2016年06月21日

歌詞のブログ掲載は著作権法違反になる?

新しく始めたブログでは、大好きな洋楽のアーティストの紹介と代表曲のYouTube埋め込み動画と歌詞を載せるカテゴリーを作ろうと思っています。歌詞については自分なりに翻訳した日本語歌詞も掲載するつもりです。

そこでふと思い立ったのは、これって著作権的にはどう判断されるのだろう?ということ。


動画サイトに著作権者の承諾を得ず動画をアップロードしたり、有名人の画像を無断で掲載することは違反になると誰もが知っています。
芸能人やスポーツ選手などの画像を無断掲載するのはパブリシティ権違反になるそうです。
有名人は一般人に対する影響力があります。有名人おすすめの商品は、有名人のブランド力で販促効果が高まります。ブランド力は有名人が積み上げてきた営業努力で培った力であり、そこから得られる経済的利益は有名人が独占すべきだという考え方がパブリシティ権です。
実際に、ある弁護士さんのところに相談にきた人は、無断でアイドルの写真を掲載していたところ、所属事務所から数百万円の賠償請求をされた人もいるそうです。ファンだから悪意はないだろうし、むしろ愛情を持っているはずですが、パブリシティ権違反で多額のお金を請求されることもあるんですね。世知辛い世の中です…。
有名人の画像を自分のサイトに掲載したいなら、本人や事務所に許可を取るか、似顔絵を描いて載せるか、ツイッターやインスタなどの埋め込み機能を使うかなどの方法を取る必要があります。



一方で、YouTubeなどにアップロードされた動画をブログに埋め込んだり、歌詞をブログに掲載する行為はどうなんでしょう?

弁護士さんのサイトや文化庁のHPで調べた結果、著作権者に無断で歌詞をブログに掲載することは引用を除けば著作権法違反になるとのことです。翻訳したものを載せてもアウト(27条)。
動画の埋め込みに関しては、JASRACによると権利者の許諾が必要とのこと。リンクを貼るだけなら問題ないとのことでした。
しかし、このJASRACの主張は法的には通用しない可能性が高そうです。ロケットニュース24事件の判例では、動画の埋め込みが著作権違反に当たらないことが明示されているので、JASRACの方がむちゃを言っていると考えられます。JASRACから「動画を埋め込んでいるので金を払え」と言われても、「法は侵してないので黙れ守銭奴」と言ってしまって良さそうです。もちろん裁判をする覚悟は必要ですが。
そもそも埋め込み機能は、配信側が完全にコントロールしていて、利用者は配信されてくるコンテンツに何も手を加えられません。著作権などの法的なことも配信側とアップロード者と著作権者の間の問題です。利用する側は当然それがクリアされているという前提で利用しています。そのためJASRACが利用者に金をせびってきても、お角違いなわけです。むしろ、ロケットニュース24の判例が出ている今の状況でそれをJASRACが脅すように言ってきたら、利用者に対する威力業務妨害罪の可能性すらあります。

公式チャンネルで配信されているようなオフィシャルの動画ならば何の問題もなくOKです。もちろんアーティスト自身が好きにしていいよと公にしている場合も問題ありません。

基本的には、引用以外で、著作権のあるものを著作権者に無断でサイトやブログに掲載したらアウトと覚えておきましょう。
安易に掲載していると、ある日突然、多額の賠償金を権利者から要求されることがあるかもしれません。


一方で、『引用』ならば著作権者の許諾がなくても利用できると著作権法32条1項には明記してあります。
さらに引用であれば翻訳もしていいとのこと(43条2項)。ただし内容を要約したものの翻訳(翻案)は違法になります。文章、写真、絵、音楽など全てに当てはまります。

これは私にとっては朗報!! 引用で使わせてもらえれば御の字です。
『引用』とはどのようなことに気を付けなければいけないのでしょうか(32条)。

@明瞭区分性 48条
 歌詞の場合ならば、掲載する歌詞と、記事の他の部分に書いてある自分の文章が明確に区別されていなければなりません。引用タグや、” ”「」などで歌詞を括っておいたり、作詞者や曲名などの出展を明確に記載しておくことです。これで明瞭に引用部分と自分のテキスト部分が区分けされたことになります。

A主従関係
 自分が書いたテキストが主たる部分で、歌詞はそれに従属している関係であることが必要ということです。テキストの文字数は明らかに分量が多くないといけません。
例えば、あるアーティストについてその音楽性や人間性を考察した文章を私が2000字以上書き、それを元に歌詞を掲載しその意味を考察する、というような構成であれば主従性は明確なので問題ないということになります。
 歌詞だけ書いた記事は主従関係がないので、明確に著作権侵害になります。

