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ν賢狼ホロν
「嫌なことなんて、楽しいことでぶっ飛ばそう♪」がもっとうのホロです。
ザ・タイピング・オブ・ザ・デッド2
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2008年12月29日
『闇の狭間の淫略〜淫水魔月海』 Part1
ワーイッ♪ヘ(^ω^ヘ)(ノ^ω^)ノワーイッ♪ いなづまこと様の第3作目です。
いなづまこと様、本当にありがとうございます!
それではどうぞ♪

注意! この文章には官能的表現が含まれております。
(ご覧になる方は、自己判断でお願いします。)



『闇の狭間の淫略〜淫水魔月海』

いなづまこと様作


「全く…、最強のセキレイたる吾が何故まっ昼間っからこのような真似を……」
まだ太陽が中天にある午後三時過ぎ、月海(つきうみ)は両手にぱんぱんに膨らんだ買い物かごをぶら下げて、ぶつぶつと文句を言いながら出雲荘へ続く道を歩いていた。

彼女は今新東帝都内で行われている『鶺鴒計画』という不条理なゲームの中心にいる108羽のセキレイの内の一羽だ。鶺鴒計画とは、その108羽のセキレイが互いに戦いを繰り広げ、最終的に一羽のセキレイが残るまで続けるということ以外、全容が知られていないものである。
そして、月海は多種多様な能力を持つセキレイの中で飛びぬけた力を持つセキレイの一羽だった。
No.09というシングルナンバーを持つ月海は、セキレイの持つ真の力に目覚めてなかった時でも並のセキレイなら容易く返り討ちに出来るほどの戦闘能力を発揮でき、真の力に目覚めた今は止められるセキレイのほうを探すことが困難なほどの力を身につけていた。

ただ、この『真の力』に目覚めるというのが少々厄介なもので……
セキレイには、必ず『葦牙(あしかび)』と呼ばれる自身と感応する力を持つ人間の『つがい』が存在し、葦牙を見つけつがいになることでセキレイは自身の持つ真の力に目覚めることが出来るのである。
月海はこの葦牙の存在を異様に嫌っていた。自分よりはるかに力の劣る人間と組むなど真っ平御免だったし、葦牙とつがいになることで自身が穢されるものという思いが月海にはあった。
だから、もし自分と感応する葦牙が現れたら契りを結ぶ前に抹殺してやると心に誓っていたのだ。
しかし、その決意は実際に目の前に現れた葦牙を見て霧消してしまう。
彼女の目の前に現れた葦牙、佐橋皆人(さはしみなと)の優しさに触れた月海の心からは、それまで凝り固まっていた葦牙への嫌悪感は容易く溶け落ち、目の前の冴えない男への抑えようのない熱い想いで満たされていった。
そしてそのまま月海は皆人を受け入れ、彼のつがいのセキレイとして『羽化』することになった。
まあ、この光景は現在の新東帝都ではよく見られる光景であった。なにしろ108羽もセキレイはいるのだ。100通り以上の出会いがあるのである。
ただ、皆人は普通の葦牙ではなかった。
皆人の下にはすでに自らの手で羽化させたセキレイがいたのだ。それも三羽も。
No.88『結(むすび)』、No.108『草野(くさの)』、そしてNo.02『松(まつ)』。
皆人は複数のセキレイを羽化させることのできる特殊な葦牙だったのだ。
これが月海には面白くない。自らが命を賭け、守るべきたった一人の葦牙。今まで散々嫌っていた葦牙に対する嫌悪が消え、自らが伴侶となるに相応しい葦牙と一つになったと思いきや、その葦牙には自分と想いを同じくするセキレイが三羽もついていたのだ。
その中でも、結は最初に皆人の手で羽化されたからかやたらと皆人にくっついているように月海には見えていた。
自分こそ皆人のたった一人の『妻』であり、他のセキレイなど妾、二号、その他大勢と考えている月海としては、結にだけは負ける訳にはいかなかった。
それからというもの掃除にお買い物に、結と月海はなにかにつけ互いに張り合い皆人争奪戦を繰り返していた。早く終わったものが皆人の横で食事を受ける権利をえるという出雲荘管理人・美哉の策略(笑)に踊らされているだけという見かたもあるのだが。

だが、今日は月海一人だけが買い物に駆り出されていた。なんでも結が所要で出かけており月海しか手が開いていないそうなのだ。
面倒くさいと渋る月海だったが、食事の優先権を与えるという美哉の甘言にあっさりと陥落し、こうして暑い昼下がりに重い荷物を持って歩いているのであった。
「…まあ、夕餉に皆人の横で共に食事を出来ると思えばこんな苦労も厭いはせぬがな…」
想い人の横で食事を取る…。ほんの少しの前までは想像もしなかった出来事がこれほどにも喜ばしいこととは月海は予想もしなかった。
丸くなった、とは思いたくない。自分は『人を想う』という心を知り、より強い存在へと昇華できたのだ。誰かを想い、守るためにこの力を振るう。ただ己のためだけに振るってきた時よりなんと重く、芯が通ったことだろうか。
「ミナト…、吾は汝と共に必ず最後まで勝ち抜き、汝を嵩天へと導いてくれようぞ……」
両手を買い物かごで塞がれていたので、月海は心の中でガッツポーズをとりながら秘めたる決意を新たにしていた。
「でも、とりあえずは今宵の夕餉だな。すまぬな結、今日は吾の不戦勝だ」
結が羨ましそうに見つめる中、見せ付けるようにベタベタしてやろう。
月海は晴れ晴れとした気分で、家路を進んでいった。

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