東京オリンピック以降に水虫が急増!?
「水虫の研究は1890年代から欧米を中心に始まり、日本では、1918年に東京大学皮膚科教授の太田正雄博士が、水虫の原因菌である『白癬(ハクセン)菌』の分離培養に成功しました。
つまり、水虫の原因がわかったのは、約100年前なのです。
もともと下駄や草履を履いていた日本人に水虫患者は少なかったのですが1965年の東京オリンピックを境に、急速にライフスタイルの欧米化が進み、大半の人が靴を履くようになったため、水虫患者が急増したのです。
ちなみに、日本で最初に水虫になったのは、いち早く靴を履いていた坂本龍馬である、なんて説もあるんだとか。
では、そもそも水虫ってどういう病気なんですか?
「水虫とは足の裏や足の指の間、手のひらに、白癬菌という『カビ』が寄生して起こる病気です。
白癬菌は、皮膚のいちばん外側の『角質層』に寄生しますが、特に足の裏の角質層は厚いため、白癬菌のすみかとして最適なのです。
ただ、白癬菌がついただけでは水虫は発病しません。
蒸されることで角質が柔らかくなり、白癬菌が侵入しやすくなるのです。
平均温度が20度を超えると白癬菌が活動しやすくなり、かつ蒸れやすくなるので、毎年、5月から夏にかけて水虫患者が急激に増えるのです」
同じ白癬菌が原因でも、水虫は発病する場所によって病名が変わるのだとか。
頭なら「しらくも」、股の部分なら「インキンタムシ」になるそうです。
では、日常生活では何に気をつければいいのでしょう?
「仕事用であれば靴は3足ぐらい用意して、ローテーションさせて使うのがオススメです。
一緒に暮らしている人がいる場合は、相手から感染する可能性も高いので、バスマットはこまめに洗って干す、スリッパは共有しないなどを心がけてください。
また、畳やカーペットなどにも白癬菌は潜んでいるので、こまめに掃除をすることも大切です」
白癬菌が付着しても角質層の中に入り込むには、24〜48時間はかかるので、こまめに足を洗って白癬菌を取り除くことも大切だとか。
水虫を徹底的に予防して、これからの不快なシーズンを快適に過ごしましょう。