B引用する必然性がある
 上記3つを満たしていても、引用する必然性がなければアウトです。何故その著作権物を引用しなければいけないのか?記事の前後の内容からみて必然性がなければいけません。

C利用目的・著作権者への影響も重要
 他人の著作権物を引用してお金儲けをしている場合はアウトになることもあります。たとえば、芸能人の画像を使って、その芸能人がいかにもある商品を推薦しているような使い方をすれば完全にアウトです。
 では、歌詞や演奏の埋め込み動画を引用した記事に、アマゾンなどのアフィリエイトでCDの広告を貼った場合はどうなのでしょうか? CDが売れれば著作権者にとっては直接の利益になります。
 著作物を引用したものでお金儲けをすることが違法になるとは法律のどこにも書いていませんのでOKです。安心して広告を貼ってください。
 もし引用してお金儲けをしたら違法になるのであれば、テレビ番組も、本も、雑誌も、企業サイトも全部アウトになるはずですよね。
 とは言え、広告を貼るなら引用して使わせてもらった著作権者の利益にもなるものがいいと思います。リスペクトも込めて。win-winになる形の方がお互い気持ちが良いですからね。
 逆に、著作権者の不利益になるような内容の記事を書いたり、変な広告を貼ったら、差し止め請求をされる可能性がありますね。


以上のようなことを見ると、ただ歌詞を載せて数100字程度のテキストを書いただけでは引用と認められないでしょう。埋め込み動画を貼るだけというのも同様ですね。

楽曲や歌詞以外のテキスト部分がどれだけ充実しているか、歌詞を載せる(引用する)必然性があるか、ということろが最大のポイントになりそうです。



ちなみにJASRACのサイトには引用についての詳しい解説記事がほとんどありませんでした。文化庁のサイトを読めと書いてリンクが貼ってあるだけ。
営利を追求している企業らしく収入が減る可能性があることは出来るだけ書かないというスタンスなんでしょうかね?



その他の確認事項としては、

・日本の著作権は、著作権者の死後50年後からはフリーです。海外では70年が主流でTPP発行後は日本でも70年になりそうです。それ以降は誰でも自由に使えるようになります。今から50年前というと1966年くらいです。それまでに亡くなった方の制作物は気兼ねなく使えます。昔の有名な絵画やクラシックの楽譜を載せても何の問題もありません。

・他人の著作物を自分で写真を撮った場合、その写真をブログに掲載したら著作権侵害になります。例えば、現在活躍中のジミー大西さんの絵画展へ行ってポスターや絵画などの写真を撮り、それをジミーさんの許可なしにブログに載せたらアウトです。
 風景写真などで、たまたま他人が写り込んでいたら肖像権の侵害になるのでモザイクなどをかける必要がありそうです。雑誌などをスキャンして載せてもカメラマンや出版社の権利を侵すので当然ダメです。

・アニメやマンガなどのキャラクターの使用は、著作権(公衆送信権)の侵害になります。ツイッターのアイコンなどでよく見かけますが大半は違法でしょうね。

・許可なく他人のメールを掲載することもダメ。たまに友達とのラインのやりとりや、企業とのメールのやりとりをサイトなどに公開している人がいますが、相手の許可がなければアウトです。

・料理に関しては著作物ではないので自由です。アイデアに著作権はありません。お店に行って料理の写真を撮ってSNSにさらすのは合法ということですね。レシピも合法です。ただし、例えばクックパッドのレシピをそのままコピペしたらアウトです。文章は著作物になります。

・建物の外観、自動車、家電などの写真などは基本的にフリー。ただし写真撮影禁止を明示している寺社仏閣などの敷地内の写真は損害賠償請求の対象になることもあります。ディズニーランドはかなり厳しいので要注意です。
 不思議に思うのは、建物の外観をある写真家が撮ったときに、その写真の著作権は写真家にあることです。本物の建物はフリーなのに、写真にしたらフリーじゃなくなる。おかしな話ですよね。そもそも写真家は人のコンテンツを撮っている(ある意味では盗んでいる、都合よく利用している)だけなのに、なぜその写真に写真家の著作権が生まれるのでしょうか?
 私は単純に現実を切り取っただけの写真という物に創造性を感じたことが一度もないので、腑に落ちないところです。

・新聞社のニュースの見出しだけを数件載せるのは問題ありません。数十件載せたりすると問題になるようです。弁護士さんによると、ニュースの見出しはそのまま載せるのではなくリライトすべきだそうです。




