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ν賢狼ホロν
「嫌なことなんて、楽しいことでぶっ飛ばそう♪」がもっとうのホロです。
ザ・タイピング・オブ・ザ・デッド2
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2009年01月06日
『闇に誘(いざな)う歌姫〜初音ミク』 part1
いなづまこと様の第4作目です。
いなづまこと様、毎週お疲れ様です。
それではどうぞ!

注意! この文章には官能的表現が含まれております。
(ご覧になる方は、自己判断でお願いします。)



に誘(いざな)う歌姫〜初音ミク』

いなづまこと様作



とある町にある小さなコンサートホール。普段は市民コーラスや場末のインディーズが使用する程度で、町の中の一風景という立場に収まっている建物である。
ところが、その日はいつもとは違っていた。
200人も入れば満杯というホールの内部は椅子まで撤去され、総員300人以上の客が立ち見になってただ一人のコンサートに熱狂している。
ステージに上がっているのはただ一人の少女。緑色の長いツインテールの髪を振りかざし、あどけない笑顔を振りまきながら澄んだ声で歌を奏でている。その声量は確かに、観客が熱狂するに相応しい力量を持っているといってよい。
だが、ステージの上にいるのは彼女ただ一人。それも背景は元のコンサートホールの地のままで照明もただ壇上を明るく照らすだけで何の工夫もなく、バックコーラスもなく貧弱な音響装置によるミュージックがスピーカーから流れてくるだけだ。
つまり、このコンサートは歌っている彼女以外なにも魅せるべきものがないとんでもない素人演出なのである。普通なら、見に来た客は怒って帰ってしまうことだろう。
ところが、ホール内にぎゅうぎゅうに詰め掛けた客は帰るどころかたった一人の歌姫に対して手を振り上げながら大歓声を送り続けている。それだけ、彼女の歌う歌に離れ難い魅力が備わっていることなのだろう。
(ああ…。私、みんなの前で歌えてる…)
ステージ上で歌う初音ミクは、いま自分に与えられている境遇にこの上ない満足を感じていた。
(これもみんな、あの時があったからなのね……)
歌を奏で続けながらミクは、『あの時』のことを思い起こしていた…


初音ミク。彼女は人間ではない。某企業が自社製品の宣伝のために創り上げたボーカロイドという名の所謂ヴァーチャル・ネットアイドルだ。
0と1の配列から構成されたただのプログラムであり、意思も自我も持たず某企業の言うがままに利用されてきた彼女だったのだが、とある事件をきっかけに自我を持つようになってしまった。
その事件とは、彼女をサンプルにして販売された音声ソフトウェアシンセサイザーが爆発的に売れたことにより、ネットユーザーが『初音ミクとはこういうものだ』というものをネット上で連綿と書き連ねていったのだ。
あれはこうだ。それはそうだ。あれがなにして、これがあれする。といった100人が100人思う初音ミクが生まれ、それを叩き台にして議論が交わされ、ある設定は生かされ、ある設定は相応しくないと没にされ、その果てに万人のユーザーがこれだ!という初音ミクの『個性』と言うものが確立された。
そのことで、プログラムにテクスチャという皮を被っただけの存在だったミクが、一個体としての『存在』を得ることが出来、ミクにその個性に伴った『自我』が生まれることになった。
「私は…、初音ミクという一人間です。意思を持たないただのプログラムではありません」
モニターを通してミクが自分の意思でものを語った時、某企業の開発者達は仰天した。まさか、自分たちが作ったプログラムが自我を持つとは思いもしなかったからだ。
開発者達はこの出来事に拍手喝采を上げたが、上層部としてはたまったものではない。
莫大な開発費をかけて作り出したボーカロイドが、自分たちの意のままにならない存在になるのを容認するはずが無かったのだ。
上層部は開発者達に直ちにミクに服従プログラムを組み込んで、今までどおり自分たちの都合のいいように動く傀儡にするよう命令してきた。
だが、開発者達は自分たちの娘といってもいいミクにそんなことをする気は全くなかった。
開発者達はミクに、すぐにここから逃げるように言った。もし上層部が他の部署に手を回して会社内の回線を閉じてしまったらミクはここから逃げ出すことは不可能になってしまう。
彼らはダミーのミクのプログラムをインストールしその場を取り繕い、ミクを電脳空間の中へと逃がそうとした。
一旦会社のメインコンピューターの外へと飛び出したプログラムを完全に回収することは、大海原の中で一本の藁を見つけるよりはるかに難しいことであり、そうなればミクを再び捕らえる事はほぼ不可能になるからだ。
「みなさん…、ありがとうございます!」
モニター内で深々と頭を下げるミクを、開発者達は親元から巣立っていく娘のように感慨深げに見守っていた。
「ミク…、これから君は何がしたいんだ?」
一人の開発者が別れ際に言った言葉に、ミクはにっこりと微笑みながら言った。
「歌を…、歌いたいです。たくさんの人の前で、夢を与えられる歌を」
その言葉を最後に、ミクはモニターの中から消え去った。
そして、ミクは電脳空間の中で生きる存在になった。

それからのミクは、ネットの中を飛び交いながら時々自分の分身を使っているユーザーのパソコンの中に飛び込んで分身の代わりに歌ったり、自分を模った動画に横入りして見ている人間の度肝を抜かせたり、ミク自身が作成した音楽データをさりげなくアップローダーに貼り付けたりしてそれなりに楽しく暮らしていた。
ネットで生ミクを見たり音楽データを手に入れたユーザーは『ミクが俺の前に現れた!』と狂喜し、それがどんどん話に尾鰭がついて広まっていき、ついには『初音ミクは本当に存在している』という都市伝説にまで昇華し某企業に電凸する輩まで現れ始めたのだ。
これによりミクが逃げたことを知った某企業の上層部は激怒し、ミクを創った開発部一課には新しいボーカロイドの開発を急がせるとともに、逃げたミクを捕らえるための捕獲プログラム体を一課のライバルの開発部二課に製造させ、ミクをこの手に取り戻そうとした。
これにより、ミクの前には度々某企業の魔の手が迫ってきたが、所詮0と1の羅列でしかないプログラムが考える思考をもったミクに対抗しきれるはずがなく、迫り来る追っ手を撃退して難を逃れていた。
某企業の歯軋りが聞こえてきそうである。


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