波が高まるにつれ激しく。
「はあっ、はあっ、んんっ! あっ…! はあはあはあはあっ!!」
そしてそれは霊狐も同様であった。口から漏れる声にだんだん甘いものが混じり、やがてそれは嬌声となった。声は体中で燃える炎と同じく次第に大きくなっていく。理性は完全に消え去り、体は更なる快感を貪欲に求めていた。
「んああっ!? はうん! ああっ、あっ! あっ! やぁっ! 気持ち、いい!」
既にその顔は戦いの時のように凛々しいものではなく、発情しきった獣と化している。
だが、彼女は最早それを気にしてはいなかった。それどころかいつの間にか、彼女自ら腰をふり更なる快感を得ようとしている。そして彼女の体に快感がもたらされるたびに、だんだん目から光が失われていった。
霊狐を抱きしめる青年は、そんな彼女を横目でちらりと見ると、これまでに決してしたことの無い邪悪に歪んだ笑みを浮かべる。だが快感におぼれ始めた霊狐は、彼の変化に気付けない。
「くくっ! 素晴らしく淫らで綺麗だよ……霊狐。気持ちいいか? 待ち望んでいた男の味はたまらないだろう? だが、まだ、まだ足りまい? もっと、もっと気持ちよくなりたいだろう?」
耳を甘噛みしながら彼が囁く言葉に、熱に浮かされぼんやりと靄がかかった頭で霊狐は答える。
「はいっ、いい、いいですぅ! きもひ、きもちいいですぅ!!
もっと、もっとしてくださいぃ! たくさん、たくさん気持ちよくなりたいんですぅ!!」
完全に理性の光が消え、虚ろになった瞳でねだる霊狐を満足そうに見ながらも、青年は意地の悪い笑みを浮かべながら彼女に語りかける。
「だが霊狐。お前は正義の味方ではないのか? それがこんなことを……男にしがみついて快楽を貪っていていいのか? お前のこんな姿を知ったら、お前に助けられた人々はどう思うかな?」
「いやあ、いわないでぇ! だ、だめなの! だって、だってぇ……もう、もう……。わ、私ぃ、我慢っ、できないのぉ!!」
「そうだとも。我慢なんてすることはないんだ。お前は……正義の味方なんかじゃない。
お前は……淫らに発情した獣なのだから。ほら、自分の姿を見てみるといい。 もうどこから見ても淫怪人そのものじゃないか? この姿のどこが正義の戦士だ?」
「は、はいぃ! そうですぅ!! わ、私はもう、正義なんかじゃ、セイバーズなんかじゃ、ないんですぅ!! 貴方がほしくて仕方ない、えっちな、狐なんですぅ!! だから、だからぁ!
……もっと、もっとしてくださぃい!!」
黒須の言葉に従うように頷き、目から涙をこぼしながら霊狐は青年にしがみつく。
彼女の様子を満足そうに見やると、その笑みを深くした青年は希望通りさらに腰を激しく動かした。
「ああっ、すごいぃ! これぇ、これいいのぉ! あなたのこれ、すごくいいのぉ!!」
やがて彼女の快感が頂点を迎えそうになる。だが、後わずかで霊狐が達すると言う所で、突然青年は動きを止めた。
「やぁあ……なんで、なんでやめちゃぅの!? お願い、おねがぁい……くろす、もっと、もっとしてぇ、おねがぃ、いかせて……いかせてぇ!!」
涙目で懇願し、豊かな胸を押し付ける淫獣人に、黒須はにやりと笑むと、重々しく口を開いた。