とりあえず私がやろうとしていることは合法のようだったのでひと安心しました。
薬機法などもそうですが、知らないといつの間にか違法行為をしていたなんてことがありますから、サイトを作る上では法律の知識を知っておかないと大変なことになりかねませんね。


基本的に著作権侵害は親告罪なので、著作権者が権利の侵害だと腹を立てなければ問題ありません。企業であれば自社の宣伝になっていればむしろ歓迎しれくれることもあるでしょうし、芸術家なども無断で自分の作品が掲載されていても記事に愛情を感じれば問題視することはほとんどないでしょう。

ただ、いろいろと調べているうちに腹が立つなと思ったのは、JASRACの対応です。
音楽ファンが全く悪意なくアーティストの素晴らしさを伝えたいがために歌詞を載せていたところ、JASRACは権利侵害行為として使用料を要求してくることがあるそうです。検索していたら同じ請求を受けたという人が何人もいました。
さすがにこれはないでしょ。
悪意があったり、著作権者に明確な損害があるのなら分かりますが、著作権者にはプラスになるような内容でも違反行為だから金よこせというのは下衆過ぎます。

よくスマホゲームの攻略サイトなどがありますが、攻略サイトの盛り上がりはゲーム会社にとってもプラス効果が大きいので著作権違反はスルーして両者ともうまく付き合っていますよね。そういうものまで自分たちの飯のタネだとつぶしにかかるJASRACにはガンホーやコロプラの爪の垢でも飲んで下痢してほしいです。

今回、著作権についていろいろ調べてみて、JASRACという組織には大きな問題があるなと強く感じました。

(2017年2月2日追記)
JASRACは音楽教室からも著作権使用料を徴収する方針だそうです。
参考リンク:音楽教室から著作権料徴収へ JASRAC方針、反発も
音楽文化の成長や公共の利益なんて無視する金の亡者ですね。

著作権者を食い物にしているのはJASRACだと最近では思うようになりました。JASRAC社員の平均賃金を公開されている財務諸表から計算すると、なかなか立派な数字になります。サラリーマンや公務員の平均所得より遥かに高いです。退職金もすごいです。登録している著作権者の方々は自分たちの収入がJASRACに搾取されているわけですけど、怒らないんでしょうかね?


ちなみに、JASRACが使用を許可しているブログサービスもあります。
以下のブログサービスを利用すれば引用でなくても自由に動画や歌詞を掲載することができます。ただし商用目的はダメらしいので、アドセンスなどのアフィリエイト広告を貼りたい人は意味がないですね。
(2016年6月10日現在)

・アメーバブログ
・JUGEM
・Seesaaブログ
・textream
・プリ画像
・Yahoo!知恵袋
・Yahoo!ブログ
・ヤプログ!
・ライブドアブログ
・楽天ブログ

いろいろと細かいことを考えずに済むので、私は音楽記事だけ独立させてこのどれかのブログを利用して記事を書こうかなと思ったりしています。
しかし自分でドメインを取ってやることと比べると、無料ブログに魅力は感じません…。
この一覧の中にファンブログがあればこのブログでやってみても良かったんですけどね。


まとめると、
歌詞を全文掲載したいならJASRACに使用料を払い使わせてもらう。商用目的でないなら、JASRACが利用を許可しているブログサービスを使えばタダになります。
歌詞の一部掲載だけで良いのなら、引用のルールをしっかり守って使わせてもらうのが一番いいと思います。

あとは、やっぱり著作権者に対する感謝と愛情は大事だと思います。
コンテンツを作るのって大変なんです。それをタダで使わせてもらうんですからね。愛のある使い方をすべきですね。





法律問題についてはケースバイケースなので自分で調べるだけでは限界があります。この記事に書いてあることもケースによっては間違っていることがあるかもしれません。

以前、私は著作権を侵害されて弁護士さんに相談したことがあります。事前に自分で十分に勉強してから相談したつもりでしたが、専門の弁護士さんに聞いてみると勘違いしていた部分があったりしました。

勘違いしたままにしておくと、後々大きな問題になってしまうこともあるので、やはり専門の弁護士さんに直接相談するのが確実だなぁと思いました。

あと、弁護士さんに相談して一番大きいメリットは安心感があることです。ネット情報は間違っているものが非常に多く、何を読んでも確実ということはありません。弁護士さんに相談すると責任を持って明確に法的根拠を示してくれるので、その通りにしていれば大丈夫という強い安心感がありました。相手も個人で訴えているときにはナメた態度でしたが、弁護士さんがついたとたんに手のひらを返してきましたしね。

法律全般サポート





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posted by a8cozy at 03:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 法律
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