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ν賢狼ホロν
「嫌なことなんて、楽しいことでぶっ飛ばそう♪」がもっとうのホロです。
ザ・タイピング・オブ・ザ・デッド2
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2009年05月09日
『翔儀天使アユミ〜成淫連鎖』 琴・ショルーノフ&吟・ショルーノフ編 (前編) part4
「っ!ギンちゃん!」
異変に先に気が付いたのは琴だった。
校舎の陰の一角から突如、肉人形が沸いてくるかのようにぞろぞろと飛び出てきた。その数たるや一学年の数に匹敵するものだ。
「ま、まずいっ!」
吟も琴も慌てて肉人形がいないほうへ駆け出すが、その方向からも同様に肉人形の群れが現れた。完全な挟み撃ちだ。
「ギ、ギンちゃん……」
教室より下手に広いだけに肉人形の密度はさっきの比ではない。これなら教室内で限られた数を相手にしていたほうがまだ戦いやすいというものだ。


「こ、これじゃあ教室にいたほうがよかった……?!」
その時吟はふと気づいた。教室内での肉人形の密度は廊下側に比べて明らかに窓側のほうが薄かった。廊下から入り込んで来ていたから当然のことだと思っていたが、それを差し引いても薄すぎた。
まるで吟たちを窓側に逃げるように誘導させるみたいに…
「まさか……、嵌められた?!」

「ピンポンピンポン。大正解〜〜〜!」

肉人形の群れの中から、どことなく間の抜けた声が聞こえてきた。その声に琴も吟もギョッとなって声の方向へ頭を向けた。
なぜなら、その声はとても聞き覚えのある……


「ちょっ!歩美!!」
「歩美さん……なんですか?!」
「うふふ〜〜、そうだよ。私以外の誰に見えるのかな〜〜〜」
ウジャウジャといる肉人形をかきわけ、二人の前に現れたのは間違いなく二人の仲間である翔儀天使の一人、兵頭歩美だ。
だが、その姿は二人の知っている歩美では決してなかった。
髪はおろか全身の体毛は真っ赤に染まり、同じく赤く染まった瞳からは寒々しいまでの邪悪な光が輝いている。
一糸も纏わぬ体は腹部が異様に膨らみ、まるで妊婦のような外観である。
そして、その全身から漂ってくるあまりにもおぞましい気配。
「な、なによ歩美……、あんた、なんて格好してるの……。それに、そのお腹……」
「い、いえ…。そんなことより、なんで肉人形の中から出てきたんですか…、歩美さん……」
琴も吟もその気配には覚えがある。だが、それを信じたくはなかった。勘違いだと思いたかった。
「なんでって?ふふふっ、もう二人とも分かっているんじゃないの〜?」
が、歩美はそんな二人の心を見透かすかのようにくすくすと笑った。
「見てみてこのお腹ぁ。ここにはね、もうすぐ復活される玉王様が宿っているんだよ。
玉王様を復活させるため、学園のみんなぜぇ〜〜んぶ食べちゃったの。残っているのはもう、琴ちゃんと吟ちゃんだけ」
歩美はさも愛しそうに、膨らんだお腹をすりすりと擦った。まだ少女の面影を残す歩美がみせるその姿は慈愛をはるかに通り越して異様極まりない。
「じ、じゃあこの皆さんは…、全部歩美さんが……?」
「うん。最初は一人づつ食べていったんだけれど、段々面倒くさくなって触手作って一気に食べちゃった。
どう?見てよこの触手。すごいでしょぉ」


琴と吟が見ている前で歩美の膨らんだ腹がぐにっっと蠢いたかと思うと、ぼたぼたと粘液がこぼれると共に歩美の股間から無数のピンク色の肉触手が溢れ出てきた。
同時に口からも同様の触手が飛び出てくる。
「私ね、玉王様のお力が強くなるにつれていろいろなことができるようになったんだよ。こうして触手を作ることもできるようになったし、みんなを操ることも簡単に……。うふふふ……」
「「「うふふふ〜〜〜、ふふふふぅ〜〜〜」」」
口から触手を飛び出させた歩美が低く笑うと、それに釣られて周りの肉人形達も一斉に不気味なコーラスを奏でだした。
「な、なんてことを……」
「歩美……、あんた……」
完全に堕ちてしまっている歩美に、琴は絶望から顔が真っ青になり吟は怒りから真っ赤になった。
「歩美さん、正気に戻ってください!あなたは天使の一人なんですよ。玉王に惑わされてはいけません!」
「このおバカぁ!簡単に玉王に操られちゃうんじゃないわよ!しかも学校をこんなメチャクチャにしちゃって!!」
「…うるさいね。玉王様の素晴らしさを何にも知らないくせに」
琴の懇願も吟の罵声も今の歩美にはどこ吹く風だ。それどころか、二人に向って意地悪そうに顔を歪めた。
「…いいえ、知っているはずだよね。二人とも玉王様のお力に屈した事があるんだからさぁ!」
「「うっ!!」」
そうだ。確かに琴も吟もかつて玉王に天使の力を吸い取られ、身も心も隷属させられてしまった屈辱の経験がある。
あの時は歩美…というか玉王の自爆により助かったが、今回は肝心の歩美が堕ちてしまっている。
「気持ちよかったでしょ?素晴らしかったでしょ?!偉大な力に身も心も屈する快感は!体が蕩けそうになったでしょ!
だから琴ちゃんも吟ちゃんも堕ちよう!『みんな』待っているんだからさぁ!!!」
"ビュルン!!"
歩美の狂気に満ちた笑みに二人の意識が集中している時、不意に二人の背後から粘ついた音が聞こえてきた。


「ハッ!危ないキン姉!」
より歩美のほうに気を取られていた琴の反応は一瞬遅れ、一瞬早く気がついた吟は琴に向って飛んでくる触手を目の当たりにして力一杯琴を突き飛ばした。それにより琴は尻餅をついたものの触手からは逃れられたが…
「ギ、ギンちゃん!」
「くそっ!離せぇ!」
その代償として吟の腕は触手にがんじがらめにされてしまった。
「あ〜あ、吟ちゃんったら邪魔しちゃって……、せっかく琴ちゃんから蕩かしてあげようと思ったのに。ねえ圭ちゃん」


「うふふ…そのとおりですわ……」
吟を縛る触手の先から聞きなれた声がする。肉人形の群れを掻き分け出てきたのは、無数の胸から吟に向って乳触手を伸ばす圭だった。
歩美と同じく髪の毛を真っ赤に染め異形の触手を伸ばす圭に、琴は更なる驚きに包まれた。
「け、圭さん……あなたも……?!」
「何を驚いているのかな〜琴ちゃんは。『みんな』だっていったじゃない!」
その歩美の声に反応したのか、肉人形の中から次々に見慣れた顔が飛び出てきた。

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