2009年01月11日
『セイバーズの危機!? 消えた司令官・霊子!』  part7
『ダメだ。悪いが、霊狐……これ以上はしてやれん……。だが、もしお前がどうしてもと言うのなら……望むとおりにしてやってもいい。どうする? 永遠の忠誠を誓い、余のものとなるか?
そうするのならば、先ほど以上の快楽と幸福を永遠に与えてやるぞ?』
既に青年の声や口調、態度はおろか、その体から発するオーラも先ほどまでの優しげなものではなくなっていた。部屋を満たす強大な淫気と威圧感は、かつて彼女が戦ったどの淫怪人よりも強力で、普段の彼女ならすぐさま彼から発せられる邪悪な気配に危機感を覚えただろう。
そう、彼が強大な淫気を持っているのは当然である。なぜなら今、霊狐と一つになっている彼こそがまさに、ダーククロスの首領にして彼女らセイバーズ最大の敵、ダークサタンなのだから。
とはいえ、これは分身や影などではなく正真正銘本物のダークサタンではあっても、完全な本体ではない。もっとも、今の霊狐にとってそんなことは何の関係もなかったのだが。
本来不倶戴天の敵の出現に、しかし、先ほどから既にその淫気に心と体を侵され、彼との交わりによって体の魔因子を活性化され、直接体内にさらなる「魔精」と「魔因子」を注ぎ込まれた霊狐は、敵意を顕にするどころか、彼が自分の前にその正体を現してくださったことにむしろ感動していた。彼に幾度と無く刃をむけ、抗ってきた自分をこうして直々に抱いてくれるという名誉と幸福に、嬉し涙すら流していた。
そういう風に感じるほど、霊狐の心は淫らな気によって変えられてしまったのだ。いや、彼と会った時からずっと、彼とこうなりたいと心の底で思っていたことは本当だから、今の状況を自分から望んだというのもあながち間違いではないかもしれない。
そして最早ダーククロスの忠実な僕となりつつある霊狐にとって、先ほどの問に対する答えなど一つしかなかった。ためらいも無く、それを口にする。
「……はい! はいぃ!! 私は、あなた様のものとなります……! だから、だからもっと気持ちよくしてください! どうか、ダークサタン様……。霊狐の体、お好きなようになさってくださいぃ……!」
『くくく……『誓った』な? よかろう……! その言葉の通り、お前の望みどおり、更なる快楽、人外の快楽、闇に蕩けるほどの快楽をあたえてやろう! さぁ! 受け取るがいい!!』
その声と共に、霊狐の中へとダークサタンの精が打ち込まれる。
「いやぁ……っ、くるぅっ、奥までぇ、入ってきてるぅ……! あ、熱い、熱いのぉ!」



凝縮された魔精は彼女の膣内に流れ込むと、すぐさま全身に浸透し、より完全な淫怪人、淫らな獣人へと霊狐を作り変えていった。見開かれた目は、黒く染まり、瞳が美しくも不気味な金色に輝く。紅潮した頬には目の下に2本の黒いラインが引かれた。
「あひ…あひいぃ……あは、あはぁぁぁ……」
その変化がもたらす快楽に、だらしなく開かれた口からは涎が垂れ、瞳からは涙が零れ落ちた。

『くくくくっ。完全に堕ちたようだな。さあ……目覚めよわが愛しき僕、霊狐よ!』
満足げにダークサタンが呼びかけると、媚びるような目で彼を見つめながら、霊狐は起き上がった。そして、かつては忌み嫌っていたはずのダーククロス式の敬礼を誇らしく掲げる。
「ハイル・ダーククロス!! 偉大なるダークサタン様!
この愚かな私をダークサタン様自ら、完璧な淫怪人、ダーククロスの一員としてくださり、ありがとうございます!! どうか今までの数々の非礼、お許しください!」
頭を深々と下げる霊狐を、ダークサタンはそっと優しく撫でる。
『ふ……よい。お前の罪を許そう。これからは余の僕として、その力を振るってくれるな?』
「はい! 全てはダークサタン様の御心のままに……!」
頭を撫でる愛しき人の手の感触に霊狐はいまだ発情しきった顔を上げると、期待に満ちた目を向けた。



「あの、ダークサタン様……お願いしますぅ…… 私、まだ、まだ足りないんですっ! その逞しいモノで、私を……めちゃめちゃに犯して下さい!」
「……ふ、よかろう。特別に、望みどおりお前の気が済むまでたっぷりとしてやろう……!」
「あはぁあ……ありがとうございますぅ……!」
期待に目を蕩けせると、霊狐は自ら床に寝そべり、尻を高く突き上げる。興奮を抑えきれないように純白の尻尾が振られ、口からは荒い息と共に舌がだらりと垂れた。





こうして、また一つ正義の光が潰え、変わって強大な淫怪人が誕生した。
セイバーズの前に、最凶最悪の敵として霊狐が立ちはだかることになるのは、このすぐ先の話である。

終わり





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〜楽屋裏〜

<<今回のSSではルート固定でしたが、本来は途中でルートが分岐するという妄想>>
A:『裏切られた想い! セイバーフォックス堕つ!!』 → セイバーフォックス(霊狐)悪堕ルート
B:『衝撃の真実! 謎の戦士は司令官!?』      → セイバーフォックス(司令)正義ルート

Bだとダークサタンが化けているのとは別の青年が霊狐を助けてくれて、その後セイバーズの5人と共闘とか。まあそれじゃ悪堕ちにならないんですけど。でもそういうのがあってもいいと思うんだ。

今回のSS執筆に当たっては、ダーククロス関連の各SS作者様、悪堕ちスレでのの設定等を大変参考にさせていただきました。この場を借りてお礼申し上げます。